尖閣諸島問題その3(39)

五、善を求めて悪を得る 中国は今後十年、平和であり得るか

  中国の近代化の進展過程をぶち切り、中国人から発展権を奪うため、列強は山ほど切

札を切れる。最も明かな三枚の切札 が「三島」だ。そのうち台湾札が最も有効である。台湾

海峡の戦いは何時勃発するか。その決定権は中国の手のうちにはなく、台独分子の手にも

なく、米日が握る。もし台湾海峡の戦いが始れば、それは単なる統一の戦いに留らない。

更に深層的には米日が中国人から発展権を剥奪し、再び中国の近代化の進展遮断を決意

したことを示す。正しく歴史上の甲午の戦い (日清戦争) や全面的な中国侵略により日本

が行ったのは、領土や賠償金の獲得だけでなく、もっと本質的には中国の近代化過程をぶ

ち切って中国人の発展権を奪うものだったが、同じ事態が再現するのである。


  そこで我々は戦略決戦の高みから台湾海峡戦争を取扱わねばならない。我々の現在の

武力水準では、米日にとって戦略決戦ではない。特に米国にとっては。なぜなら、中国には

大陸間弾道ミサイルが少なく(尠く)、米国は既に本土ミサイル防衛 NMD を発展させる決意を固

めたからだ。


  台湾海峡戦争勃発の引延しを阻止するには、先ず台湾海峡の戦いを「対称戦略決戦」レ

ベルに引上げ、共倒れの段階に持込まねばならない。我々が台湾海峡の戦いに勝てない

と、結末は甲午戦争敗戦時より悲惨なものとなる。だから戦わずば万事お終い、
戦わば

日本を完全破滅させ、米国を半身不隨にせねばならぬ。これは核戦力だけが出来る任務

である。


  善を求めて悪を得る、これが、我々現下の政策の最終結末である。悪を求めて善を得る、

つまり日本を全面的に壊滅し、米国を不具に陥れる能力を備えて初めて平和が勝取れる

のだ
。こうしない限り、台湾問題で10年も経たぬうちに必ず大戦が起きる!

090515(38)

六、覇権は大国の本質的特徴

  何を以て大国というか。覇権保持者が大国だ。覇権がないと分割され、運命 (発展権を

含む) を他者に支配される木偶
(筆者注、もくぐう、木の人形)化す。覇権は今のような戦国時

代に於ては客観的存在で、「他者の意志に依らずに方向転換するもの」だ。問題は、それ

をはっきり意識するのか、主動的に追求するのか、それとも受動的に向こうから近づいて来

るかの差に過ぎない。三島問題、戦略産業発展問題、国内各階層の利益調整問題を含む

中国の一切の問題は、最終的には中華民族による覇権争奪問題である。


  覇権を争うためには内紛の停止、安定と団結が必要だ。英国は海外殖民地の巨大利

により、早々と「労働者階級の貴族化」が実現した。日本は中国から巨額の賠償金と市場

を取って上層ばかりか下層階級にまで巨大な利益を齎した。
(筆者注、日本が中国の内戦に引っ

張り込まれなければ、もっと発展していた。中国共産党のために、日本の発展は大分遅らされてしまった。)

時代は変り国情も違ってきたが、実質に変りはない。我々は覇権の視角で軍事外交問題

扱うだけでなく、更に覇権の視角で内部の階層・階級利益の調整問題も見なければなら

ぬ。本国の下層を圧迫搾取するだけの上層エリート階級は、この戦国時代に於て民族の利益

を代表出來ない。彼らは腐敗・墮落した意氣地なしであり、圧迫され、消滅する存在だ。成

熟し知恵のある上層であって初めて民族利益を代表できる。つまり対内的には「譲歩政策」

を実行して下層を指導し、共同で海外から利益を獲得出來るのだ (この問題は複雑につ

き、後日詳述する。中国は巨大な海外利益を持つが、まだ積極的主動的に開発に乗出して

いないだけだ) 。


  →伊原コメント:

  「覇権を争う者は他の覇権の台頭を抑えようとする」という国際政治の力学の基本認識

で徹底する点は "爽快" な程。


  だから反撃力を持て、というのが妥當な結論。

  日本はこの認識を欠くので独立を守れない。

  だが遲浩田は飛躍して、隣国日本の殲滅・覇権国 アメリカ の 半身不隨化を説く


  恐るべき独断と独善、被害妄想。自分の努力不足を棚に上げ、一方的に相手が悪いとし

て復讐のための軍拡に逸る。
「狂人に刃物」の中国軍とその指導者!


  彼らはを持ち、運搬手段を持ち、宇宙まで征服しようとしている。

 
「皆殺し」の対象にされた日本は、反撃力を持つべきである。


  シナの闇の深さは、ニヒリズムと恐怖政治・同志粛清政治を生んだ ロシヤを遙に凌駕する!

http://jas21.com/athenaeum/athenaeum98.htm

 

将に伊原吉之助教のコメントの通りである。中国は、特に中国人民解放軍は、日本を殲

滅する意図を持っている。そのために日本に向けた中・長距離弾道ミサイルに核弾頭をつ

んで、常時配備している。一旦事あれば、と中国が判断すれば、必ずや核弾頭を積んだ弾

道弾を日本各地に向けて発射してくる。日本はまるで無防備だ。こんなことでよいのか。

良いはずはない。中国の核弾頭ミサイルは200発以上と言う。少なくとも日本にミサイルを

撃ち込めば、「中南海は火の海になる」かも知れないと言う恐れを感じさせるだけの国防を

日本は備えておかなければならない。それには憲法9条は邪魔だ。早々に破棄しなければ

ならない。あの憲法前文も、当然破棄だ。


平和ボケの日本人は、この遅浩田の「戦争が正に我々に向ってやって来る」話なんぞは、

露とも知らないだろう。麻生首相はこのことを声高に、日本国民に知らしめなければなら

ない。そして「靖国神社」に公式参拝して、日本は中国の意のままにはならない、と言う決意

を示さなければならない。靖国神社への参拝は、それだから、必要なのである。


筆者がこの「尖閣諸島問題」と言うブログで、核武装の必要性を必死に叫んでいる意味を、

賢明な読者はご理解頂けた事であろう。


中国の調査船がまた尖閣諸島の日本の領海を侵犯したか、だけではいけないのである。

この中国調査船の徘徊は、潜水艦が支障なく航行できるための海底のデータと、米国や

日本の潜水艦や艦船の航行を妨げるための機雷設置のためのデータ取りなのである。

また調査船が来たか、で済まされる問題ではないのである。さらには、日中中間線での中

国のガス田開発は、軍用ヘリコプター基地や軍艦への補給基地の役割、さらにはミサイル

の発射基地の役割も兼ねた軍事基地としての利用を実施していることも忘れてはいけな

い。麻生首相はこのことを、どう考えているのか。はたまた民主党の岡田はどう考えている

のか。鳩山は中国べったりのため、こんなことには知らぬ存ぜずの態度をとっている。日経

BPが実施したアンケートを見れば明らかだ。
090516(39)  ここで遅浩田演説関係の引用は終わる。

 

 

遅浩田の言っていることは、中国が発展するためには日本を殲滅して、米国を半身不随

しなければ成り立たない、と言うことである。しかもその手段には、核戦力しかないとも言っ

ている。これは誠に恐ろしいことである。


これは2003年まで、中共中央軍事委員会副主席兼国防部長(大臣)の重責を担っていた

中国政府の要人だった者の発言である。


だから帝塚山大学名誉教授・伊原吉之助氏も、次のようにコメントしている。


  恐るべき独断と独善、被害妄想。自分の努力不足を棚に上げ、一方的に相手が悪いとし

て復讐のための軍拡に逸る。
「狂人に刃物」の中国軍とその指導者!


  彼らはを持ち、運搬手段を持ち、宇宙まで征服しようとしている。

 
「皆殺し」の対象にされた日本は、反撃力を持つべきである。


  シナの闇の深さは、ニヒリズムと恐怖政治・同志粛清政治を生んだ ロシヤを遙に凌駕する!

 


将に「狂人に刃物」だ、否「狂人に核」なのだ。だから恐ろしいのだ。少なくとも日本は「座し

て死を待つ」ような愚かなことはしてほしくはないのだ。


だから、中国による「皆殺し」の対象にされてしまった日本は、絶対に反撃力を持つべきな

のである。判ってくれましたか、宮崎駿監督さん、スタジオジブリの皆さん!皆さんの言っ

ている「憲法改正反対」などの表明は、全く「トンチンカン」な主張なのです。単なる主張なら

よいのですが、皆さんの置かれた立場からすると、その主張が日本を滅亡に導くことにつ

ながる可能性が非常に高いのです。


いくら日本が平和を真剣に希求しても、他国、特に
中国がそれを許さないのです。

(続く)