世の中、何だこれ!(巨人ゴタゴタ、6)

桃井を非難する記事は少ないと思われるが、次の記事も面白いので参照願う。

71巨人社長はサラリーマンの“鏡”…“盟友”切り捨て保身に奔走中!
2011.11.26
Dms1111261443007n1
保身で盟友を裏切る生き方は、サラリーマンとしてやむをえないか…

 清武英利氏と渡辺恒雄会長の対決劇で、重要な脇役として注目を集めているのが当時

巨人のオーナーだった桃井恒和球団社長(64)だ。清武氏とは読売新聞時代からの盟友

だが、現在は渡辺会長の意を受けて、清武氏追及の急先鋒となっている。長いものに巻

かれる
典型的なサラリーマンの生き方に、アナタは共感できるか-。


 清武氏は25日の会見で、「当初、鶴の一声に真っ向から反対していたのは桃井社長

だった」と桃井社長の変わり身の早さを批判した。もともと『もうやっていられない。俺辞

表出すよ
』と渡辺会長に怒りをあらわにしていたのは桃井社長だったと暴露したのだ。


 これまで清武氏は桃井社長の風見鶏ぶりには意図的に言及を避けてきた。渡辺会長に

にらまれては生きて行けない読売グループ内の事情から、桃井社長の小市民的な生き方

を糾弾することはできないとの配慮があったからだ。


 気さくな人柄で人望の厚い桃井社長だが、現在は渡辺会長に成り代わって清武攻撃を

代行している立場。清武氏もたまらずに桃井社長が翻意した様子を白日の下にさらすこと

を決めたようだ。もし清武氏の説明が正確なら、桃井社長の処世術はあまり格好がいいと

はいえない。


 桃井社長は、25日清武会見後にもコメントを発表。清武氏がコンプライアンス違反と

指摘している渡辺会長のコーチの人選への介入について、次のように述べている。


 「クライマックスシリーズ敗退という事態を受けて一部修正を検討するのは当然である。

巨人軍職制、巨人軍組織規定に、GMに関する条文はまったくない。コーチの人事権

誰にあるか明確に定めた条文もない」


 渡辺会長の意向がコーチ人事に反映されるのは当然と主張している。盟友だった清武氏

よりもサラリーマンとしての正義を取ったということだろうか。


 またこの騒動のもう1人の大事な脇役が、清武氏の代理人の吉峯啓晴弁護士(62)。

企業コンプライアンスの専門家で、この日の会見中には、巨人軍だけでなく読売新聞社

の体質にまで言及。常に渡辺会長の個人的な見識に支配されているとし、「読売新聞の

記事の品質が心配だ
」とまで発言した。


 これに対しても桃井社長は反論。「取材・報道活動に真剣に携わっている記者、論説委

員、編集委員らに対する根拠のない誹謗であり、清武問題と関係のない読売新聞の信用

を傷つけるもので看過しがたい。発言の撤回を求めたい」と強硬姿勢をとっている。


 バイプレーヤー同士の対決も見逃せない。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20111126/dms1111261443007-n1.htm

     
さて、今までのいきさつを今一度次の記事でおさらいし、事の起こりを時系列に並べてみ

たい。

    
32「渡辺会長はファン愚弄」 清武氏インタビュー1
2011年11月26日03時00分


 読売グループに長年君臨するトップへの突然の反旗、そして解任。プロ野球・読売巨人

軍の代表兼ゼネラルマネジャー(GM)だった清武英利氏の内部告発に対し、共感、反感、

冷めた視線と世間の受け止め方は立場によって様々だ。かつての敏腕事件記者を駆り立

てたものは何だったのか。清武氏が「鶴の一声」の実態を生々しく語った。


■桃井さんと辞表を出すはずだった

 ――「清武の乱」は、あっけなく鎮圧されたように映ります。ご自身の著書風に言えば「巨

人軍は非情だった」ということですか。


 「簡単に世の中は変えられませんよ。法的措置を含めて、息の長い闘いになるかもしれ

ません。この1週間ほどで4キロもやせましたけどね」


 ――85歳にして読売新聞グループ本社会長・主筆で、巨人の球団会長でもある渡辺恒

雄さんが11月4日、「(来季のコーチ人事について)何も報告を聞いていない」と記者団に

語ったのがすべての始まりでした。
 

 「その日の夜、桃井恒和・球団オーナー(当時)から『主筆から罵詈雑言(ばりぞうごん)

を浴びせられた』と聞き、渡辺会長に電話しました。すると『コーチ人事は俺が決める。俺

は最後の独裁者だ』とまくし立てられた。かなり酔っていたようで、興奮していた。翌日、桃

井さんに電話すると『10月20日に報告したのに、主筆は聞いていないと言い出した。もう

嫌になった。やってられない。辞めるよ
』と言う。桃井さんとは社会部時代からの長い付

き合いなので『私も殉じます』と申し上げ、二人で辞表を出すということになりました」


 ――しかし、桃井さんは清武さんが11日に記者会見したことを「かばえない」と批判しま

した。はしごを外されたのですか。


 「6日に私から桃井さんに電話したら『明日
(注11/7)主筆に会うが、お前は来なくていい

そうだ』と言われたんです。私は『桃井さん、辞めるんじゃないの』と聞いたら『辞表は一応

持っていく』と答えた。あれっ、と思いましたね」


 「渡辺会長と会った桃井さんは『辞表などしまっておけ』と言われ、辞表を出しませんで

した。その後、桃井さんから新たな人事案を聞きました。江川卓さんが1軍ヘッドコーチと

なり、岡崎郁ヘッドコーチは野手総合コーチへ降格、桃井さんはオーナー職を降りて球団

社長になり、私は専務のままだがGMから外れる、という内容です。しかも選手獲得などの

補強は引き続き私に『やれ』という。編成権がなくなる人間にそんなことはできない。私は

『受けられない』と拒否しました」


 ――すでに来季のスタッフが固まり、渡辺さんも一度は了承していたわけですね。


 「渡辺会長は、伝えたことをすぐに忘れてしまうこともあり、必ずペーパーにして渡すよう

内部で引き継がれてきました。今回も10月20日に5枚にわたる報告書を渡して、了承を

得ていました。しかし11月9日に読売新聞本社で渡辺会長と午後2時半から二人だけで

会った時も、江川さんの人事について言われました」


 ――渡辺さんはなぜ江川さんにこだわったのでしょう。


 「うーん……(沈黙)。渡辺会長は『原君(辰徳監督)が推薦してきた』と言っていました。

会長は、監督にものが言える人間が欲しいと思っていたし、『江川君をヘッドコーチにすれ

ばファンも本人も次期監督含みだと期待する。集客につながるだろう』という理由でした。

『でも監督にはしない』とも言いました。だから原監督にしてみれば、安心してヘッドコーチ

に据えられると思ったんでしょう。さらに会長は『原君に江川君との交渉役を命じた』とまで

言ったのです」


 ――金銭が絡む交渉は本来、監督の仕事ではないですね。


 「そういう場に監督を巻き込んではいけない。それに、江川さんをそんな使い方をしてい

いのか、と思いました。もともと、渡辺会長は江川さんに対してアレルギーがあった。しかし

渡辺会長はこう言ったんです。『悪名は無名に勝る』と。『あいつ(江川氏)は悪名高いが、

お客を呼べる』と言うわけです。2004年の球界再編騒動で会長が言った『たかが選

手が
』という言葉を思い出しました。野球人を、そしてファンを愚弄(ぐろう)している。許せ

ないと思ったんです」


 ――なぜ原監督は江川さんの名前を挙げたのでしょうか。


 「以前、原監督が『江川さんはどうですか』と提案してきたことがあったので、桃井さんにも

伝えたことがあります。その時は、桃井さんが『江川さんは絶対に受けないだろう』と立ち消

えになりました。そもそも江川さんにお願いすれば、1億円かかる。球団経営の面からも難

しい。渡辺会長と原監督が会談した4日に、なぜその話が出たのかはよく分からない。桃

井さんからは原監督と江川さんが会って条件を詰めることになっている、と聞きました。そ

こまで決まっているなら、もはやどうにもならないと思った」


 ――それでも江川さんが受諾するかどうか分かりません。本人に直接聞くこともできたの

では?


 「渡辺会長は『99.9%受ける』と断言しました。会長は、江川さんの年収は1億円の半

分ほどだから、こっちが1億円ぐらい出せばうちに来るんだ、とも言った。それに、江川さん

との交渉や『身体検査』は本社サイドでやる、とのことでした。そこまで言われたら、私は手

を出せない



 ――つまり、清武さんの記者会見は江川さんの就任を阻止するためだったということで

すか。


 「江川さんのような才能を持つ人も時には必要だと思う。9月ごろに言われていたら、考

えたかもしれない。でも来季のスタッフをすべて決めて、コーチ陣との契約更改交渉もすで

に始まっていた。そこへ江川さんが入ると、誰かがはじき出される。そんな事態を認めれ

ば、私は現場の信用を失ってしまいます。桃井さんから『この人事は最短で11月15日

行う』と言われた。事態がどんどん進行していた。どうしてもすぐに止めなければ、と思った

ので、記者会見しか方法がなかった」


 ――でも、今年のプロ野球ナンバー1を決める日本シリーズに水を差したのは間違いあ

りません。


 「ほかに方法がありますか? あるんだったら教えてほしい。話し合って決めればよかっ

たんじゃないかと会見後に言う人もいましたが、あの渡辺会長ですよ。9日1時間半も話

したけれど、聞き入れてもらえなかった。最初に同調していた桃井さんも、すっかり無抵

抗になっていた。時間は差し迫っている。球団の取締役として、職を賭してやるしかないと

思いました」

http://digital.asahi.com/articles/TKY201111250491.html?ref=comtop_middle_open
(続く)