世の中、何だこれ!(WBC不参加、28)

まあWBCIも、本場のMLBの一流選手は(必ずしも全員確認はしていないが)出していな

い。一部にはMLBの一流選手が出ているかもしれないが、彼ら(MLBとMLBPA)はWBC

何ぞには全く重きを置いていない。本気でWBCを盛り上げようとすれば、それなりに一流

選手を出してくるはずであり、米国本土でも注目を集めるような仕掛けをする筈である。

しかし米国ではWBCについてはほとんど知られていないと言う。まず開催時期が問題

だ。これから調整を始めようとするMLBの選手たちにとっては、3月は最悪の時期だと言

う(もちろん日本のプロ野球選手たちにとってもそれは同じことなのだ)。だから米国の現場

では乗り気ではないのである。やりたがっているのは、WBCIだけなのである。


WBCIは、大リーグ機構MLBと大リーグ選手会MLBPA(Major League Baseball

 Players  Association
、かなり強い労働組合である。)が作っているのである。そして

その彼らが、人のふんどしで相撲を取り金を集めるために始めたのが、WBCなので

ある。日本や韓国・キューバなどに相撲を取らせておいて、自分達は左団扇で金儲けをしよ

うと企画したものなのである。


2012.7.23
日経新聞のスポーツ欄にあった「選球眼」なる次の記事を参照願う。

 
 
「選球眼」 いびつなWBC ただそう  島田 健
2012.7.23  日経新聞

日本プロ野球選手会が来年3月開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシッ

ク(WBC)に参加しない方針を決めたのは、英断だと思っている。


 2006年の第1回大会の概要が発表されたとき、ロゴを含めたユニホームを作成してく

れて、各国・地域代表は選手を派遣するだけでいいというので驚いたが、その心はユニホ

ームなどのグッズの権利まで全て、運営会社のWBCIが一手に握るというものだった。


 大会のスポンサーに日本企業がなっても、その収入はすべてWBCIに入る。


 一部の関係者は参加に反対したが「形はともかく世界一決定戦という試みには賛成

という王・ソフトバンク監督(当時)などの意見が大勢を占めて参加が決まった。不合理なと

ころはこれから改善していけばいい、と甘く考えていた。


 WBCIは米大リーグ機構(MLB)とMLB選手会が設立したもの。目的は米国内で頭打ち

になった収入を、世界をマーケットとすることによって伸ばすことにある。 そんな営利企

業に対して条件の改善を求めても簡単には改たまらない。日本への利益配分優勝して

も13%
だった。


 「世界一」にしても春季キャンプ中に開催すること自体ふさわしくないが、米国チームな

どは代表辞退が相次いで最強とはいえない布陣、選手たちも完全に調整のひとこまと捉え

ている。投手の球数制限などそれを表すものだろう。


 世界一という題目に名誉を感じて日本や韓国はベストメンバーで戦ってきたが、米国で

の関心の低さ
驚くほど。シアトルから来日した熱烈なマリナーズファンの米国人男性

は「WBCなんて聞いたことがない」と語っていた。


 極端に言えば名前に踊らされてMLBの収入増に貢献していた格好の日本選手。これ

からでも遅くない。選手会には徹底抗戦してほしいと願っているが、どうなるか。(編集委員)

  
 

と言ったところが、真相なのだ。だから「WBCIの賭場」と言ったのである。このこと

2012.1.27の当ブログNO.21も参照願う。そこではWBCはWBCIの賭場である、とする

論考が載っている。

この日本経済新聞の記事も、同じような論調である。日本や韓国に頑張ってもらって、しこ

たま収入が増えれば、WBCIはそれでよいのである。そのターゲットは将に日本だったので

ある。


だから日本チームには是が非でも参加してもらいたいのである。もらいたい、と言うよりも

参加させたいのであり、参加を命じたいのである。WBCIの関係者の態度は、将に植民

地か属国
に対するような態度
で接しているようである。NPBにどんな話をしたか知らな

いが、そのような態度で対応してきたために、NPBは早々に第3回のWBCへの日本参加

を表明してしまったのである。まったくNPBのだらしのないこと


WBC開催の理念は、「野球の普及と国際化」と言われているが、それは単なるお題目

と思う。WBCIが本当に「野球の普及と国際化」を目指して、WBCを企画したのであれば、

野球をやっている国からも委員をWBCIに入れる筈であり、少なくとも今までどのように金

を使ったかその収支を公表しているはずである。しかしそんな話は、今まで2回もWBC

開催されているが、聞いたことが無い。しかもそのような崇高な?理念で始めたWBCであ

れば、予算案の公表もあってよいはずである。


そんなものはありはしない。全くのWBCIは「営利企業」なのである、と言うよりもWBCIはや

くざの胴元であり、WBCはその賭場なのである。だから「自分の国も自分で守れずに、

米国が守ってやっている
日本から、金を巻き上げ自分達だけが良い思いをしたいだけ

なのである。


良い思いとは、しこたま”てら銭”が稼げることと明日のWBCの賭場で働けるプレーヤーを

探すことなのである。オリンピックの種目から外れたことをよいことに、WBCとは彼らが仕

掛けた博打場(造り)なのである。見方によっては、MLBがWBCIを隠れ蓑に、敢えて野球

をオリンピックから外させたかもしれないのである。


次の原監督の交渉継続を訴える気持ちはわからないでもないが、その交渉相手はNPB

はなくて、WBCIなのである。NPB選手会が話し合ってもなんの意味もないとは言わな

いが、相手が違うのである。何とか丸く治めようとする魂胆では、選手会は納得しないであ

ろう。


2012/7/22
の日曜日のTV番組で、元中日ドラゴンズ大島康徳が「選手会が参加をしない

と言うことは、まことにおかしい」などと、訳のわからないことを盛んに言っていた。

彼は2006年のWBCにはコーチ役として参加している。そのためWBCが何たるかは、少し

はわかっていてもよい筈であるが、単なる試合としか見ていないような感じで、盛んに選手

会がそんなことを言うのはおかしいのではないか、などと(小生に言わせれば)暴論を吐い

ていた
。だから困るのである。同じようなことは2009年のコーチ役として参加していた元阪

ブレーブス山田久志も、どこかのTV番組で言っていた。要するに、大島も山田も

WBCを取り巻く野球(政治)状況が全くわかっていないか、わかっていても試合をさせたく

て仕方が無いのであろう。だから困るのである。このような奴らを、本当の意味で

球馬鹿」と言うのであろう。


それに比べれば、新井貴浩のほうがよっぽど大人である。

 
 

原監督 交渉継続訴える「双方話し合う余地があるのならば…」
[ 2012年7月21日 08:12 ]   選手会 WBC不参加表明
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<全パ・全セ>ベンチで仲良く?3人並ぶ(左から)原監督、高木監督、小川監督
Photo By スポニチ

 09年の第2回大会で指揮を執り日本代表を連覇に導いた巨人・原監督は選手会の決議

に対し、「最終決定であるならば、これは仕方ないんですが…」と前置きした上で、「まだ双

話し合う余地があるのならば、しっかりと話し合ってほしいなと思います」とNPBとの交

渉継続
を訴えた。

NPBとの交渉ではないでしょう。)


 巨人監督と兼務になった09年はWBCだけでなく、巨人でもリーグ優勝と日本一、日韓ク

ラブチャンピオンシップ優勝を成し遂げ、オフには国際野球連盟の総会で世界最優秀監督

に選出された。WBC期間中は日本中からの熱烈な応援を肌で感じていただけに「ファン

の方
が(出場を)求めている
のは、選手も当然理解はしているでしょう。その中でしっかり

と話し合い、結論を出してほしい」とも付け加えた。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/07/21/kiji/K20120721003725760.html
(続く)