尖閣諸島問題その2(6)

では日本のEEZはどうなっているのであろうか。海上保安庁の「管轄海域情報の管理~

日本の領海~」
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html)によると次の通り

となる。

  
国土面積                   約38万km2

領海(含む内水)               約43万km2

接続水域                   約32万km2

領海(含む内水)+接続水域       約74万km2

排他的経済水域              約405万km2

領海(含む内水)+排他的経済水域  約447万km2

日本の領海概念図を次に示す。
Ryokai_setsuzoku2

日本の領海とEEZryokai_setsuzoku2
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai_setsuzoku.html


沖ノ鳥島
については単なる岩礁だとして、中国はEEZを認めずに勝手に海洋調査船を派

遣し活動している。しかし日本は「沖の鳥島」は歴史的にも島として扱われてきたことや、

海洋法に岩の定義が存在しないことを理由に島としてEEZを設定している。


そして今年の4月、2012年4月27日にはEEZ外でも大陸棚が延長している場合にはEEZ

として主張できるとして、次のように日本のEEZとして大陸棚の拡大が4海域で認められた

のである。そこでは当然沖ノ鳥島も、日本の島として認定されたのである。

 
 

【大陸棚拡大を初認定】国土面積の82%相当 日本に資源開発権 国連沖ノ鳥島も基点
 (2012年4月27日共同通信)2012/04/28 16:32

 外務省は27日、排他的経済水域EEZ、沿岸から200カイリ)外でも海底資源の開発権

を主張できる大陸棚の拡大が、日本として初めて国連に認められたと発表した。太平洋4

海域の計約31万平方キロメートルで、国土面積の約82%に相当。中国が「岩にすぎない」

と指摘していた最南端の沖ノ鳥島(東京都)認定の基点とされ、国連から「島」とのお

墨付きを得た形だ。


 これでEEZ内を含めた日本の大陸棚総面積(領海を除く)は約436万平方キロメートル

となる。政府はレアメタル希少金属)採掘などへの期待感を強めており、国内法に基づ

いて新たな大陸棚を設定するための手続きを急ぐ

Map20120427
拡大大陸棚map20120427

 1996年に日本が批准した国連海洋法条約は、EEZ外でも海底地形の連続が証明

れれば、沿岸国の大陸棚になると規定する。


 日本政府は2008年11月に7海域、約74万平方キロメートルの拡大を申請。審査した

国連大陸棚限界委員会は27日、沖ノ鳥島北方の四国海盆海域約17万平方キロメート

ルをはじめとした31万平方キロメートル分の認定を外務省へ連絡した。


 申請のうち、沖ノ鳥島南方の海域約25万平方キロメートル分については結論先送りと

なり、残りの部分は却下された。政府は認められなかった海域について、審査内容を分

析し、今後の対応を検討する。


 開発権については、国内手続きの完了、国連への連絡をもって効力が生じる。認定され

た大陸棚では、レアメタルを多く含む「海底熱水鉱床」や、電子部品に使用されるコバルト

を豊富に含む「コバルトリッチクラスト」が発見される可能性が指摘されている。

Photo20120427
沖ノ鳥島photo20120427


 日本海や東シナ海などについては、ロシアや中国など6カ国・地域とEEZの境界が重なっ

ており、政府は大陸棚の拡大申請対象としていない。

 【写真】日本最南端の沖ノ鳥島(資料、2005年4月撮影)

http://www.47news.jp/47topics/e/228830.php

 
 
この2つの図を見比べてみれば、日本のEEZとして新たに認定された部分がわかる。太平

洋のど真ん中に日本のEEZに囲まれている海域は、上の図「日本の領海とEEZ

ryokai_setsuzoku2」では、空欄となっているが、下の図「拡大大陸棚map20120427」で

は、大陸棚の延長部分に該当するとして、日本のEEZとして認定されたのである。


この膨大な日本のEEZは、中国であろうとロシアであろうと勝手に海洋調査なんぞは出来

ないのであるが、それを担保するための実力日本は保持していなければならない。

(続く)