世の中、何だこれ!(WBC敗退、42)

浩二監督あいまい重盗サイン/WBC
2013年3月19日(火)08:05
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(日刊スポーツ) 
<WBC:日本1-3プエルトリコ>◇17日(日本時間18日)◇準決勝◇米サンフランシスコAT&Tパーク

 侍ジャパンのWBC3連覇の夢が破れた。準決勝でプエルトリコに完敗した。1点を返した

8回、なおも1死一、二塁から重盗を敢行。一塁走者の内川聖一外野手(30)が飛び出し

タッチアウトとなった。山本浩二監督(66)が繰り出した「スモールベースボール」の一手が

致命傷になってビッグチャンスを逸し万事休す。曖昧なベンチワークが招いたミスが響いて

終戦を迎えた。

 日の丸を世界一の座から降ろした。山本監督が深々と一礼した。三塁側ベンチのフェンス

に内川が突っ伏した。「侍」の称号を胸に戦ってきた選手たちは無表情で、プエルトリコ

歓喜の輪を目に焼き付けた。試合終了後のロッカー室。指揮官は「笑顔で帰ろう」と締め

た。だが、選手も、ファンも受け入れがたいフィナーレになった。有言実行で機動力を絡め

た戦略を敢行し、いつまでも後ろ髪をひかれるような大きな失敗が生まれ、終わった。

 かすかな望みを、誰もが捨てた痛恨の一手があった。山本監督の選手の自主性を重んじ

る信念が、完全に裏目に出た。3点を追う8回、1死から3連打で1点を返した。

なお一、二塁で、不動の4番阿部。1ストライクからの2球目だった。二塁走者の井端がスタ

ートを切って、すぐ止まった。井端を追いかけるように一塁走者の内川は猛然と走りだし

た。帰塁した井端に気付いたのは二塁手前。ぼうぜんとしてタッチアウトとなった。重盗を仕

掛けてチャンスがしぼんだ。日本野球を象徴するスモールベースボール試合の流れや状

況を冷静に考えれば、
禁じ手
ともいえただろう。


 土壇場でブレた。ほかの主力は不振ならば打順を変更した。山本監督がただ1人、「心中

する」との覚悟を決めていた阿部が打者だった。ケースに応じた打撃ができる名手だった

が、ベンチが局面を動かそうとした。さらに重盗の指示は「ダブルスチールにいってもい

い」(同監督)という選手に判断を委ねるようなサイン。「スモール」ではなく大ざっぱで、曖

昧で、ギャンブル
だった。


 しかも捕手はメジャー屈指の強肩Y・モリーナ。阿部は左打者で、送球の際にブラインドに

なる右打者ではなく、三塁には投げやすい。さらに重盗では二塁走者がスタートしてから一

塁走者が走るため、三塁でなく二塁に投げてくるケースもあり内川にも重圧がかかる。追撃

する場面とはいえリスクが大きかった。

 代償は大きい。結果論だが、選手がすべてを背負い込んでしまうような采配だった。内川

は「僕の1プレーで終わってしまった。やってはいけないことをしてしまいました」と涙をこら

え、自分を責めた。井端は「『いけたら、いけ』だったので…」と言葉を詰まらせた。俊足では

ない井端が適時打を放って出塁した時点で、代走要員の本多を投入する選択肢も残って

いた。走者同士の呼吸がマッチするかも微妙だった。山本監督は「私は、この作戦に悔い

はありません」と断言した。だが、策とは言えないほど緻密さに欠けていた。


 日本のスモールベースボールが勝負どころで崩壊した。山本監督は「非常に素晴らしい

選手とできて、私は幸せでした」と、どっぷり感慨に浸ったが、苦い敗戦を忘れてはいけな

い。井端や内川ら、ガムシャラに局面を打開しようと挑戦し、全力で支えようとした侍たち

が、傷ついたことは忘れてはいけない。突出した精巧さが魅力の日本野球が世界に誇るイ

メージを崩したことも、忘れてはいけない。また、日本中が野球で夢を見られる日が来るた

めにも-。【高山通史】

http://news.goo.ne.jp/article/nikkansports/sports/p-bb-tp0-130319-0007.html
http://sports.jp.msn.com/j-baseball/%e6%b5%a9%e4%ba%8c%e7%9b%a3%e7%9d%a3%e3%81%82%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%84%e9%87%8d%e7%9b%97%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%ef%bc%8f%ef%bd%97%ef%bd%82%ef%bd%83-1

 

第二のミスは、イチローも吃驚したように、一塁走者の内川が二塁走者の井端の動きを全

く見ずに、突っ走ったことである。内川は井端の動きに全く関係なく二塁へ全力疾走して

いた。多分プエルト・リコの捕手MLBセントルイスカージナルスに所属、ヤディアー・ベンジ

ャミン・モリーナ
(Yadier Benjamin Molina、1982.7.13生、モリーナ3兄弟の末弟)が、強肩

ロケットランチャーと言われている)であることを十分に知っていたからであろう。それは井

端も同じだ、だから自重して二塁にとどまったのであろう。


このように二者の判断が分かれた。だから同じ情報を共有していても、事情によっては、判

断は分かれる。当然次の行動は全く正反対なものになる。だからこんな時に、こんな曖昧

なサインは出してはいけないのである。山本浩二は「草野球」をやってしまった。


だから山本浩二の出したこのサインは、一か八かのギャンブルだったのだ。「スモールベー

スボール」には、全く 似つかわしくないものであった。
だからこの第一のミスの比重は大

きい。

 


侍自滅V3夢散…内川、曖昧サインで暴走/WBC
2013年3月19日(火)08:00
(サンケイスポーツ)  
 WBC準決勝(17日、日本1-3プエルトリコ、サンフランシスコ)日本は準決勝で、プエル

トリコに1-3で敗れた。2点を追う八回一死一、二塁の好機で、一走の内川聖一外野

手(30)=ソフトバンク=が飛び出して挟殺された。山本浩二監督(66)の方針は、打ち勝

つ野球と機動力野球との間で揺れ動き、最後は日本自慢のスモールベースボールが空回

りして、自滅のような敗戦。3連覇の夢は途絶えた。


 サンフランシスコの夜空に、夢が消えていった。九回二死一塁。代打の松井(楽天)が初

球を打ち上げ、中飛に倒れた。日本の、3連覇への挑戦が終わった。

 「3連覇を目指してやってきたつもり。このチームなら、という手応えもあった。すばらしい

選手とともにできて、私は幸せでした」

 山本監督は敗戦後、たった一人でAT&Tパークの会見場に現れた。通常の公式会見で

は選手と監督が並ぶ。目に涙を浮かべながら答えた単独会見は、責任を一人で背負ったよ

うにも見えた。


 中盤までは力負け、そして最後は自滅だった。マイナー選手が中心のプエルトリコ投手陣

を打ちあぐねた。反撃は八回。一死から鳥谷(阪神)の右中間三塁打の後、チーム最高打

率の井端(中日)が芸術的な右前適時打。1点を返し、内川(ソフトバンク)も粘り強く右前

へ。3連打でなお一死一、二塁とし、4番阿部(巨人)。長打が出れば同点…。逆襲の予感

が漂った。


 だがここで、中途半端な指示が出た。カウント0-1から二走の井端と一走の内川に出さ

れたのは重盗のサイン。「投手のモーションが大きい。チャンスがあれば走っていくと話して

いた」と山本監督。だがここまで日本を引っ張ってきたヒーロー2人の連係に、ほころび

生じていた。


 井端は「ディス・ボール(この1球で行け)じゃなかった。“行けたら行け”という感じだった

ので」と一歩、スタートを切ってストップ。ところが、内川は二塁へ一心に走った。
二走の動き

に絶対に従わなければならない
にもかかわらず、井端のストップを確認したのは塁間の中

間を越えた後。二塁手前で急ストップも、時すでに遅し。絶好機がしぼんだ。


 「やってはいけないこと。僕のワンプレーで(試合を)終わらせてしまった」

 前回大会決勝の韓国戦で好守に3安打と活躍
今大会も好打でチームをもり立ててき

た内川
は、大粒の涙をこぼした。重盗を「必ず行け」と強制しきれなかったベンチ、行けなか

った井端、止まれなかった内川…。3者が空回り。緻密な野球で世界を2度制した日本が、

逆にスモールベースボールで墓穴を掘った。


 「一つでも前の塁に行くという姿勢。失敗したけど、私はこの作戦には悔いはありません


 山本監督は言い切った。イチローヤンキース)、ダルビッシュ(レンジャーズ)らが不在

で、国内組だけで果たした4強入りは確かな勲章だ。一方で、打ち勝つのか、機動力を生

かすのか、2つの野球の間で揺れ、「打てない」との評価をはね返せないまま敗退した。光

と影を残し、日本の挑戦が終わった。

http://news.goo.ne.jp/article/sanspo/sports/ssp20130319033.html

 

これを見ると、サンスポもニチスポも同じことを言っている。いずれにせよ、監督の立場に立

つか、選手の立場に立つかの発言の違いで、内容は同じ事を言っているのであろう。


ただただ残念である。

(続く)