しかし野田佳彦首相は、何を守り、何を開放するか、についての定見が全く無さ
そうなのだ。なんとなれば、11/12のAPECにおける日米首脳会談において、
野田首相はオバマ大統領に「TTP交渉では、すべての物品やサービスが対
象となる」などと伝えたという。これは米側の発表で伝えられたことであるが、こ
れを聞いた日本側は吃驚仰天、すぐさまそんな発言をしたことはないとコメント
を発表している。本当に野田がこんなことを言ったとしたら、本当のAPTだ。すで
にTPP交渉はバチバチと火花を散らして進んでいる、と言うことを弁えていない。
31日米首脳会談の米側発表に外務省ビックリ! その真相とは…
2011.11.13 17:57 [通商・貿易]
12日昼(日本時間13日朝)にホノルル市内で行われた日米首脳会談の米側
の報道発表をめぐり、とんだハプニングが起きた。
米側の報道発表資料には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「野
田佳彦首相が『すべての物品およびサービスを自由化交渉のテーブルに載
せる』と述べた」と書かれていた。
これに対し、外務省は「そのような発言を首相が行った事実はない」として、米
側の報道発表を否定する報道発表をして火消しに躍起となった。外務省による
と、首相は「昨年11月に策定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基
づいて高いレベルでの経済連携を進める」と述べただけだという。
外務省が米側に説明を求めたところ、米側は同基本方針に「センシティブ品
目(自由化に慎重な品目)について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交
渉対象とし…」と書かれていたことを踏まえ、報道発表したと説明。誤解を認め
たという。
とはいえ、この基本方針は菅直人政権が閣議決定したもので、民主党政権の
あいまいな姿勢が今回のような誤解を招いたともいえそうだ。(ホノルル 坂井
広志)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111113/plc11111317580026-n1.htm
日本側はすぐさま(かどうかは知らないが)訂正を要求したが、米国政府は知ら
ぬ存ぜぬで一切訂正には応じていない言う。アメリカは誠によい言質を取ったと
思っていることであろう。日本ははっきりと、このことには言及しておく必要があ
る。もしもすべてのことが交渉対象になったとすれば、TPP交渉はまとまらない
であろう、位は誰かから言わせておく必要がある。
32訂正要求を米が拒否 野田首相「すべての品目自由化交渉対象」発言
2011.11.16 13:05 [野田首相]
(Photo)
参院予算委で答弁する野田首相=16日午前、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)
野田佳彦首相は16日午前の参院予算委員会で、環太平洋戦略的経済連携
協定(TPP)をめぐる日米首脳会談の両政府の発表の食い違いについて、米
政府に訂正を要求したが受け入れられなかったことを明らかにした。その上で、
米政府の発表について「自分の発言そのものを引用していないと確認されてい
る」とし、今後も訂正を求めない考えを重ねて示した。
首相は予算委で、オバマ大統領に「昨年11月に閣議決定した基本方針に
基づき高いレベルの経済連携を推進する」と伝えたことを説明。基本方針の「セ
ンシティブ(重要)品目に配慮しつつ、すべての品目を自由化交渉対象と
する」との文言のうち、米政府が「すべての品目」部分のみを引用したとして、首
相は「切り取るのは問題がある」と強調。「事実確認の際に『訂正した方がいい』
と言ったが、米国側からの『われわれの解釈で書いている』とのやりとりでとど
まっている」との経緯を明かした。
また、首相は「幅広い分野に関わるので、外交交渉や情報提供をやるための
強力な体制を整備する」と述べ、米国などとの協議に向け関係省庁横断の体制
を整備する方針を表明。交渉チームは国家戦略室が統括する方向で調整して
いる。
民主党の徳永久志、公明党の木庭健太郎両氏への答弁。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111116/plc11111613060005-n1.htm
こんなことではすでに交渉に負けている。これでは、困るのである。全く民主党
政権は、政権運営能力に欠けている。民主党には、日本は任せられないと言
うことだ。
アメリカは農業とその関連するものの完全な自由化をまな板の上に載せてくる
はずである。そんなことは牛肉の輸入自由化交渉で、すでにわかっていた筈
だ。それなのに民主党政権は全くTPPとは反対の公約を掲げて、政権を乗っ
取ったのである。それは、4Kのひとつである「農家の戸別所得補償」政策で
ある。
農業の自由化を推し進めるのなら、農業の大規模化とか企業形態の導入など
に踏み切らなければならないところ、「農家の戸別所得補償」政策では、反対に
零細農家や兼業農家を存続させる事になってしまっている。
(続く)