番外編・プリウス急加速問題(107)

エコカー買うなら、電気自動車より…
(2012年4月9日 読売新聞)

 次世代エコカーを買うなら、電気自動車より超低燃費のガソリン車――。

 日本自動車工業会が4日発表した2011年度乗用車市場動向調査で、そんな消費者

の傾向がわかった。

 次世代自動車で一番購入したい車の種類をたずねたところ、1位が「超低燃費ガソリ

ン車
」(38%)、2位が「ハイブリッド車」(36%)で、「電気自動車」(15%)は3位、「プラ

グインハイブリッド車
」(11%)は4位だった。超低燃費ガソリン車を選んだ理由は「ガソリ

ンスタンドで給油できる」が最も多かった。

 電気自動車について具体的に聞いたところ、8割を超える人が特徴を理解していたも

のの、「購入したい」と答えた人は11%にとどまった。敬遠する理由としては、「価格が高

」(71%)、「充電場所が少ない」(65%)が多かった。

 維持費が安く、小回りのきく軽自動車の人気も高かった。過去2年以内に小型・普通車か

ら軽自動車に乗り換えた人は29%で、05年度調査の18%から増えていることが分かった。

 調査は昨秋実施し、全国の3848世帯が回答した。

http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20120409-OYT8T00574.htm

 
 

この調査でプラグインハイブリッド車が、最下位にランクされているのは意外な感がす

る。バッテリーでの走行距離が短く、しかもリチウムイオン電池高価なので、車自体も高

すぎるのであろう。高くても(航続距離を評価して)購入しようとする人は、まだまだ少ないの

であろう。もっと航続距離が長くならなくては、あまり見向きはされないであろう。アメリカで

もシボレー「ボルト」は、販売低調のため在庫がたまりすぎて、長期間の生産停止となって

いる。


しかしそうかと言って自動車各社は手をこまねいているわけには行かない。なんと言っても

石油が未来永劫産出され続けるわけでもないし、環境対策としていつまでも排気ガスを垂

れ流し続けるわけにも行かないのである。福島第1原子力発電所の事故のこともあり、現

在は再生可能エネルギーに注目されている。自動車もその例に漏れない。しかしこれは

太陽光発電などの採用などは)、現時点では、かなり困難なことであろう。結局は原子力

発電
による電気の利用が現時点ではもっとも効率的と言うよりも、現実的なエネルギーの

活用ではないかと思われるのであるが。


現在は福島第1原発事故のために、原発は目の敵にされている。この原発無用論の風

潮も(原発危険論と同様に)かなり危険極まりないものである。電気が潤沢にならなけれ

ば、電気自動車は干上がってしまう、などと驚くよりも先に、日本の経済が干上がってし

まう。さしずめ滋賀県なんぞには原発からの電気なんぞは送る必要はない。滋賀県民が苦

労しようが、自身で独自に電力確保を考えて行けばよいであろう。


小生は原発が何がどうなろうと危険なものだ、と言う考え方や風潮には組しない。たまたま

福島第1原発メルトダウンしてしまったが、それだけで原発に対して何でもかんでも反対

すると言う風潮は、全く呆れて物が言えない。こんなことは馬鹿な頓馬野郎がやることで

ある。あの大阪市橋下徹市長はもともと「核武装論者」と自身も言っている通り核に対

するアレルギーはないものと思われるのであるが、関西電力大飯原発3,4号機の再稼

動に対しては大反対であった。小生は橋下らしからぬ挙動と眉をひそめていたが、最近に

なって再稼動やむなしとの言動もちらほらし出だしたので、再稼動反対は彼一流のパフォ

ーマンスかと思われる。本来ならばなぜ安全でないのかとか、なぜ安全なのかとか、と言っ

技術論も踏まえた議論を展開することもなく、放射能は心配だから再稼動反対では困

るのである。


それに福島第1原発メルトダウンしてしまったが、すぐ近くの牡鹿半島で稼動していた

東北電力女川原子力発電所2011.3.11東北地方太平洋沖地震とそれに伴う東日

本大震災
津波に襲われている。この東北地方太平洋沖地震は、この牡鹿半島の東

南東沖130kmの海底が震源であった。この地震牡鹿半島の女川(おながわ)原発付近

1mの地盤が沈下した。そこへ13mの津波が襲っている。想定は最高9.1mの高さで

あったが、この女川原発の設計者は津波の心配から、海抜14.8mの地点に非常用ディー

ゼル発電機をはじめ原発施設を設置していた。そのため14.8-1-13m=0.8mだけ津波より

高く
、地下室などへは海水が浸入しているが、1号機は外部電源の変圧器が故障したた

め非常用ディーゼル発電機で冷却することが出来た。2号機、3号機は共に外部電源が喪

失することもなく、其の他甚大な被害があったが原発3基とも安全に冷温停止させること

が出来たのである。


そして津波被害にあった地元住民は、腰まで海水に漬かりながら女川原発まで避難して

きたのであった。原発の敷地内へは「テロ対策」などで部外者はけっして入ることは出来な

い決まりとなっている。しかし緊急事態である。女川原子力発電所の所長はすぐさま避難

民を受け入れた
。当然発電所は孤立状態であり、備蓄にも限度ある。しかし避難民には

1日2食、発電所要員は1日1食で急場をしのいだと言う。もっとも多い時には、364人の

地元住民
原発内の体育館などで避難生活を送っている。(
産経新聞社「正論」2012.2

月号、Eの探検隊、論説委員長辻象平
による。)


この東北電力女川発電所のもろもろの事は、あまり報道されていない。問題なく冷温停止

出来ていることなどは報道では聞きかじっていたが、小生もこの正論の記事で細部の事情

を知ることが出来たのである。


このことを鑑みるに、原発の安全性の確保とは何か、を推定することが出来る。即ち地震

に対する強度を確保していることはもちろんのことであるが、津波の高さ以上重要施設

を設置
していることが最重要事項である。原子力発電所全体をその高さより上に移設でき

れば問題はないが、そんなことは出来る筈もない。だからあらゆる知見を総動員して津波

の高さを想定してそれ以上の高さに原発の重要施設を移設することである。聞くところに

よると、今回の東北地方太平洋沖地震は、平安時代の前期貞観11年5月26日(西暦869

年7月13日
)に発生した貞観地震とよく似ていると言う。「日本三代実録」の文字通り読め

ば(去海数千百里、1000里×650m)、650kmも内陸まで津波が押し寄せたことになって

いる。多分女川原発の設計に関わった技術者は、(650kmが正しいかどうかは知らない

が)真面目にこのことを考慮して、より高いところに原発を設置したのであろう。


だから原子力安全委員会出鱈目(斑目)春樹委員長には任が重過ぎる。こんな奴は

とっとと首を切るのがよい。こんな奴に任せていたら日本は駄目になってしまう。だから女

原発の例を参考にして、再稼動を検討するとよい。そして今ある原発廃炉にするにし

ても、稼動させるにしても同じように核燃料の管理が必要となるのであろうから、総ての原

発を再稼動させて日本国内に電気を潤沢(でもないが)に供給させる必要がある。そのた

めに真面目に安全の確保をして行くことであろう。一概に原発に拒否反応を示すことは、全

くの時代錯誤であろう。


それにしても鳩山と管直人とは全く正反対のことを言っているのであり、こいつらは日本を

駄目にした3大悪人の2人である。このような精神薄弱児に日本を統治させた日本国民の

馬鹿さ加減が、わかると言うものである。民主党政権はCO2を'90年比25%も削減させる

ために、原子力発電を中心にすえた発電を政策に転換したが、福島第1原発事故により、

頓馬の管が「なんの考慮もせずに」ビックらこいて「脱原発」何ぞと口走ってしまったので

ある。余りにも短絡の白痴的な発想であった。その点現時点の野田佳彦首相はまだ話が

通ずるところがある。

さてそんなわけでもないだろうが、トヨタ電気自動車には消極的ではないかと思われて

いる。

 
 

日産に大きく出遅れ! 世界の大トヨタがEV(電気自動車)開発に積極的ではないワケ[国沢光宏 コラム]  【ビジネス・経済】2010/11/23
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2012年
に少量台数が市販化される予定のトヨタ 小型電気自動車(EV)[画像はiQをベースにしたプロトタイプ車両] iQEV1290423704

ハイブリッド技術があるからトヨタはEV(電気自動車)には積極的ではない?・・・

しかしiQのEVに乗って驚いた!


 トヨタ電気自動車に対し積極的ではない。おそらくハイブリッドという素晴らしい技術

を持っているからだろう。日産が持てる力の全てを電気自動車に投入しているのと対照的

である。本来なら電気自動車など作りたくないという姿勢ながら、そうもいかない。カルフォ

ルニア州の規制をクリアしなければならないからだ。

1290423878 充電口

 トヨタもホンダも2012年に年間1200台程度の電気自動車カルフォルニアで販売す

る必要があります。だからこそトヨタもホンダもイヤイヤ電気自動車を開発し、今回のLA

ショーで発表した。しかし最近の流れを見ていると、トヨタも「電気自動車にもっと注力しな

ければアカンか?
」と考え始めたように思う。だからこそテスラモータースに資本参加した

のだろう。ここまで読んで「トヨタなら簡単に電気自動車なんか作れるでしょ?」と思うかもし

れない。確かに量産しないとコストが下がらないインバータやモーターなど、すでにトヨタ

持っている。iQの電気自動車インバータプリウス用だ。


 試乗してさらに驚く。車体や制御技術は世界一と言ってよかろう。プリウスと同じ協調

制御ブレーキ(回生と油圧のコントロールを電子制御する)を使っているため、効率の良い

回生が可能。プリウスで燃費を稼ぐために得たノウハウ(アクセルオフで電車のような滑走

状態になる)もキッチリ入ってます。日産ですら、アクセル戻すとエンジンブレーキ程度の回

生を行う、というムダな制御をしているのに。また、車体を徹底的に軽量化。どうやら1050

kgしかないらしい。これにより40kWのモーターでもビックリするくらい元気良く加速する。

試乗したiQ年内発売でも不思議じゃない仕上がり


トヨタが陥ったEV開発の落とし穴とは

 ではどこがダメか? 二つある。まず電池パナソニックと共同開発した電池(性能良い

が危険性高いニッケル正極タイプ)は大失敗作。しかもスバルが持っていたNECの電池

(今は日産)を手放させてしまうという2重の失点となった。スバルに持たせておけば、どんな

に有利だったことだろう。

 あわてて買収したサンヨーも、どうやらトヨタの意のままにならない模様。加えてコスト的

に高いようだ。だからこそiQの電気自動車は高価なバッテリーをなるべく少なくする、という

ことを最大の開発テーマにしている。バッテリーに関していえば、完全に2周遅れになって

しまった。

 もう一つはニーズトヨタによれば「電気自動車近距離のコミューターである」。耳への

聞こえはよい。でも走行距離の少ないコミューターだと安い電気代を活かせません。走行

距離が10万kmになれば、ガソリンより車両価格50~70万円高くても、安い電気を使うこと

でペイ可能。

 けれど近距離しか使わないコミューターなら、安価なガソリン車の方がコストパフォーマ

ンス高い。誰も電気自動車なんか買わないです。必要とされる電気自動車は、ムーブや

タントのような広い室内を持つヴィッツ級(価格は150~200万円)。トヨタ電気自動車

略は練り直しが必要だと思う。

Iqev1290423886 iQEV構造
http://www.corism.com/special/biz/855.html
(続く)