尖閣諸島問題その2(67)

この遅浩田講演の内容については、当ブログの2012.10.1~2のNO.56~57で言及して

いるが、その全文については、2009.5.13~16の当ブログ「尖閣諸島問題NO.36~39」で紹

介しているので、是非ご一読願う。

 
さて、その「戦略的国境概念とは、おさらいすると次のようになる。


地理的国境は、国家の意志や総合力で変える事が出来る。それが「戦略的国境」概念で

ある。そしてそれを維持すれば、それが新しい「地理的国境」となる。この戦略的国境を維

持する手段が軍事力である。簡単に言ってしまえば、軍事力を駆使して自国の国境

意に拡大
できる、と言うことである。中国は国策として、侵略で国境拡大させる、と宣言

しているのである。だから南シナ海尖閣諸島侵略しているのである。先に言及した西

沙諸島や南沙諸島での中国軍の侵略の状況を見れば、そのことはわかるであろう。まあ、

チベットやウィグルの例もあるので、中国にとっては侵略などは日常茶飯事のことなので

あろう。だから中国は、匪賊・馬賊の国なのである。まともにつき合える国ではない。

 
この計画でゆけば、「躍進後期」は2020年に完成となるが、後8年しか残っていない。中国

は今ようやくウクライナから買ったおんぼろ空母の「ワリヤーグ」を「遼寧」と命名して進水

せたばかりである。しかもその空母のエンジンは、旧式の巡洋艦のエンジンで代替させて

いると言う。だから空母としてはまともの動かない筈だ。そしてまだ艦載機の離発着訓練も

行われていない。


だからこの空母遼寧」は完全な練習実験空母と見たほうがよい。現在中国は数隻の空母

を建造中という。これらの空母最低3隻はものにならなければ、第二列島線内の制海権

は得られないと思われる。ましてや太平洋をアメリカと2分割して管理するとすれば、更に多

くの空母機動部隊(打撃群)が必要となろう。


だから大雑把に言って、「躍進後期」の完成は2020年としているが、3隻の空母実戦

配備
がいつになるかが問題であるが、最低5年から10年は遅れるのではないか、という

のが小生の見立てである。

 
だからと言って安心できるものでもない。練習実験艦といっても「遼寧」は正真正銘の空母

なのである。艦載機が離発着しだしたら、日本にとっては大きな脅威となろう。


まあ中国が「遼寧」で尖閣諸島奪還を企てることは無いとは思うが、注意するに越したこと

は無い。「遼寧」が出てくる時には、既に尖閣は中国に奪われている、と思わなくてはなら

ない。だから先ずは中国漁船大挙襲来を念頭に置いた対策を考えなければならない

のだ。それへの対処としては海上保安庁の巡視船の配備を増加させ、海上保安官の増

員だ。しかし今日明日にそれができると言う即効性はないが、長期的な視野も必要であ

る。短期的には現状での対処を夫々の部署が連携して工夫して行かなければならない

が、そうかと言って中長期に対しても何にも手を打たないでは困るのである。


それにしても今の民主党政権では、あまりにも頼りない。何も出来ないのではないか。だか

ら早く自民党政権が誕生しなければ、この日本は救われないのである。


幸い自由民主党の党首の安倍晋三総裁は領土問題にも正しい判断をされている。当然

日本固有の領土は1ミリたりとも譲ることは出来ない。
 
 
 

安倍氏「尖閣1ミリも譲らぬ」=米国務副長官と会談
時事通信社 2012年10月15日(月)17:22
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 記者会見し、党首会談で早期の衆院解散を求めることを表明した自民党の安倍総裁=4日午後、東京・永田町の党本部  

(共同通信 自民党安倍晋三総裁は15日バーンズ米国務副長官と党本部で会談

した。沖縄県尖閣諸島の国有化をめぐる日中の対立について、バーンズ氏が「エスカレー

トしないよう、中国と話し合いを進めることを期待している」と冷静な対応を求めた。安倍氏

は「話し合いの余地はない。尖閣についてわれわれは1ミリも譲るつもりはない」と答

えた。バーンズ氏がこの後、訪中を予定していることを念頭に、安倍氏は「こちらの考えを

見誤らないよう中国に伝えてほしい
」とも語った。 

時事通信社] 

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-121015X987.html
(続く)