(10)竹島は日本固有の領土である。これが証拠だ。
この件については、既に2007.11.5~11.11の期間に、「竹島は、明らかに、日本領」という小
生のブログでその証拠を明確に述べている。全体像はそちらを参照願いたいが、ここでは、
朝鮮・韓国の言う竹島は韓国のものだの根拠の間違いを、もう少し簡潔に述べてみたい。
韓国側の言い分はこうだ。これは「正論」の2006/7月号の「『竹島問題』の本質がわかってい
ない日本政府」(下條正男氏)より引用している。
(注)干は芋の草かんむりをとった字を意味(代用)している。”う”と読んでほしい。
『13世紀に成立した三国史記の512年条に、干(ウ)山国(鬱陵島)が新羅に併合された記
事があるからだという。その時、鬱陵島の属島であり独島は、当然、韓国領になっていたと言
うのである。
だがそれを歴史の事実とするためには、文献批判が不可欠である。
この場合、「三国史記」だけでなく、韓国側が竹島を鬱陵島の属島としてきた「東国文献備
考」についても、文献批判は必要である。』
とこの「正論'06/7月号」には書かれているが、以後この「東国文献備考」の説明が続くのであ
るが、どのような内容なのか、小生が掻い摘んで取りまとめてみよう。
(1)韓国側は「東国文献備考」の分注『輿地誌に云う、欝陵干(う)山皆干山国の地、干山は
即ち倭の松島なり。』により、干(う)山国を鬱陵島、干(う)山を竹島(和名松島)とし、鬱陵島
も竹島も干山国の地だとしている。干(う)山を鬱陵の属島としている。
ここからは、(a)輿地誌にはどのように記載されていたのか、と(b)鬱陵島に属島があったの
か、の2つの検証が必要となる。
(2)先ず(a)項、「東国文献備考」の『輿地誌に云う・・・』は、底本となっている『彊界誌』から
の引用であり、そこには
『輿地誌に云う。一説に干山欝陵本一島』(←「彊界誌」)とあり、文註の引用と明らかに異
なる。
『輿地誌に云う、欝陵干(う)山皆干山国の地、干山は即ち倭の松島なり。』←「東国文献備考
文註」
明らかに文章が異なっている。
(3)両文献の成立年代は
「東国文献備考」は1770年に編纂されている。 これに対して
「彊界誌」は1756年に成立している。
「彊界誌」のほうが先に成立している。ということは、
「彊界誌」の『輿地誌に云う。一説に干山欝陵本一島』が正しい表現である。
東国文献備考の表現は、編纂過程で輿地誌の内容が改竄されていたのである。
(4)『輿地誌に云う。一説に干山欝陵本一島』の解釈は、次のようになる。
→ 干山も欝陵も、もともと同じ島である、と言っているのである。
だから「東国文献備考」の分注の干(う)山を竹島(和名松島)としているのは、改鼠されたも
のである。干(う)山は竹島ではない。
「東国文献備考」の分注⇒干(う)山≠欝陵、
干(う)山=竹島(和名松島)
干山国(韓国領)=欝陵+干(う)山としている。→これは×
「彊界誌」 ⇒干(う)山=欝陵≠竹島(和名松島)→これは○
だから韓国側が竹島(独島)は韓国の領土としている根拠は、崩れ去っているのである。
(5)さて(b)鬱陵島に属島があったのか。
韓国側が根拠としている13世紀に成立した『三国史記』を見てみよう。
『三国史記』の512年条に、干山国(鬱陵島)が新羅に併合された、とある。だから鬱陵島の
属島である竹島も512年に韓国領となったのだ、と言っている。
(6)しかし『三国史記』には、鬱陵島に属島があるとの表現は無い。干山国の境界は「地方一
百里」とされ、属島があればそれが存在するとの表現があるはずであるがそれは無い。「地
方一百里」とは、鬱陵島そのものをさしているだけである。
しかし韓国側は、15世紀に成立した「世相実録地理志」「東国輿地勝覧」に記された干山
島を、あくまで竹島と主張して鬱陵島に属島があったとしている。
(7)本当にそうであろうか。両書が典拠としている「太宗実録」を検証する必要がある。
「太宗実録」では干山島には、「十五戸、男女併せて八十六人、畑あり。」としている。
岩礁に過ぎない竹島には、耕地も人の住める場所もない。
ということは、干山島は竹島ではなかったのである。
ここでも韓国の言う根拠は、崩れ去るのである。
(8)1880年日本軍艦天城が欝陵島を調査、「松島」を欝陵島とし、竹島は竹嶼と報告し「無
主の地」となっていた。
更に、1882年、朝鮮高宗の命を受け検察使が欝陵島を調査したが、竹島には気づいてい
ない。
更に、1900年に朝鮮視察官が鬱陵島の実態調査をしたが、竹島には行っていない。
(9)1889年刊行の『大韓地誌』では、韓国の極東は『東経130度35分』としているが、
竹島は『東経131度55分』で竹島は韓国の極東から1度以上外れている。
明らかに朝鮮政府は、竹島は韓国領と見ていなかったのである。
(続く)