尖閣諸島問題その3(7)

さてこのブログも、5/17のNO.6で中断していた。例の「慰安婦の強制連行は無かった」との

橋下市長の正しい発言に対するバッシングがあったからから、そちらを取り扱ったためだ

が、今日からこの尖閣のテーマに戻ろう。


こんなことをしなくても、尖閣諸島は明らかに日本の固有の領土なのだが、侵略国家中国

は、あろうことか国連総会で2012年9月27日演説し、「尖閣諸島を日本が中国から盗ん

」などと嘘八百を吹聴した。ここで注意しておきたいのは、中国が「カイロ宣言」と「ポツダ

ム宣言
」を根拠に、尖閣諸島は中国のものだと言っていることだ。この「宣言」については

後ほど触れたい。頭においてほしいことは、この「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」では尖閣

諸島や南西諸島のことには何も言及されていないと言うことである。それどころか1950年

代の中国政府の機関紙「人民日報」では、尖閣諸島は沖縄に属し、沖縄県は日本の固有

の領土だと言っていたのである。


もう一度言う。日本は1895年1月に閣議にて無主の地である尖閣諸島沖縄県に編入した

のであり、それまで10年間に渡ってそのことを確認している。中国の言う日清戦争のドサク

サに紛れて獲られてしまったと言う1895年4月の日清講和条約とは時期もずれてお

り、更にはその条約では尖閣諸島への言及はなく、言及されていたのは「台湾」と「澎湖

諸島
」だけである。


だから中国の言うことは全くの虚偽であり、中国の得意とするプロパガンダの一環である。

日本は「ヒストリー」で反撃しなければならない。ヒストリーとは歴史的事実のことである。


さて「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」に言及する前に、世界は無政府だと言うことをお話し

よう。

 

【5】 世界は無政府、強いものだけが勝つ。
   「日本はパラダイムシフトできるか。」

 

このようなあくどい偽善話国連と言う公の場でプロパガンダしても、なぜ誰も中国を罰し

ない
のであろうか。頼みとするアメリカも、キッシンジャー文書と言うものがありながら、中国

に対して何も抗議していない。更には先にも言及したように、アメリカ尖閣諸島久場島

大正島の二島を訓練場で日本から提供されていながら、尖閣諸島の帰属のありかについ

て「中立の立場」だ。だからこれほど無責任な話があるか。


だからアメリカは尖閣諸島は守ると常に言っているが、本当に日本を守ってくれるのであろ

うか。怪しいものだ。だから日本は、自分で自分の国を守ることのできる国に、至急しなけ

ればならないのだ。


なんと言っても、世界は無政府なのだから。無政府でなければ、中国のこの虚偽である国

連演説に対して、懲らしめてもらわなければならない。しかしそんなことは一切ない。強いも

のが強いのだ。

二つ目の指摘は、このこと、世界は無政府だと言うことである。


だから中国が国連の場でこんなプロパガンダができるのだ。


世の中が無政府であると言うことは、以前にも当ブログで小生が説明している。


それは当ブログの2009.2.24~3.9 の「バラク・フセインオバマ大統領(24)~(32)」で

米国は本当に頼れるか。」として、そのことを述べているので、既にご承知のこととは思

うが、大切なことなので今一度それを載せよう。是非熟読願う。


以下は小生のブログ「バラク・フセインオバマ大統領(24)~(32)」で2009.2.24~3.9

掲載したものである。


http://poseidon.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/02/ ~)

2009年初めの論考であるので、その後の世界情勢は反映されていないが、状況はこのと

き以上にパラダイム・シフトが急務になっている。

 

●日本は第4のパラダイムシフトが出来るか?


http://poseidon.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/02/ ~より転載)
 

 

【7】米国は本当に頼れるか。

 


パラダイムParadigm
と言う言葉がある。「規範」とか「模範」と言った意味の言葉である

が、一般的には、「認識」とか「常識」及び「認識の仕方」と言った意味合いに良く使われて

いる。地球の周りを太陽が回っている「天動説」と言う考え方(パラダイム)が、地球が回っ

ていると言う「地動説」と言う考え方(パラダイム)に変わったことは、我々は良く知ってい

る。「パラダイム・シフト」とは、このように「ものの考え方」「認識の仕方」が、非連続的に、

劇的に変化(シフト)することを言う。


このようなパラダイム・シフトが、日本外交のこの150年間には3回あったという。文芸春秋

社の雑誌「諸君」
(2009年)3月号の「米国の核頼みの日本は、十五年で中国の属国だ」で、

国際政治アナリストの伊藤 貫氏が述べている。米国が日本についてどのように考えてい

るか、非常にショッキングな事実を述べているので、是非紹介したい。


(1)3回のパラダイム・シフト


先ずその3回のパラダイム・シフトを紹介しよう。


第1回
は、言うまでも無く「明治維新パラダイムである。ここでは明治維新とは言わずに、

富国強兵パラダイムと言っている。パラダイムはものの考え方である、と言っているの

で、明治維新はその結果であってものの考え方ではないので、表現としては適当ではな

い。判りやすくするために小生が使ったものであることをご承知おき願いたい。


徳川時代鎖国政策を捨てて、西欧列強に対抗できる経済力軍事力を獲得しようと試

みた「富国強兵」パラダイムである、と言っている。この政策は大成功で日清・日露の戦役

を経て、前回のブログ「日本は侵略国家ではありません。'08.12.19~での「田母神論文」の

第11節の解説で述べているように、第1次世界大戦のパリ講和会議では五大国の一員

して参加するまでになっている。ここら辺の事情は、小生のブログ「ヨーロッパと

日本
'08.10.3~の全般や特に第17章と第18章にも詳しく述べられている。この富国強兵

パラダイムの実現は、明治期の日本人が、「坂の上の雲」を目指して、大奮闘してくれたお

蔭である。

(続く)