世の中、何だこれ!(WBC敗退、41)

(2/3)山本監督以外に『やります』という人がいなかった

 「結局、他に『やります』と言ってくれる人がいなかった」(日本代表関係者)ことから白羽

の矢が立てられたのが、元広島カープ山本浩二だった。案の定、この山本監督の選

考に関しても多くのプロ野球関係者が疑問を唱えている。



 「浩二さんは現役時代に名選手だったが、監督やコーチとしては残念ながら有能な人で

はない
。広島で監督をやっていたとはいえ、計10シーズンで優勝はわずかに1回。Bクラス

には7回も沈んでいる。4位惨敗に終わった北京五輪では守備走塁コーチを務めながら(日

本代表の)星野監督に『三塁コーチも頼む』と言われてサインの出し方が分からずに右往

左往したこともあった」とは、山本監督を古くから知る関係者の弁だ。


 WBC日本代表監督の選考の場でも「山本浩二では厳しい」との声が大勢を占め、一時は

候補者リストから完全に外されていた。ところが本命候補たちに次々と断られてしまったこ

とで「最後は仕方なく浩二さんにお願いせざるを得なかった」(前出の関係者)という。


 日本球界内で「こんないい加減な選出方法によって、大事なWBC日本代表の監督を決

めてしまっていいのか」「一度脱落したはずの山本さんを代表監督に選んだのは、3連覇を

逃した際のスケープゴートにさせるためではないのか」などと、ささやかれているのもよく分

かる。


 こんな低過ぎる契約条件でありながらも、あえて火中の栗を拾いにいく決断を下した山本

監督に非はもちろんない。日本人メジャーリーガーが不参加となって厳しい戦いとなりそう

侍ジャパンの指揮官就任を二つ返事でOKした男気は、むしろ賞賛されるべきだろう


 やはり問題視されなければいけないのは、指揮官としての能力が疑問視されていたはず

の山本監督を再び担ぎ出したNPB有識者たちの一貫性のない姿勢だ。


1投手につき公式球12球のみで練習できるか


 特に今回のWBCに関しては大会前からNPBに対するブーイングがさまざまな面におい

て絶えることがない。こんな話もある。侍ジャパンの代表候補に選ばれた投手たちには

2012年秋の時点でNPBからWBC公式球が支給されたのだが、その数は1投手につきわ

ずか1ダース
だった。


 「たった12球しか渡されないなんて信じられない。もし練習中にボールが無くなってしまっ

たとしても追加発注できないというし、明らかに数が足りないですよ。話にならない。これで

WBC公式球を使って、まともな練習を行うことはどう考えても難しい」とある投手は顔をし

かめている。


 WBC公式球は日本プロ野球で導入されているNPB公認球よりも「かなり滑りやすい」と

言われている。7年前の第1回大会から日本代表の投手陣は毎回のように対応に苦慮して

おり、そうした反省を生かすのであればNPBは各投手への支給数をもっと増やすべきであ

った。


 侍ジャパンの投手陣が「1ダースなんてケチったことを言わず、1投手につき最低5ダース

は事前に支給してほしかった」と口々に言うのは、まさに正論。宮崎合宿では田中(楽天

や前田(広島)ら数多くの主力投手たちがWBC公式球に順応できず悪戦苦闘していた

が、NPB側がしっかりと彼らに配慮しておけば、こうしたドタバタの事態を未然に防げたは

ずだ。


(3/3)米国では「日本は第2次ラウンド敗退」の予想

 大会前から不安要素が目白押しの侍ジャパンをあざ笑うかのように、海の向こうからは何

ともショックな予想が伝わってきた。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」で1月11日に「WBC

特集」が放送され、元中日のマット・ステアーズ氏ら複数の同局解説者たちが3連覇を狙う

日本について「セカンドラウンド(第2次ラウンド)で負ける」という衝撃発言をそろって口に

したのだ。


 さらに2月15日に同局で放送されたスポーツ番組でもステアーズ氏は「日本代表チーム

は監督選考の時点で大きく混乱しただけでなく、現段階では投手陣たちが(WBCの)ボー

ルにアジャスト(順応)できず苦しんでいるそうだ。彼らは決勝トーナメントを前に米国の地

を踏むことなく、敗れ去るだろう」と不敵に言い放った。


 いずれにしても米国側が侍ジャパンのドタバタぶりを早々と情報として入手し、ほくそ笑ん

でいるのは間違いないようだ。


 試合の結果は無論、フタを開けてみなければ分からない。それでも本番前から、これだけの

マイナス材料が噴出することは、日本代表にとって過去例にない「非常事態」と言わざるを

得ないだろう。こうした不安が単なる杞憂(きゆう)に終わり、山本監督ら侍ジャパンが不利

な状況を覆して見事にWBC3連覇を達成してくれることを心から祈りたい。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1302/21/news011.html

 

と言った内容なのだが、これでは体制からして戦うものになっていなかったようだ。これで

山本浩二の「満足です」発言も、わからないでもない。これも山本浩二が、敢えてNPB

対して中(あ)てつけたものと思えば、わからないでもない。


しかしやるからには勝たなくてはならない。勝てたかもしれない試合を、ミスってしまった

とは、全くもって頂けない事である。負けてしまった原因となったミスを小生なりに列挙して

みる。


その一つがダブルスチール」の失敗である。このプエルト・リコ戦の8回には、今回のあら

ゆるミスが凝縮してしまった。慢心は大きな焦りに繋がり易い。3点もリードされてしまった

山本ジャパン。井端の適時打で一点を返し、更に内川のヒットが続く。1死一、二塁、バッタ

ーは4番の阿部、と言う状況だ。


先ず第一のミスは、ベンチが「行けたら行け」などと言う小難しい重盗のサインを出したこと

である。このサインは走者が一人の時に出すサインではないか、と小生には思われる。

しかし山本はこのサインを2人も走者がいる時に、出した。そして案の定、二塁走者の井

端と、一塁走者の内川との判断は異なっていた


井端は二塁にとどまり、内川は二塁に向けて必死に走った。内川の気持ちは判らないでも

ないが、なんと言っても同点のランナーだ、セーフになりたくて、仕方が無い。その必死さに

メジャーリーガーのイチローは、「あの場面であのスタートができるのはすごい」と、内川を

かばう発言
をしている。これは内川の心情をおもんぱかっての発言であろう。さすがイチロ

ーは歴戦の勇士である。人の心が判る。

(続く)