尖閣諸島問題その3(26)

この論考では、夫々四つの資料(典拠1~4)を上げながら、中国政府そのものが「”尖閣

諸島”は日本領だ」と中国人民に宣言しているのである。

 


典拠の第1
が、1953.1.8中国共産党の機関紙「人民日報」の人民への教育欄である「

料欄
」で、「米軍の占領に反対する琉球群島の人達の闘争を支援する」として、琉球群島を

解説している。


琉球群島
は我が国・台湾東北と日本の九州西南の海面上に散在しており、尖閣諸島、先

島諸島、大東諸島沖縄諸島、大島諸島、トカラ諸島、大隅諸島等を含む、七組の島嶼

(とうしょ)
から成る。



と説明しているのである。明らかに尖閣諸島を含む琉球群島は日本領と断定しているので

ある。

 


典拠の第2
が、1958.3.26の「人民日報」の「無恥なる捏造」という見出しの社説で、沖縄に

米軍が駐留することに反対するとして、「
中国が琉球群島に対する領土主権を絶対に放棄

しないという情報は、アメリカ人が捏造したデマである
」として、「琉球群島と小笠原群島を

含めたこれらの島嶼(とうしょ)に関して、過去におけるいかなる国際協定の中においても


日本に所属しないと規定したことは一度もない」、つまり「これらの島嶼は完全に日本のも

のだ
」という趣旨の周恩来の声明を載せているのだ。

 

典拠の第3が、1961.6.22日本共産党国会議員訪中代表団(団長:志賀義雄)が中国側

と会談した際、毛沢東沖縄県を日本の領土と認める発言をしているのである。


それは・・・・・、

中国人民は日本人民が米軍の日本からの撤去を要求していることを支持し、米国が日本

の軍事基地を撤去させ、沖縄と小笠原群島を日本が取り戻し、日本の独立と民主と和平と

中立を闘い取る正義の闘争を支持する。

・・・・・と言うものである。

 

典拠の第4は、1972.5.15沖縄返還の日)に沖縄は日本の県であると言う記事を、中国

は流していたのである。それを2009.5.14付の「中央政府門戸網站」という中国中央政府

ウェブサイトが紹介しているのである。

 

毛沢東周恩来も、琉球諸島尖閣諸島は日本のものであるとの発言をし、中国政府

のWebサイトでも、その様に説明しているのである。これは重要なことである。

 

もともと光明盛大(公明正大)に「尖閣諸島」が日本領であるので、中国政府も「尖閣諸島

が日本領であることを認めていた訳であるが、おさらいの意味でも、それらの諸事実を年表

にまとめてみよう。年表に上げた項目は、夫々遠藤誉氏の次の論考から抽出しているの

で、項目文の冒頭に付けられた記号a,b,cが、その項目が掲載されている論考を示している。

なお、尖閣諸島がどのような経過で日本固有の領土となったかは、小生のブログ尖閣

島問題その2(55~56),2012.9.30~10.1
」などを参照願う。また米国も沖縄を日本に返

還する際に、キッシンジャー文書なるものを作成して、尖閣諸島が日本のものなのか検証

していた。そのため米国は「尖閣諸島」が明らかに日本領であることの検証が出来たので、

尖閣を含む沖縄を正々堂々と日本に返還しているのである。これも「尖閣諸島問題その

2(31~32),2012.8.28~29
」を参照いただければ有り難い。

 

a 中国共産党も知っていた、蒋介石が「尖閣領有を断った」事実-2013.2.14
 

b   「人民日報」が断言していた「尖閣諸島は日本のもの」-2013.2.22
 

c   中国の「沖縄領有権論議」は本気なのか?-2013.5.22

 

18950114  b明治政府尖閣諸島を日本領と閣議決定沖縄県に編入
 

18950417  a日清戦争、日清講和条約調 

19140000  a第一次世界大戦開始
 

19431123  aカイロ密談ルーズベルト蒋介石に、琉球群島をくれてやると提案。
 

19431125  aカイロ密談、2回目、蒋介石断る。
 

19431201  aカイロ宣言表明、中華民国へは満州・台湾・澎湖諸島を返還すること。
 

19440417  ~1944.12.10、日本一号作戦遂行(大陸打通作戦)、蒋介石にかなりの痛手

         となる。

1945.4.12    ルーズベルト病死、副大統領のトルーマンが大統領を引き継ぐ。

19450600  b米軍は沖縄を占領する。

19450726  aポツダム宣言カイロ宣言←カイロ密談、返還される領土には琉球群島は

含まない。

19491001  a中華人民共和国成立

19500625  b朝鮮戦争始まる。

19510815  b周恩来発言
琉球群島は日本から脱離すると規定したことは一度もない典拠2

19510815  bサンフランシスコ平和条約に関し、周恩来発言。上記参照のこと。(典拠2

19520428  cサンフランシスコ平和条約が発効する。調印は1951.9.8です。

19530108  b人民日報資料欄尖閣諸島琉球群島→日本典拠1

19570000  b廖承志訪日、函館で沖縄返還の挨拶。中国赤十字団副団長として。


19580326
  b人民日報社無恥なる捏造=琉球の主権を中国が持つと米国が虚偽の
         報道。 
          これに対しての反論がこの社説だ。
         更には1951年の周恩来発言まで引用している。典拠2

19581100  b出版の世界地図集、琉球群島


19610622
  b日本共産党訪中団、毛沢東に会う。『沖縄は日本の県である。典拠3

19681100  bECAFE調査、尖閣諸島近辺に石油資源埋蔵報告

19691100  b日米沖縄返還共同声明

19700200  b在米台湾留学生が、『琉球は台湾の領土』とデモをする。

19711000  ab中国国連加入、台湾脱退。一つの中国

19711200  b中国、釣魚島は中国のもの、と公式に主張

19720515  bc沖縄、日本に返還される。(典拠4

19910000  cソ連崩壊

19920225  c中国、領海法制定尖閣諸島の領有を宣言する。

20001225  b中国人代網、沖縄は日本領土。

20080116  a中国雑誌各界より転載、蒋介石後悔、共産党新聞網・新華網


20090514
   b中央政府門戸網帖に沖縄返還19720515の記事が載る。典拠4

         「沖縄は琉球と呼ばれ日本の一つの県で、米軍の軍事基地となっている。」

20100000  b中国ネット言論、周恩来発言を引き出す。反日デモ

20100406  b人民日報記事(1953.1.8 尖閣日本領)が、ネットで話題。

20100528  b中華人民共和国国史網に、毛沢東の声明文が載る。沖縄は日本領。

        「米国に占領された沖縄・小笠原は日本に返還されるべきだ。」(典拠3

20100907  b中国漁船衝突事件

20100915  b人民日報記事(1953.1.8  尖閣日本領)に関する次の書き込み現れる。

20120817  b人民日報記事1953.1.8 尖閣日本領)に関する話題が再燃する。

         新浪微博、五星紅旗や晴天白日旗は、人民日報の総本社に建てよ。

20120824  a中国人権双週刊で胡平が、蒋介石後悔を評論

                   新浪微博で「中国政府は尖閣諸島を日本領と認めていた」との発言あり。


20120927
  a楊潔篪国連演説尖閣は日本が盗んだ

20130401  c沖縄民族独立学会設立委員会のメディア発信開始、

          CCTVでも沖縄抗議活動を報道している。

20130508  c米韓首脳会談、人民日報論文「馬関と尖閣を論じる」を掲載。

20130510  c新華網が「カイロ密談」を再度報ずる。

20130511  c環球時報の「環球網」が社説、「政府は立場を変える準備?

20130515  c「沖縄民族独立」総合研究学会創設報道

20130516  c環球網が、沖縄民族独立を支持するとの社説を掲載する。政府見解だ。

(続く)