世の中、何だこれ!(WBC敗退、50)

だから今回のWBCには、「侍ジャパン」には参加してほしくなかったのである。いたずらに

参加しない、と言った邪(よこしま)な考えで言っているのではない。


WBCとは、米国の大リーグ機構MLB(Major League Baseball)と大リーグ選手会MLBPA

Major League Baseball Players  Association、かなり強い労働組合である。)とが結託

して、そのてら銭を稼ぐ為に作った賭場なのである。まあ何とかきれいごとを言っているよ

うだが、所詮人のふんどしで金を稼ごうとして作ったものなのである。だからMLBは形だけ

しか、このWBCには参加していないのだ。そんなわけだから、WBCIは、と言うよりもMLB

は、順位には無頓着なのだ。金さえ稼げればそれで御の字なのだ。だから本気で戦おうと

はしていない。人の、と言うよりも日本の褌(ふんどし)で、相撲が取れればそれでよいの

だ。そのため分配は独断で決めている。WBCは米国の一私企業(民間団体)が運営してい

る営利事業なのである。だから公的に国際化するには、そこらへんを直さないと国際化でき

た何ぞとは認められない、と小生は一人憤慨している。


その賭場を運営する組織が、WBCIWBC Inc.、World Baseball classic Incorporated

WBC運営会社と言ったところか)で、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会が共同

で設立した会社で、大会の収益はこの会社が管理し、自社や参加チームに分配する方式

を取っている。2009年の前回大会は約15億円の収益があり、66%の10億円をWBCIが

取り、残りの34%を他の参加チームに分配した。日本は優勝したにも拘わらず、その償金

も含めてわずか13%の2億円しか配分されなかった。これで辛うじて黒字と言われているが、

真実は収支トントンかやや赤字
だったのではないか
と想像される。


だから新井貴浩などが、自分たちが獲得したものなので、せめてスポンサー料グッズの

ライセンス料
だけでも、自分達のものにしたいと言っただけなのである。本来はこの分配率

にまで攻め入りたかったのであろうが。(世の中、何だこれ(WBC不参加、34)、2012.7.31

などを参照願う。)


それにしても今回のWBCの収支勘定はどんなものなのであろうか。先回は優勝できたか

ら、辛うじて黒字だった(?)と言われていたが、今回のWBCは四強どまりであった。だから

分配金は先回よりも相当少ない額となろう。すると赤字となっている筈である。是非とも収

支勘定を公表してもらいたいものである。NPBは相当損をしたのではないかと、他人事なが

ら心配をしている。


こんな事情をもって生まれたWBCである。オリンピックの種目にしようなどと言うことは、

百年早いと言うことであろう。


いやいや、そんな純な考えでは甘い。WBCIは金に貪欲だ。オリンピック委員会を篭絡する

こともやぶさかではない筈だ、金のためならね。IBAF(International Baseball Federation

国際野球連盟)を隠れ蓑にして、WBCと言う営利事業は(IBAFと言う皮をかぶり)半ば国

際化して、虎視眈々と牙をむいている。その一つが「プレミア12」なのであるが、IBAFにも

それなりにアプローチしたのであろう。そうでなければ、WBCに参加したチームで「プレミ

ア12」を戦う何ぞとはならなかったであろう。WBCIは、今後どんな金儲け策を打ち出してく

るか、見物である。


NPBも「侍ジャパン」も、きりっと褌の紐を締めなおしてもらいたい。締めなおす、と言うこと

WBCに参加する意義をしっかりと明確にすると言うことなのである。それは単に「侍ジャ

パン」が参加するだけのことではない、国際化するにはWBCルールまで国際化すると言

うことであり、NPBがそれにどれだけ貢献してゆくか、と言うことなのである。


いくら国際人だからと言って、まあ野球素人の加藤コミッショナーなんぞに主導権を執らせ

るのが、間違いの元であろう。こんなことで良し、としているNPBNPBだと思うよ。国際化

と言う趣旨には賛成出来るが、次のようなこんな話はコミッショナーからNPBに相談があっ

たのかねエー。

 

WBC閉幕とともに露になった実体のないプロ野球国際化計画
夕刊フジ)2013年3月22日(金)17:06


 日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(71)が主導してきた気宇壮大なプロ野

球の国際化プロジェクト
は、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の閉幕とともに

実体のなさがあらわとなった。国際試合に適応するための統一球、NPBの財源となる日

本代表の常設化-。うまくいかないのは、理念先行で現場の人間の視点が欠けているか

らだ。

 加藤コミッショナーは19日(日本時間20日)、米サンフランシスコで会見。米大リーグ機

構(MLB)のバド・セリグコミッショナー(78)と18日(同19日)に会談した際、日本シリーズ

ワールドシリーズの王者が対戦する試合の実現を目指す意向を伝えられたことを明らか

にした。

 この「リアル・ワールド・シリーズ」は加藤コミッショナーの宿願だ。2014年に巨人と阪神

の開幕戦を米国で開催する構想についても、セリグ氏から「実現するなら歓迎するし、支持

すると言われた」と胸を張る。

 米国通として知られた元外務官僚らしく、コミッショナーに就任して以来プロ野球の国際化

にご執心。前回のWBCで選手が公式球に戸惑ったことを受け、11年シーズンからは

WBC球に近い反発力の統一球を導入した。ただ戸惑いの本質は反発力ではなく質感に

あり、今回も多くの投手が適応に苦しんだ。

 それでも加藤コミッショナーは「日本の選手にとってはちょっと滑ったりするが、日本の球

のほうがけがをしにくい。すぐに実現はできないが、日本の球を世界で使ってもらえるよう

にしたい
。もうキューバは使っている」と成果を強調する。

 WBCの出場経験者ですら「選手は生活がかかっている。ボールが変わって人生が台無

しになった選手だっている。4年に1度のWBCに参加する一部の選手のために、普段から

そこまでやる必要があるのか」と疑問の声を上げるが、世界ばかりに目が向く御仁には届

きそうもない


 昨年、WBC出場拒否を表明した選手会に対し、説得材料にしたのが日本代表の常設化

だったが、これも日に日に形骸化している。

 昨秋は監督人事が難航を極め、候補者にさんざん断られたあげく、消去法で山本浩二監督

(66)が就任。結果は大会3連覇を逃した

 加藤コミッショナーは「非常によくやってもらった。感謝と敬意を表したい」と評価したが、

3月末で満了となる契約は更新しない。「常設」をうたいながら、当分の間、代表監督は空席

になる。もちろん、サッカーの代表監督のようにシーズン中の試合を視察することはない。

 「常設日本代表の企画として、どういうゲームをいつやるのかが最初。それにふさわしい

陣容を整える。誰が監督になるかはどういう大会になるかから。まず人を先行して、とは考

えていない」というのが同コミッショナーの説明。つまり、スポンサーが付いてどれだけ稼げ

るか
次第なのだ。侍ジャパンの「強化」という意味合いは薄い。

 今オフに国際試合の開催を想定しているが、監督人事は「秋から考えないといけない。そ

こまでにちょっとした青写真を描かないと」と話すにとどめた。ただ、今後も「山本監督に何

らかの形で協力してもらう」とも話している。続投の可能性を残したことで、今後のつきあい

が大事なメディア側も“山本ジャパン批判キャンペーン”の勢いをそがれた。

 大会の総括もないまま、秋にはまた“なし崩し”で指揮官が決まるとすれば、不幸の連鎖

は続く。国際野球連盟(IBAF)では、15年世界ランク12チームによる新設の国際大

会「プレミア12」
を日本で開催する予定だ。しかしターゲットが秋の国際試合だけなら、長

期的なチームづくりが進むはずもない。

 集合期間の短さは、プエルトリコとの準決勝での重盗失敗でも明らか。代表選手が「パワ

ーや身体能力では勝てない」と再三口にしている通り、個々の能力任せでは日本は勝ち上

がれない。だとすれば代表を常設化してチームの熟成度を高め、戦術や戦略で勝負するし

かないのだが…。

 どれだけコミッショナーが豪華な舞台を用意しようと、プレーするのは選手であり、指揮を

執るのは監督だ。夢をみるのはいいが、もっと現場に寄り添った策を取らない限り、世界一

奪還もまた夢のままである。

http://news.goo.ne.jp/article/fuji/sports/zak20130322017.html

 

どうもこれだけではそこらへんの事情はわからないが、いずれにしてもNPBもどっぷりと噛

んでいかないと、うまくゆく話ではないように思うよ。ただでさえ生き馬の目を抜くMLBのこ

とだ。そんじょそこらの思いつきで話を進めても、MLBの金儲け主義の暴力にはかないま

せん、ぶっ飛ばされるのが落ちと言うもの。次の話を知るにつけ、そんな気を強くする。

(続く)