参考までにテスラの「モデルS」のアンダーフロアのPhotoを次の掲げる。エリーカと同様に
このモデルSのアンダーフロアに電池を搭載しているが、ここには(パソコン用リチウム・イ
オン電池18650をテスラロードスターが6,831個搭載しているので)確証はないが8,000個
~1万個?程積載しているのではなかろうか。これだけで重量は500kgを超えるであろう。
詳しくは次ぎのURLを参照願う。ちなみにSIM-LEIもSIM-WILも18650型(パナソニック製)
をフロアフレームに搭載している。http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20120120_503480.html
そしてそのモデルSは、当初2012年の量産開始で「Deliveries begin Fall 2012」と発表さ
れていた。
MODEL S
21ST CENTURY PERFORMANCE
Premium electric sedan
Up to 300 miles per charge
Deliveries begin Fall 2012
Starting at $49,900 USD *
Learn More
https://www.teslamotors.com/own
この件は2010.6.3,NO.45等を参照願いたいが、そしてそのためにトヨタとGMの合弁工場
の加州・フリーモント市のNUMMIの一部を購入してその「モデルS」を製造することになっ
ていた。現在その工場では「モデルS」の生産準備の真っ最中である。しかしその準備もや
や遅れているようで、生産開始は2013年初旬と言っている (SはSEDANを意味する)。
モデル S
21世紀のパフォーマンス
プレミアム電気自動車セダン
最大航続距離約 480 km
2013年中旬から納車開始
https://www.teslamotors.com/jp/own?country=JP#/model-s
まあこの程度の遅れなら、ITベンチャーだったテスラにしてみれば、上出来の部類に入る
のであろう。よくやっている、と言える。どの程度トヨタやダイムラーが協力しているかは定
かではないが、生産準備要員としては元トヨタの社員を採用していると言う。イーロン・マ
スクCEOは「最高の仕事ができる人材を集めた」と言っているが、それは将に正解で
ある。車の開発や生産準備にはしっかりとした経験が必要であり、人だけ集めれば事足り
るものではないのである。いくら電気自動車と言ってもそれなりのパーツから成り立ってい
るので、設計や量産するための準備には素人では無理であろう。
【インプレッション・リポート】 テスラ・モーターズ「モデルS」
2012年 1月 20日 Text by 川端由美
0-98km/h加速は5.6秒、1回の充電で走れる距離は300マイル(約480km)、排気ガスは
ゼロ。今までの内燃機関にも、電気自動車にもない独自のスペックは、テスラ・モーターズ
が新たに放つ新型EV「モデルS」のものだ。2008年のデトロイトショーから3年、当時、資
本を投下したダイムラーの肝いりで開発された5人乗り+2の新型EV、「モデルS」がようや
く世に送り出される。
■旧GM/トヨタの工場で生産
正直に言えば、以前はITベンチャーが作るEVに対して、あまり期待していなかった。
「ロードスター」という現行の2座オープンカーの走りは魅力的だが、こと生産においては創
業から9年で2,000台以上を納車した「程度」であり、自動車メーカーといえる規模では
ない。ダイムラーやトヨタ、パナソニックによる投資などの話題は尽きないが、それでも実
際に自動車を量産できるのかどうか疑問に思っていた。
しかし、工場を見学し、モデルSの実力を知った今、その気持ちは一転した。量産体制
の確立は着々と進んでいたし、なによりも、スポーティな走りとセダンの実用性、魅力的な
スタイリングといったすべてが50,000ドル以下で手に入るなら、クルマ好きにとって歓迎す
べきことだ。
実際、現行モデルの「ロードスター」を生産し始めたばかりの頃と比べると、わずかな間に
テスラ・モーターズのクルマ作りは格段に進化した。「モデルS」が作られるのは、サンフラ
ンシスコ空港からクルマで約1時間ほど走ったところにあるフリーモントという町にできた
「新」工場だ。以前は、GMとトヨタの合弁工場があった場所であり、閉鎖された工場の一
部をテスラ・モーターズが買い受けて、リノベーションして使っている。
最大の驚きは、原材料のアルミ・ロールからボディの組み立てまで、一貫した生産を行
える点だ。大型のパネルも成型可能な6軸の油圧プレス機に加え、電池パック、内装の組
み立て、プラスチック部品の成型まで備えている。6軸の油圧プレス機はデトロイトのサプラ
イヤーから1ドル以下で購入した中古品である一方で、ダッシュボードの組み立てには
KUKA製の最新ロボットを導入し、生産設備の制御装置には高機能なものを採用するな
ど、限られた投資を有効に使う努力が垣間見られる。
最も投資を集中したのは人材だ。技術担当ピーター・ローリンソン副社長は元ジャガーの
エンジニアであり、彼曰く、ハンドリングはロータスで経験を積んだ人物が、エンジニアリン
グに関してはフォードでGT40の設計に携わった人物が、それぞれの得意分野でモデルS
の設計に貢献しているという。デザイナーは欧州の自動車メーカーで経験を積んだ人物で
あり、生産現場をまとめるのは元トヨタの社員でレクサスにも関わった人物だ。CEOを務
めるイーロン・マスク氏いわく「最高の仕事ができる人材を集めた」というだけのことはあ
りそうだ。
■EV専用設計ゆえの安定した挙動とスポーティネス
三菱「i-MiEV」が380万円(16kWh)、日産「リーフ」が約376万円(24kWh)というEVの価
格を鑑みると、「モデルS」の5万ドルは、コストを抑えたからこその価格なのがよく分かる。
極端な円高である現状に加えて日本への導入コストを考えると、日本での発売価格が400
万円以下という設定は考えにくいが、5万ドルという値付けがアメリカでのBMW「5シリー
ズ」の人気グレードと同等であることを考えれば、「ロードスター」の半額程度で日本導入さ
れると思われる。
加えて、電池の容量=1回の充電で走行可能な距離で価格は異なる。ベッシーク・モデ
ル(42kWh)は160マイル(256km)の走行が可能で、オプションで電池の搭載量を増や
せば、最大300マイル(480km)まで走行距離を延長できる。
工場の公開に伴って用意されたのは「ベータ版」なる最終試作品だったためにステアリ
ングを握ることは許されなかったが、広大な工場の一角に設置された試乗コースにてタク
シーライドながら試乗がかなった。
4ドア・セダンながら空力を重視したクーペ風のスタイリングは、ヨーロッパの自動車メー
カーから移籍してきたフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏がデザインを担当した。口をすぼ
めたような独特のグリルの上部は、エンジンの冷却をする必要がないため閉じられてい
るが、その下には電池を冷却するためのエアインテークが存在する。
4,973×2,189×1,426mm(全長×全幅×全高、全幅はミラー込み)のボディ・サイズはDセグ
メントに属するが、見た目よりも室内は広々している。プラットフォームからすべて新設し、
EVの独自性を生かした居住空間の設計を行っているからだ。パソコンを始め多くの電子
機器に採用されて普及しているリチウムイオン電池「18650」の搭載性の高さを利用し
て、床下に広く薄く搭載した。
このことは、居住空間を広く使える以外にも、スポーティな走行性能にもつながった。前
後の重量配分を50:50とし、重心を低めた結果、コーナリング時の姿勢は驚くほど安定し
ている。ブレーキをかけて前輪に荷重を移動して、415Nmという巨大なトラクションを余すこ
となく路面に伝える。コーナーの出口からストレートに向かってスロットル・ペダルを踏み込
むと、EVならではの鋭い加速感に、体がシートに押し付けられるようだ。エンジン車とは比
べようもなく滑らかに加速する。
モデルSt11_s
スポーティな走りをする一方で、セダンの乗り心地のよさも両立させている。前・マクファー
ソンストラット/後・マルチリンクの足回りはよく動く印象で、特にオプションで設定されるエ
アサスペンションを備えたモデルは、荒れた路面からの突き上げなどないかのようにいなし
てくれる。
運転を担当したエンジニアいわく「ステアリングの応答性がすばらしく、アクセルの開閉へ
のレスポンスも高い」とのこと。そう聞くと、自らステアリングを握れなかったことに残念で仕
方ないが、EV専用設計ゆえの安定した挙動とスポーティネスが備わっていることは間違い
なく体感できた。
近い将来の登場が噂されるSUVの「モデルX」にも、モデルSのプラットフォームが使わ
れる予定であり、両モデルあわせて最大2万台まで、この工場での生産台数を拡大する予
定だ。
創業から数年で世界的な企業に成長するサクセス・ストーリーはIT業界では珍しくないか
もしれないが、創業から10年足らずで数万台を生産するまでに至る例は自動車業界では
稀だ。
テスラ・モーターズ
http://www.teslamotors.com/tokyo
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20120120_503480.html
↑ここには工場内の写真などもあるので、是非上記のURLを参照願いたい。
(続く)