尖閣諸島問題その2(42)

まあある意味、中国政府が香港にいる中国共産党の手先である実業家を使って、落ちぶれ

た民主活動家をして尖閣へ向わせた、と見るべきである。その意図は、香港の民主活動家の

矛先を中国共産党から逸らす意味があったのではないか、と勘ぐれるのである。だからTV局

も同行させたて、彼らを一種の英雄に仕立て上げておいて、ガス抜きを図らせたともいえるの

ではないか。

  
 
尖閣上陸:香港実業家らが支援 中国政府の思惑反映か(毎日jp)
毎日新聞 2012年08月17日 01時21分(最終更新 08月17日 02時55分)

http://mainichi.jp/select/news/20120817k0000m030102000c.html

 香港の活動家ら14人が沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸して逮捕された事件を

受け、中国では16日、活動家らの釈放を求める抗議行動が相次いだ。活動家が所属する香

港の民間団体「保釣(尖閣防衛)行動委員会」は香港の親中派実業家らが支援。中国本土や

台湾など中華圏の「保釣」団体と、活動で共同歩調を取るなど連携を深めている。民間の活動

を利用して日本をけん制したい中国当局の思惑も垣間見える。【香港・大谷麻由美、北京・工藤哲、成沢健一、上海・隅俊之】
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(上)逮捕された活動家らの釈放や資金援助などを訴える「保釣行動委員会」の柯華・元主席

(中央)=香港で2012年8月16日、大谷麻由美撮影(下)逮捕され海上保安庁の巡視船を下

りる活動家=那覇市で2012年8月16日、武市公孝撮影(一部画像処理しています)


 「倭寇を退け、釣魚島を取り戻す」。中国語で書かれた横断幕が揺れる。香港・尖沙嘴のふ

頭では、15日夜から行動委員会のメンバーが早期釈放と活動資金の支援を訴える街頭活動

を始めた。だが、メンバーが声を張り上げても、足を止める人は少ない。
 
8年ぶりに達成した尖閣上陸だったが、香港市民の関心は今ひとつだ。「保釣」運動に参加

して40年のトーマス・ヤンさん(64)は「寄付の集まり具合は以前と変わりがなく、低調だ

若者が運動に関心を寄せることは期待できない」と嘆く。


 70年代に米国や台湾などで始まった「保釣」運動は、日本の政治団体が尖閣諸島に灯台を

建てた96年7月以降に過激化する。同年9月に香港で行動委員会が結成され、中国でも「中

国民間保釣連合会」が設立された。

 今回の行動で逮捕された元区議の曽健成容疑者ら行動委員会の中核メンバーは、本来は

中国共産党の姿勢を鮮明にしながら香港の民主化進展を求める急進民主派だ。中国化

が進む香港では、民生面の充実を訴える親中派や穏健民主派といった政治勢力が市民の支

持を集め、急進民主派は派手なパフォーマンスとは裏腹に影響力は限られている。

 行動委員会への寄付金は今、年間100万香港ドル(約1020万円)。10年ほど前をピーク

に約5分の1にまで減った。一昨年には保有していた抗議船の売却を表明するなど、運営の危

機を迎えたこともあった。こうした中、昨年1月に中国や香港など6カ国・地域の「保釣」団体が

加盟する「世界華人保釣連盟」が発足し、行動委員会も息を吹き返す。


 現在、行動委員会を資金で中心的に支援するのは香港の実業家で、中国の国政助言

機関である中国人民政治協商会議(政協)委員の劉夢熊氏だ。「世界華人保釣連盟」の顧問

である劉氏はブログで、今回出航した民間抗議船に対する資金的な支援を明らかにするとと

もに、「民間の愛国行動は国民の教育になる」などとたたえた。

 抗議船に記者を同乗させた香港のテレビ局「フェニックステレビ鳳凰衛視)」はトップの劉

長楽主席(60)が中国人民解放軍や国営放送局での勤務経験があり、親中派メディアとして

知られる。16日も豪州での中国出身者らによる抗議行動を伝え、中華圏の連帯感を強めよう

とする姿勢が目立つ。


 今回の活動には、台湾の民間団体「中華保釣協会」も合流する予定だった。最終的には台

湾当局によって阻止されたが、協会は中国人企業家らから寄付された約200万台湾ドル

(約524万円)を頭金として、自前の漁船の所有に向けた準備をしていた。黄錫麟・総幹事は

「自前の船ならいつでも出航できる」と述べ、抗議活動の頻度を上げる方針を示す。上陸した

活動家が中国の国旗とともに台湾の旗を掲げたのも、団体の連携をアピールする狙いがあっ

たとみられる。

 一方、台湾紙によると、中国本土の福建省アモイからも抗議船が合流する予定だったが、

中国当局からの圧力で出航を断念した。中国政府は一定のガス抜きを図りつつ、日中の決

定的な対立は回避しようとしている。

http://mainichi.jp/select/news/20120817k0000m030102000c.html

 
 

だからと言って、香港の落ちぶれた活動家が跳ね返って尖閣上陸を図っただけだ、と見るべき

ではない。彼らはれっきとした中国共産党の手の内で動かされていたわけであるから、尖閣

奪取
の何らかの活動の一環であったはずである。一つは、日本側の体制や準備状況を把握

するための行動だったのであろう。


ゆめゆめ油断するべきでない、民主党政権サンよ。


それは2010.9.7中国漁船の日本巡視船への体当たり妨害行為が、
国際世論から総す

かん
食ったことから、中国政府が新たな展開を考え出したことだからなのです。中国共産党

政府は、香港の民間団体尖閣を攻撃するのなら、国際世論は同情してくれるのではない

か、と(考えたかどうかは知らないが)考えたものと思われる。


次のRecord Chinaの記事をご一読願う。これは2年前の記事ではあるが、そこら辺の事情が

なんとなく判るものである。

 
 
尖閣問題><レコチャ広場>中国が犯した失敗=国際社会の警戒招く
配信日時:2010年10月10日 17時59分  http://www.recordchina.co.jp/gallery.php?gid=46034

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9日、琉球大学国際関係学部の林泉忠准教授は、ブログに亡き父にあてた手紙という形式で

尖閣問題への論考を発表した。香港ラジオ局の番組「香港家族への手紙」に寄稿したものの

再録となる。写真は中国人船長釈放を伝える中国紙

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先日、新聞に日本の18都市で中国に対する抗議のデモが行われたことを知りました。日本に

長年住んでいますが、これほどの規模の「反中デモ」は聞いたことがありません。読売新聞の

世論調査でも「中国は信頼できない」との回答が84%に達しています。この驚くべき数字は日

中関係が最悪の状態になった2005年以上の数字です。

(続く)