尖閣諸島問題その2(27)

スカボロー礁については、7/17,NO.11の年表や8/7,NO.16でも、2012年4月8日からフィリピ

ン軍と中国軍が睨み合いの状態になっていることを伝えている。これはその後どうなったので

あろうか。結局は中国のお決まりの硬軟取り混ぜた圧力を受け、フィリピンが船を引いたようだ。

制裁として真っ先に中国がとるのが経済制裁である。これで音を上げないことである。

しかしフィリピンはしっかりと中国漁船を臨検しているのである。写真に2012.4.10,09:07とあ

る。日本もこの事実を見習わなければならない。

 
 
南シナ海スカボロー礁 中国、フィリピンツアー中止、経済的圧力も
2012.5.10 19:25 [中国]
Chn12051019250002n1
(2010.4.)10日南シナ海スカボロー礁で、フィリピン海軍の調べを受ける中国漁船。捜査をきっかけに、中比両国の巡視船などがにらみ合いを続けている(フィリピン海軍提供・共同)


 【上海=河崎真澄】10日付の中国紙、東方早報などによると、中国の旅行会社がフィリピン

への中国人渡航ツアーを相次ぎ中止し始めた。

 両国の間で南シナ海スカボロー礁の領有権をめぐる対立が続く中、同紙は「対中経済依存

を強めるフィリピンに対し中国が切り札を使った」などと表現。中国が経済的な対抗措置に踏

み切った、との認識を示した。

 フィリピンへの渡航ツアーを中止したのは、中国青年旅行社や春秋国際旅行など大手代理

店から、ネット販売型の旅行会社も含む大半の業者。11日にフィリピンで反中デモが予定され

ているなどとして、「観光客の安全確保のため」と中止理由を説明している。

 また、中国国家品質監督検査検疫総局は、バナナなどフィリピン産の果物に対する検疫を

強化
するよう各地の検疫局に通達した。その理由についてフィリピン産の果物から害虫が検出

されたとしている。

 中国は2010年9月に日本の尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件でも、レアアース(希

土類)の対日輸出を事実上停止。さらに日中間の交流活動を中止するなどの措置を取った。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120510/chn12051019250002-n1.htm

 
 
そして中国側もトーンを下げるなどの紆余曲折があるにせよ、フィリピンは台風4号による悪天

候を理由にフィリピン艦船を引上げさせたのである。これでは中国に利するだけである。

台風がこようが槍が降ろうが、中国船が撤退しない限り、フィリピンは対峙していなければなら

ない。船を引上げてしまえば、フィリピンの負けである。

 
 
フィリピン艦船が引き揚げ 南シナ海スカボロー礁
2012.6.18 00:04
 中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海スカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で中国艦船

とにらみ合いを続けていたフィリピン艦船2隻が17日までに、台風4号による悪天候のため現

場から一時引き揚げた。

 これを受け在フィリピン中国大使館は17日、「今回の動きが緊張緩和の契機になることを

望む」との談話を発表した。

 現場には中国の複数の艦船が残っているとみられ、フィリピン側は中国側の艦船を確認す

れば天候回復を待って巡視船などを再派遣する意向だ。

 フィリピンのアキノ大統領は15日、台風で悪天候が予想されるとして艦船の引き揚げを指示

していた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120618/asi12061800040000-n1.htm

 
 
こんな弱気を見せればスカボロー礁は、すぐにでも中国のものになってしまう。弱気と見れば、

中国はいつでも監視船や偽装漁船を派遣して領海を侵犯し、更には占領してしまうであろう。

そして徐々に実効支配を強め、完全に自国のものとしてしまうのである。

更には武力侵攻も念頭においているのである。中国は既に2009年にその離島上陸作戦

完成させている。


その筋書きは次の通りである。

(1) 先ず、空爆により相手国の港や空港を爆撃して、反撃能力を奪っておく。

(2)
そして、最新鋭の大型揚陸艦で、離島へ上陸占領すると言うものである。


そのためには先に紹介したスホイ-30の様な戦闘爆撃機などが使われることになる。中国

は、得意の偽造、コピー技術を使い、早速このロシアのSu-30のコピーに成功しているのだ。こ

れで量産が可能となる。日本の守りは大丈夫か。


先ず中国の「離島上陸作戦」の記事を紹介しよう。2010.12.30付けの記事であるが、2009年

の初めに策定されており、その実行のために大規模な軍事演習も行われていると言う。この

記事では、南シナ海を念頭に書かれているが、これは東シナ海尖閣諸島への侵攻を念頭

に置かれたものと、考えなくてはならない。何となれば、南シナ海への侵攻は既に大方完了さ

せているからである。先の年表を見てもらえば、そのことはよくわかる。


1974.01.15には西沙諸島の戦いでベトナムから西沙諸島を奪い、

1988.03.14には南沙諸島の戦いで、これまたベトナム支配の6つのさんご礁を占領している。

1994.12.00には南沙のミスチーフ礁をフィリピンから分捕っている。

2011.05~06には南沙諸島海域で、フィリピンとベトナムの領海を侵し、石油開発を進めようと

している。

2012年4月8日、フィリピン海軍は、スカボロー礁近くで中国漁船8隻が停泊しているのを発見

し、拿捕する。これを受け中国の監視船が現場に急行、両国の艦船が睨みあう状態となる。

(続く)