番外編・プリウス急加速問題(88)

このトヨタのEVは見事最高記録を更新した。プジョーEX1の9分1秒338の記録を1分ほど

更新したという。7分47秒79だと言う。

 

【ビデオ】トヨタニュルブルクリンクのEVラップレコードを更新!
by Autoblog Japan Staff (RSS feed) on Sep 1st 2011 at 7:00PM
630toyotaevnurburgringrecord

トヨタ電気自動車TMG EV P001
」(http://green.autoblog.com/2011/08/22/revealed-toyotas-electric-race-car-is-radical/)
が、ニュルブルクリンク北コースでEVの最速記録を打ち立てた。ラップタイムは

7分47秒79で、今年初めにプジョー「EX1」(
http://green.autoblog.com/2010/09/21/paris-preview-peugeot-ex1-concept-is-electric-sex/)

が打ち立てた9分1秒33(http://green.autoblog.com/2011/05/02/peugeot-ex1-sets-electric-vehicle-record-with-9-01-33-nurburgrin/)

の最速記録(プジョーのビデオはこちら)を大きく更新した。トヨタは挑戦前に「7分台」という

目標を掲げていたが、それも見事に達成した形となった。英国車のラディカルSR8が記録

した市販車の最速タイムである6分48秒には遠く及ばないものの、日産「GT-R」や

ポルシェ「911ターボ」にはすでに肩を並べたと言ってもいいだろう。


トヨタのレーシング部門であるトヨタ・モータースポーツGmbHTMGは、来年から

「EV P001」の動力部の販売を開始するが、今回の結果がセールスの後押しすることは間

違いない。「EV P001」の動力には、ドイツrational motion社の電動パワートレーンと、イギ

リスEVO Electric社のモーターが使用されているが、TMGのエンジニアリング部門を率い

パスカル・バセロン氏が「今回の挑戦から、エンジンを改良する上で有益な情報を数多く

得ることができた」と語っていることから、さらなるバージョンアップも期待できそうだ。


EVの技術は日々進化しているため、トヨタの記録が破られるのは時間の問題と思われ

るが、トヨタもそう易々とトップの座を明け渡しはしないだろう。まずは今回の記録達成の瞬

間を、ビデオでじっくりご覧いただきたい。

http://jp.autoblog.com/2011/09/01/toyota-smashes-electric-vehicle-record-with-7-47-79-nurburgring/

  
このEVレーサーのバッテリーとそのコントロールユニットはドイツ社、ツインモーターはイギ

リス社の物が使われていると言うが、リチウムイオンバッテリーは軽量化のためにセラミッ

ク化されていると言う。量産車用のバッテリーやモーターの開発には、このような極限での

現象が大いに役立つと言うことであろう。


さて'11.4.20のNO.79では「トヨタは近距離用のEVを考えているようだが」と伝えたが、そ

れはiQをベースに考えているようだ。すでにそのプロトタイプ版は2010年に発表されてい

る。80km程度の走行距離だそうだが、テスラとも提携しているのでそちらのほうはRAV4

EVとして160kmの走行距離だという。これも'11.4.21のNO.80で紹介しているので参照願う。


これはカルフォルニア州のZEVに関する規制が関係しているようだ。

  
トヨタが「iQ EV」の2012年発売を正式発表!
by Autoblog Japan Staff (RSS feed) on Jul 6th 2011 at 12:40AM

Scioniq630

トヨタの関係筋によると、今秋発売予定の「プリウスV」の立ち上げは順調に進んでいるら

しい。また、よりコンパクトな「プリウスC」は2012年初頭に、「RAV4 EV」と「プリウスPHV

プラグイン・ハイブリッド)」も来年中には市場に投入されるということだ。


しかし我々を驚かせたのは、2012年に「サイオンiQ(日本名:トヨタiQ)」のEV車が全米の

各ディーラーに並ぶというニュースだ。


「iQ EV」の気になる航続可能距離は約80km。約117kmの航続距離を持つ日産「リーフ」

(http://green.autoblog.com/2010/11/22/nissan-leaf-snags-99-mpg-rating-on-official-epa-sticker/)

や、約137kmのアメリカ向け三菱「i」、161km走れるといわれるノルウェーのEVメーカ

ーThink Global社(倒産を乗り越えればだが)の「City」などがライバルとなるだろう。


これまでEV車の航続可能距離については、広告でうたわれているほどではないと非難さ

れてきただけに、サイオンのEV車がアメリカで成功するかどうかは分からない。そのカギ

を握るのは、まだ発表されていない価格次第ということになりそうだ。

http://jp.autoblog.com/2011/07/06/toyota-officially-confirms-2012-launch-of-electric-scion-iq/

  
The official EPA range for the car is 73 miles,・・・と説明されているので、上記の文章の

通りリーフの航続距離はEPAに依れば、約117kmなのであろう。日産の販売店に聞くと、

リーフの航続距離は200kmと答えているらしいが、一般的には160kmとものの本には記載

されているようだ。事ほど左様に電気自動車の航続距離、即ちバッテリーの性能は変わる

ようだ。この点が、まあ言ってみれば、電気自動車の泣き所なのである。ガソリンを使う自

動車でもその燃費が、公称燃費と実燃費が大きく異なることは自明の理である。車の走ら

せ方で、ガソリンを使う量はその都度変わってくるのである。こんなことをまともに信用する

ほうがどうかと思うが、ホンダのハイブリッド車シビックが米国女性に「実燃費が公称燃費

に届かない
」と訴えられている。ホンダのハイブリッド機構はIMAと自称しているように

Integrated Motor Assist システムとは、エンジンは常に動いており必要に応じて電気モータ

ーがそれをアシストする方式だと言う。いわゆるパラレル型のハイブリッド方式だと言う。


ハイブリッドの方式については'11.4.15の当ブログNO.75で簡単に概略しているので参照願

うが、こんなことで訴えられたら堪(たま)ったものではないだろう。

  

「燃費、広告より悪い」 ホンダに不当広告と賠償命令 米裁判所
2012.2.2 11:04 [自動車産業

 米ロサンゼルス郡地裁は1日、購入したホンダのハイブリッド車の燃費が広告よりも悪い

ため、予想外のガソリン代の出費を強いられたと主張する女性の訴えを認め、同社に

9867ドル(約75万円)の賠償を命じた。ガソリン価格上昇や環境意識の高まりから米国

のドライバーの間でも燃費への関心は高まっている。女性は同様の不満を持つ人々に訴

えを起こすよう呼び掛けており、メーカー各社が競って燃費の良さをアピールする環境対

策車の販売戦略に影響を与える可能性もある。

 この女性はホンダのシビックの2006年モデルを購入。ホンダは燃費を1リットル当たり

約21キロと宣伝していたが、バッテリーが劣化するに従って13キロ以下にしかならないと

主張。1万ドルの支払いを求めていた。ホンダ側は法律の規定通りに計測した燃費を表示

したと反論していた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120202/amr12020211070006-n1.htm

 
この結果はホンダが敗訴したようだ。それなら普通のガソリン車でも燃費が悪いと言って

訴訟が出来そうなものだが、何としても世知辛い世の中になったものだ。ホンダも上訴する

といっているようだが、ホンダと言いトヨタと言いアメリカでは異教徒の民族の出る釘は打

たれると言うことか。だからキリストの存在は否定しないもののキリスト教徒は信じがたい

のだ。

 
【レポート】「広告より燃費が悪い」とホンダが敗訴した裁判の詳細情報
by Autoblog Japan Staff (RSS feed) on Feb 6th 2012 at 12:40AM

アメリカのカリフォルニア州で、2006年型ホンダ「シビックハイブリッド」を所有する女性

が、「広告で紹介されているより燃費が悪い」としてホンダに損害賠償請求をしていた裁

判で、ロサンゼルス郡地方裁判所は女性の訴えを認め、ホンダ側に9867ドル(約75万円)

を支払うよう命じた。


シビックハイブリッドの燃費が広告以下であることについては、既に集団訴訟が進められて

いる。この女性はその原告の1人だったが、ホンダが提示した和解案(1人につき100~

200ドルの損害賠償とホンダの新車購入時1000ドル割引き)と、原告団の雇った弁護士の

費用(約6億5000万円)に納得できなかったことから、今回、個人で少額訴訟に持ち込ん

だ。少額訴訟は、賠償額は多くないものの(カリフォルニア州では上限1万ドル)、弁護士費

用が不要で判決まで長くかからないのが特徴だ。


判決の理由について裁判所は、「女性が車を購入した時点でホンダは広告上の数値に問

題があることを認識していた」とし、「詐欺行為にあたるが意図的なものではない」と結論づ

けた。これに対してホンダ側は、「自動車メーカーはアメリカ環境保護庁(EPA)が計測

した最高燃費の数値を表示することが義務付けられている。
それに従ったまでで、原

告をだましたわけではない」とし、上訴する意向を表明していることをAP通信が報じている。


今回、原告女性が少額訴訟制度を用いて"勝訴"を勝ち取ったことは、前述の集団訴訟の

原告たちの動きに大きな影響を与えそうだ。彼らがホンダとの和解に応じるか、拒否する

かの署名期限が今月11日に迫っているため、女性のもとには昔の"原告仲間"から相談や

問い合わせが相次いでいるという。今後の動きに注目だ。

By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

http://jp.autoblog.com/2012/02/06/california-woman-wins-civic-hybrid-lawsuit-again/

  
EPAとは今流行のEconomic Partnership Agreement経済連携協定のことではない。この

EPAについては'11.11.21の「世の中、なんだこれ!(TPP,1)」を参照願いたいが、ここで

言うEPAとは(Wikipediaによると)アメリカ合衆国環境保護庁United States

Environmental Protection Agencyのことである。このEPAの計測した数字を出して訴えら

れていては、それこそホンダも堪ったものではない。


こんなことで訴えられていれば、車が燃え出したなどとなればそれこそ大騒ぎだ。どれだけ

ふんだくられるかわかったものではない。ふんだくられるどころか、会社の存亡に拘わって

くる。あのGM電気自動車と言われている「ボルト」が発火したと言う。もちろん走行中の

ことではないだろうが、これは一大事である。せっかく立ち直ったと言うのに、これではGM

も真っ青
だ。

(続く)