番外編・プリウス急加速問題(85)

さて一年ほど前になるが、'11.4.26にNO.84で終了したこのブログ「番外編・プリウス

加速問題
」だが、その終了一つ前のNO.83で、「太陽光を電気に変える塗料なども、そ

の有力な(EVの動力源の)ひとつと思っている。」と述べた。


今回そんな塗料が出来たと言うニュースがあったので紹介しながら、その後のGMのレン

ジエクステンダー(Range extender航続距離延長)式電気自動車シリーズ式のプラグイ

ハイブリッド車、と言われているが実際にはプリウスと同じスプリット式ではないかと言

われている。)と呼ばれているシボレー「ボルト」などに関して、ほんの少しこのブログを続

けてみよう。

 
 

世界初の塗料型太陽電池自動車発表 独ダイムラー
2011-09-02 07:05:02 | 時事ネタ・雑学・トリビア

「世界初の塗料型太陽電池車 独ダイムラーが共同開発(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110902/biz11090201030001-n1.htm

ドイツの自動車大手ダイムラーと、化学大手BASFは、車体に塗る形で備え付ける「有機

太陽電池
」を使った電気自動車を共同開発したと発表しています。


両社によれば、同電池を使った自動車は世界初だそうで、13日からフランクフルトで始ま

るモーターショーで公開されます。見た目はこんな感じです。
Biz11090201030001n1

上から見るとこんな感じ。
360533

今回発表されたのは、有機太陽電池が採用されるのは小型車「スマート フォービジョン」

とのこと。スマートっていえば、あのおむすびみたいな形で、坂道で転がったら、どこまでも

転がっていきそうな恐怖を覚える車ですね。


その車の屋根に、透明な有機化学染料を使ったそうで、従来の充電型の電気自動車と違

発電が可能なため、長距離走行が可能になったようです。具体的な距離などは、今後

公表でしょうかね。


他にも、車体の軽量化やホイールをプラスチックにするなどしてエネルギー効率を高めるこ

とにも成功したそうです。軽い方が、少ないエネルギーで何とかなるでしょうからね。


やはり気になるのは発電効率でしょうか。それから、が続いたり、が続いたりすると走

れなくなりそうで、或る意味、砂漠地帯限定?

http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/4af85df9b2ee34382cda053b3e1c6e69

 
 

やはり陽が照っているときは長距離走行が可能となるが、とかの日は長距離走行は

無理のようだ。もちろんも駄目。やはり高性能な2次電池が必要となる。有機太陽電池

を備えていても、最低10時間くらいはこのバッテリーのみで走行が出来て、同時にバッテ

リーへの充電が自由に出来るようにならなければEVの使用は限定的となろう。


要は電気をどんな方式で発電をするか、と言うところに尽きると言うことになろう。現時点で

はGMのボルトのような形態が主流となろう。即ち小型のガソリンエンジンで発電機を動

かし、リチウムイオン電池に充電しながら車を動かすと言うことである。その小型エンジン

が車の動力に使われるか否かは、この際問題ではない。言ってみれば、広義のハイブリッ

ド車なのである。もちろん発電機を動かす動力はガソリンエンジンでなくてもよいが、今の

自動車の技術からすると自動車にはガソリンなどのエンジンを積むのがもっとも賢いやり

方なのであろう。GMも考えに考えた末に、トヨタに遅れをとったと思われても変わり型のハ

イブリッド方式を採用したことと思われる。


そのトヨタであるが2010年はオバマのアメリカにこっぴどく叩かれて、散々であった。オバ

マはGMをはじめUAWなどからも大量の政治資金の提供を受けて大統領選を戦ったの

で、GMを凌駕したトヨタをどうしてもやっつけてGMを再生させる必要があった。この

件は'10.8.21の当ブログNO.52以降で詳しく述べているので参照願いたいが、そこでオバ

マサイドがトヨタ叩きとして活用したのが、トヨタ車のいわゆる「暴走事故」であった。

'09.8.29にあの有名なマーク・セイラー事件が起きている。これはフロアマットがアクセル

ペダルに引っかかりそのペダルが戻らなくなり、レクサスのES350が暴走してしまったと言

う事故であったが、この暴走の最中の車内と警察との緊迫したやり取りが全米に流れた

結果、レクサスの電子制御システムETCS,Electric Throttle Control System

に問題があるのではないかと大問題となったものである。このブログを載せるきっかけと

なったプリウス急加速問題もその流れを汲む便乗事件であった。その経過を簡単に次に

掲げるので、参照願いたい。

 
 
2009/08/29   マーク・セイラー事件(ES350暴走、'10/5/11,NO.28参照)

2009/11/25  トヨタリコールの届け出(感謝祭の前日として非難される。'10/6/9,NO.49参照)

2010/02/23  下院公聴会('10/3/17,18、NO.2,3参照、電子制御に関する追加データ要求)

2010/02/24  同上(豊田章男社長証言)

2010/03/02  上院公聴会

2010/03/30  NASAトヨタの電子制御プログラムの調査を依頼する。('10/4/21,NO.15参照)

2010/05/20  電子制御に関する公聴会(NHTSAでは欠陥見つけられず。'10/5/25,NO.38参照)

2010/05/21  トヨタテスラとの提携を発表('10/5/28,NO.41、5/31,NO.42参照)

2010/07/30  NHTSAの調査では、急加速は全て運転ミスと判明するも、公表せず。
        (告発。'10/8/24,25,NO.54~55参照)

2010/08/10  NHTSAが、調査した全ては運転ミスと発表。ブレーキペダルは踏まれていない。

2010/09/17  マーク・セイラー事件和解('10/10/7,NO.62参照)

2010/11/18  GM再上場

2010/11/19  シボレー・ボルト発表('11/4/14,NO74参照)

2011/02/02  佐々木副社長会見、CTS社事件

2011/02/08  NHTSA(ラフード運輸長官)、トヨタの電子制御プログラムには問題は無い、
        と発表。('11/4/2,NO.64参照)
        

(続く)