事実誤認と勉強不足の鳩山発言に非難相次ぐ
2013.6.28 22:44
北京市内で開かれた経済フォーラムで講演する鳩山元首相=28日(共同)
鳩山由紀夫元首相の尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる発言に対し、政府からは28日、
「国益を著しく損なう」(岸田文雄外相)と非難の声が相次いだ。鳩山氏は「もっと勉強してい
ただきたい」と政府側を批判するが、発言内容を検証すると、逆に鳩山氏側の事実誤認や
勉強不足が浮かび上がってくる。
中国訪問中の鳩山氏は28日、北京の人民大会堂で中国の李克強首相と会談。中国政
府系シンクタンク主催の経済フォーラム出席者の一人としての面会だが、李氏が日本の政
界関係者と会ったのは3月の首相就任後初めてとみられる。
鳩山氏は今月24日に香港のフェニックステレビのインタビューに応じ、日本が降伏に当た
って受諾したポツダム宣言(1945年)に「台湾及澎湖島のごとき日本国が清国人より略取
したる一切の地域を返還」するとしたカイロ宣言(43年)の履行が盛り込まれているとし
て、「(尖閣は)中国側から見れば盗んだと思われても仕方がない」と主張した。
尖閣の日本編入について鳩山氏は「1895年に日清戦争の末期にそっと日本のものにし
てしまった」とも指摘。しかし、日本政府は1885年から現地調査を行い、清国の支配が及
んでいる痕跡がないと確認した上で1895年に編入を閣議決定しており、清国から盗んだ
事実はない。
そもそも戦後の日本の領土を法的に確定させたのは1952年発効のサンフランシスコ講
和条約であり、条約でもないカイロ宣言は「法的効果を持ち得るものではない」(外務省)と
いうのが日本政府の立場だ。かつて首相を務めた鳩山氏だが、カイロ宣言を根拠とする論
理は政府見解を大きく逸脱している。
鳩山氏は尖閣の領有権をめぐる「棚上げ」合意が存在する根拠として、野中広務元官房
長官が田中角栄元首相から「聞いた」とする伝聞を引用。裏付ける文書がないにもかかわ
らず「これは歴史的事実だ」と決めつけた。
さらに、97年に日中両政府が締結した漁業協定について「お互いの漁船は自分たちで処
理しましょうと取り決められた」と指摘し、2010年の中国漁船衝突事件での中国人船長逮
捕を批判した。ただ、日本の外務省は、協定の対象は排他的経済水域(EEZ)のみであ
り、中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした領海は含まれないとしている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130628/plc13062822460018-n1.htm
まあさすがこの鳩山の言動に対して民主党の海江田もあきれ返っていた。
鳩山発言「立場をわきまえて」、海江田氏が苦言
2013.6.28 16:06 [鳩山由紀夫氏]
民主党の海江田万里代表は28日、香港のテレビ局の取材に尖閣諸島(沖縄県石垣市)
の領有権を主張する中国に理解を示す発言をした鳩山由紀夫元首相について、「今は民
主党を離れて1人の民間人だが、首相を経験したという立場もある。よくその立場をわきま
えた発言をお願いしたい」と苦言を呈した。
また、「もちろんこれは民主党の考え方ではない。民主党の主張とは大きく異なる」とも強
調した。都内で記者団の質問に答えた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130628/stt13062816070001-n1.htm
この記事によると、鳩山由紀夫は次の点で間違っているとしている。
(1) 鳩山は、日清戦争で(日本が勝ったので)尖閣諸島を日本領に編入してしまった、と言っ
ている。これは完全な間違いである。
→参照のこと。1884年(M17年)福岡の古賀辰四郎が尖閣諸島に渡り、羽毛、べっ甲など
の採取を始めている。そして古賀辰四郎は日本政府に対して、尖閣諸島の貸与を申請し
許可されている。日本政府はこれらの事を含み、10年間無主の地であることを確認して、
1895.1.14に閣議決定して日本領に編入したのである。
日清戦争(1894.7.25~1895.4.17)で盗み取ったものではない。
(2) そして頓馬の鳩山は、「カイロ宣言」の「日本は一切の地域を返還する」とした地域には
尖閣諸島は含まれているとして、その宣言が「ポツダム宣言」に盛り込まれているので、
(尖閣諸島を日本領としたことは)中国にすれば盗まれたと思っている筈である、と言った。
これなどは鳩山の痴呆状態の現れである。何もご存じない。
→カイロ宣言にもポツダム宣言にも、琉球群島(含む尖閣諸島)は含まれていない。蒋介石
とルーズベルトのカイロ密談で、それは明らかである。(2013.6.19、NO.19以降を参照の
こと。) 尚、これが本ブログのメインテーマである。
そして2013.6.24のNO.22以降の[11]章では、中国政府も尖閣諸島(琉球群島)が日本領
であることを、中国人民に盛んに伝えていたのである。
(3) 更には、野中広務元官房長官が「棚上げ」合意があったと田中角栄元首相から聞いた、
とする伝聞で、尖閣領有権の棚上げが合意されているとした。
→中国は勝手に「棚上げ」したと勘違いしていたかもしれないが、日本側としてはそのこと
には同意していない。(4)以降に載せている「尖閣棚上げ合意なかった」の記事を参照願
う。仮にそんな話があったとしても、中国側からこの「棚上げ」を破棄しているのである。中
国は1991年にソ連が崩壊したことを受け北からの脅威が薄れたと見て、翌年の1992.2.25に
領海法を制定し、尖閣諸島の領有を宣言したのである。このように中国は自分に都合のよ
いように何事も曲解して、ごり押ししてくるのである。中国自ら「棚上げ」を放棄したのであ
る。日本は何もこんな言動に騙されることはない。
(4) また、日中漁業協定(1997年)では「中国漁船は中国が処罰する」とされている、とし
て2010年の中国漁船船長逮捕は間違っていると批判している。
→この協定においては、日本のEEZ(排他的経済水域)内では日本は他国の漁船の拿捕
を含む必要な措置をとることが出来ることになっているが、尖閣諸島の北方に設けた暫定
措置水域では、お互いに自国漁船に対してのみ取り締まることが出来るとしている。しかし
これはあくまでもEEZ内でのことであり、領海内でのことではない。日本の領海内では当
然中国漁船の取り締まりは出来て当然のことであり、中国船(長)の拿捕や逮捕は実施で
きるのである。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E4%B8%AD%E6%BC%81%E6%A5%AD%E5%8D%94%E5%AE%9A)
この点、鳩山は完全に間違った解釈をしている。こいつは完全に中国の軍門に下ってしま
っている。本人もさることながら美幸夫人が、中国の工作員に篭絡されてしまったのかもし
れない。だから鳩山はあえて中国よりの言動を取っているのであろうか。
(続く)