それに対して日本は、飛び道具の世界に刀なんぞと言う一昔も二昔も前の武器で戦いを挑
んだ、と言うのがこの「侍ジャパン」構想なのだ。これではWBCと言うよりもMLBには勝てっ
こない。名前はかっこよいが「侍ジャパン」をどう使うか、どう運用するか何ぞは、皆目闇の
中のようだからね。名前だけが先走っているが、次の話は一向に値するように感ずるの
だが、どうかねNPBさんよ。
混迷の監督選考、落選した選手…「侍ジャパン」常設化に課題
産経新聞 2013年3月22日(金)11:43
「侍ジャパン」グラウンドコート4万円、キャップ1万500円…日本野球機構(NPB)の公式
オンラインショップには、多数の侍グッズが、並んでいる。強化試合の入場料や放映権料な
ども含め、ビジネス面の波及効果が大きい「侍ジャパン」という存在は、プロ野球の収益で
伸び悩む日本球界にとって、収益を確保できる最後の“切り札”でもある。
スポーツビジネスに詳しい帝京大の大坪正則教授も「普段はあまりナショナリズムを口に
しない日本人だが、スポーツの国別対抗戦となると熱く燃える。侍ジャパンが優良コンテン
ツ(商品)であることは間違いない」と指摘する。
NPBでは日本代表を常設化し、今後は代表に関する専門の事業部局を設置する方針を
固めている。ただ、ビジネス面での期待が膨らむ一方で、肝心の代表チームの強化という
側面でみると、課題もある。その代表例が、混迷を極めた監督選考の手法だった。
◆混迷の監督選考
1年前の東日本大震災復興支援試合はソフトバンクの秋山幸二監督が指揮を執った。当
初は昨年の7月中に監督を決定するとしながら、調整が難航。選考方針でも現役監督か、
監督経験者かで揺れ続け、最後は消去法で山本浩二氏が就任した経緯がある。スポーツ
ジャーナリストの永谷脩氏も「今回は『なぜ山本監督か』という部分が残った。(監督選考の
手法を)明文化すれば、選手も納得すると思う」と監督の選考方法に疑問を呈する。
選手選考の手法では現場から異論があった。33人の候補選手を集めた2月の強化合宿
では、5人を外す形で28人のメンバーを最終決定した。“落選”する形となる代表選考の手
法に、主将の阿部は「あまりいい策ではない」と苦言を呈している。監督、代表選手の今後
の選考手法については、再考の余地があるといえる。
◆アジア版WBC
WBCを終えたばかりの日本代表だが、2年後には新たな国際大会が待ち受ける。国際
野球連盟(IBAF)では4年ごとに開催されるWBCの中間年に「プレミア12」と称する国際
大会を新設。2015年の第1回大会は日本が開催地で、WBC本大会に残った16チーム
から12チームが参加して開催する予定だ。
NPBとしても代表の常設化を機に、今後は年2試合程度の国際親善試合を予定してい
るが、大坪教授は「少ない親善試合でどれだけファンにアピールできるかは疑問。もっと大
規模な展開を仕掛けないとスポンサーの確保は難しい」として、韓国、台湾などを巻き込
んだ“アジア版WBC”の創設を提言する。
次世代の侍ジャパンを育て、強くすることは、ひいてはプロ野球の発展にも寄与すること
にもなる。そのためには、侍ジャパンを熟成させるための支援態勢や、さまざまな仕掛けも
必要だ。WBCの王者から「挑戦者」となった侍ジャパンにとって、今後やるべきことは多い。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/sports/snk20130322544.html
この「アジア版WBC」は魅力的な企画だ。特別な場を設けて韓国、台湾などとの試合を設
けるのではなくて、「セ・パ交流戦」のようにアジア交流戦をペナントレースの中に組み入れ
ればよいのではないか、と思うのである。そうすれば、変な調整なんぞは要らなくなる。しか
し相当な工夫が必要となろう。これが出来れば文字通りの「アジア版WBC」に設立も夢で
はなくなるし、これを拡大して「真のWBC」に持ってゆく努力をすればよい。
いずれにしても、MLBだけが太るのではやりきれないし、真の国際化なんぞは夢のまた夢
なのである。そうでなければ日本はWBCは、新人育成の場くらいに考えて、二軍を常に参
加させるぐらいの覚悟が求められる。もともとMLBの開帳した賭場なのだから、いわゆる
真の国際化なんぞはもともと念頭にはない。あるのは「金儲け」の国際化だけである。これ
がMLBの国際化なのである。
このことを我々は常に念頭において、WBCを見ておかないと酷い目にあう。だから欲を出して
オリンピックなんぞと言うことは、不可能に近いと言うよりも「ありえない」のである。
ちなみに「WBC2013」の参加国を次に列挙してみる。
先ず「予選ラウンド」参加国(16カ国)と1次ラウンド進出国
(1)フロリダ会場('12/9/19~23) スペイン、フランス、イスラエル、南アフリカ→スペインが
勝利
(2)ドイツ会場('12/9/20~24) カナダ、チェコ、ドイツ、イギリス→カナダが勝利
(3)パナマ会場('12/11/15~19) ブラジル、コロンビア、ニカラグア、パナマ→ブラジルが勝利
(4)台湾会場('12/11/15~18)ニュージーランド、フィリピン、タイ、チャイニーズタイペイ→台湾
が勝利
この4カ国に、予選免除の次の12カ国が参加して、
1次ラウンド→2次ラウンド→決勝ラウンド と進むのである。
次に「1次ラウンド」参加国と「2次ラウンド」進出国
(5)日本会場(3/2~6) 日本、中国、キューバ、ブラジル→日本、キューバ
(6)台湾会場(3/2~5) 韓国、オランダ、オーストラリア、台湾(チャイニーズタイペイ)→オラ
ンダ、台湾
(7)P・リコ会場(3/~10)ベネズエラ、プエルト・リコ、ドミノカ共和国、スペイン→P・リコ、ドミニ
カ共和国
(8)アリゾナ会場(3/7~10) USA、メキシコ、イタリア、カナダ→USA、イタリア
このアリゾナ会場は、なんとなくUSAに有利な組み合わせと思いませんか。
次に「2次ラウンド」進出国と「決勝ラウンド」進出国
(9) 東京会場(3/8~12) 日本、キューバ、オランダ、台湾→日本、オランダ
(10)マイアミ会場(3/12~16) P・リコ、ドミニカ共和国、USA、イタリア→P・リコ、ドミニカ共
和国
次に「決勝ラウンド」と優勝国(3/1719)
(11)サンフランシスコAT&Tパーク(準決勝戦)
P・リコ、日本、オランダ、ドミニカ共和国→P・リコ、ドミニカ共和国
(12)サンフランシスAT&Tパーク(決勝戦)
P・リコ、 ドミニカ共和国→ドミニカ共和国(優勝国)
といったところがWBC2013の結果である。頭が覚めたところで、一寸古いが2009年の次
の記事を読んで頂きたい。
(続く)