もちろん小生も過去2回のWBCの試合は、大いに楽しんだものだ。3回目のWBCも楽し
みたいとは思う。しかし間違ったことをされてでも、見たいとは思わない。日本球界にも何が
しかのメリットがあったとしても、それに比べればデメリットはその何倍も多いと理解しなけ
ればならない。もちろん選手達にも、WBCを待望している人達も多い筈だ。次の記事のよ
うに他国からも熱望論があることも分かる。しかしそれにほだされて、間違ったことをして
は元も子もない。
李大浩 韓国代表としての気持ちは日本に「出てほしい」
選手会 WBC不参加表明 [ 2012年7月21日 06:00 ]
(Photo,李大浩)
<全パ・全セ>ホームラン競争で優勝し、バレンティン(左)と健闘をたたえあう全パの李大浩 Photo By スポニチ
韓国代表として09年WBCに出場したオリックス・李大浩が、日本プロ野球選手会の不
参加表明に私見を述べた。
「日本が出ないと、大会のレベルや雰囲気が下がる。オリンピックで野球もなくなっ
た。アメリカと日本の両国が出ることを(韓国の)国民も期待していると思う。個人的には出
てもらいたい」。前回大会で韓国は日本と決勝を戦っただけに、「(日本不参加のニュース
は)韓国でもインターネットで流れて、知っていた」と関心の高さをうかがわせた。 (ならばスポ
ンサー権などをよこせ、と言いたい。)
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/07/21/kiji/K20120721003724910.html
このような気持ちは、過去2回のWBCに参加した各国に共通するものであろう。だからと
言って日本は、ノコノコと参加してはならないのである。WBCを真の国際試合に高めるた
めにも、ここは参加拒否を貫くべきなのである。そのことがWBCIの言う「野球の普及と
国際化」に通ずるのである。なんと言っても国際化するには、各国がスポンサー権やライ
センシング権を得なければならないのである。各国のスポンサー権やライセンシング権
をWBCIが独占する限りにおいては、野球の国際化はありえないのである。だからオリン
ピックから外されたのでしょう。野球なんぞは、全くのマイナーなスポーツなのである。
そのことをNPBも理解しなければならない。
前回大会で日本と優勝を争った韓国でも、WBCに参加するか否かで、もめているという。
韓国も選手会紛糾 WBC不参加か
2012年7月10日
何とも異様な状況だ。来年3月に開催される第3回WBC。だが、いまだ労組・日本プロ
野球選手会(新井貴浩会長=阪神)は大会への出場の表明をしていない。そればかりか
韓国の選手協会も、WBC不参加を辞さない構えを示している。
日本の選手会側は、主催であるWBCIが受け取る日本企業のスポンサー収入、代表
グッズの商品化権に関し、出場国への帰属を求めてきた。
だがMLB主催で、日本代表が招待されている形のWBCでは要求を通すのは困難の
ため、NPBは日本代表「侍ジャパン」を常設化し、新たな代表スポンサーでの収入増で選
手会との交渉を続けてきた。順調ならば、20日の選手会総会で参加表明に結びつくだろう。
一方の韓国は新球団が加わり、来季は9球団となるが、奇数球団での日程作成が難し
いため10球団目の誕生が切望されていた。だが、これを6月の韓国野球委員会理事会
が否決。選手協会が今季球宴と来年のWBCのボイコットを表明した。10日に再び開か
れる同理事会に注目が集まる。
前回大会の優勝、準優勝国の参加が決まっていない。10日にも行われる日程発表で
は、日本は「暫定参加国」とされる予定だ。将来の野球発展へ、国際大会は必要不可欠
だが、日韓双方で大会へ向かう一体感は見えてこない。
http://www.daily.co.jp/baseball/2012/07/10/0005201105.shtml
韓国球界の事情は詳らかでないが、この記事を読む限りでは、スポンサー権やライセン
シング権に関する問題だけでも無さそうなのだ。しかし韓国でも、何が何でもWBCと言う
雰囲気でも無さそうなことだけは、わかる。
だからWBCIはどのような手を打ってくるのか、見ものである。日本プロ野球選手会はさて
おき、NPBがどのような行動に出るか注意が必要である。7月20日の選手会の不参加表
明を受けて、「 NPBは近く選手会と話し合い、参加するよう説得する方針」と言っている
('12.7.22のNO.5参照のこと)。
7月21日の新聞によると、
[加藤良三コミッショナーは「連覇したことでWBCの意義は大きくなった。ファンの期待を
無視することはよくない。今後も話し合いを続けたい」と説得する意向を示し、8月1日に
選手会と協議する。]
なる記事があった。だから8月1日まではなんの動きもないであろう。もっとも無策のNPB
だから、何も出来ないことであろうことは分かっていることであるが。ただここでNPBが何を
言うかは、大体想像できる。「ファン」のために、新井さん、是非とも考え直してくださいよ、
と懇願するだけであろう。スポンサー権やライセンシング権に関することは、ただ単に
「侍ジャパン」になるから解決できる、としか言わないであろう。これでは問題の答えになっ
ていないし、問題のすり替えなのである。それもさることながら、利益配分の低さも、重大
問題なのではあるが。
侍ジャパンにこれからスポンサー権やライセンシング権が帰属することになったとして
も、WBCでのそれは、侍ジャパンには帰属しない。このことが問題なのである。このことに
対してはNPBや加藤良三なる人物は、単に「諦めてくれ」と懇願するだけでなんの解決策
も提示できないであろう。
結局はこの話し合いは、決裂すべく決裂するであろう。一寸古いが次の記事を参照願う。
WBC参加問題 MLBは困っている
2011年09月27日08:25
2013年に開催予定の第3回WBCへの日本の参加問題について、MLBのジム・スモール
アジア副社長が
「私たちは日本が出場に合意し、13年のWBCが日本参加の下に行われることを望んで
いる。日本の選手は賞金を除いてMLB選手より多い報酬を受けていると承知している。
しかし、選手会はさらなる上乗せを求めている。この状況を3連覇を望む日本ファンに、ど
う説明するのか?これ以上は待てません」と強調した。
彼らの主張にだまされてはいけない。
「日本の選手は賞金を除いてMLB選手より多い報酬を受けていると承知している。
しかし、選手会はさらなる上乗せを求めている」というのは、論点をずらしている。
日本は、代表チームに対するスポンサー料とグッズ収入の権利は、本来はNPBに帰属さ
れるものという当然の主張をしているに過ぎない。それを、報酬増の要求のように主張する
とは、世論操作の一環。
どうしても、彼らは、ジャパンマネーが必要のようだ。
もし、日本企業のスポンサー料が必要ないなら、
日本の参加問題に関しては、何も言ってこないだろう。
今回、日本は、要求が受け入れられなければ参加しないことを決定した方がいい。
そうでなければ、今後のWBCもMLBのペースにのせられたまま。
今回参加しなければ、第4回WBC以降は日本の要求は少しでも
聞き入れられるだろう。
そもそもWBCは、サッカーのワールドカップのような世界一決定戦
ではない。MLBの収入を増やすためのあらたな「花相撲」のようなものだ。
MLBがWBCを世界一決定戦という位置づけにするならば、
春に開催することなく、スター選手も当然出ていることだろう。
メジャーリーグに屈するなプロ野球選手会!
http://blog.livedoor.jp/muskegon/archives/cat_968241.html
(続く)