(15)朴槿恵、「告げ口外交」
そんな朴槿恵は2013.5.5~10に訪米している。そしてオバマに散々日本の悪口を吹聴している。
「朴槿恵大統領の訪米」―その成果―
笹川陽平 2013年06月07日 08:18
http://blogos.com/article/63786/
竹島や従軍慰安婦問題で兎角ぎくしゃくする日韓関係。韓国の李明博前大統領の竹島上
陸以来、急速に両国関係は悪化しており、今年は伝統ある両国の議員交流も中止になった。
私は海外滞在中で、朴大統領の訪米が日本でどのように報道されたかはよく知らないが、
随行の報道官のセクハラ辞任問題が報道されたことはだけは知っている。
日本人は、アメリカ大統領は絶大な権限を持っていると理解しており、ある意味その通りで
はある。しかし、かってハベル元チェコ大統領と私との共催で17年間、プラハで開催した『フ
ォーラム2000』と題する国際会議にヒラリー・クリントン(当時は大統領夫人)が出席し、参
加者の質問に答えて曰く「皆さんはアメリカの大統領には絶大な権限があると思われてい
るが、そうではありません。いつも議会という難しい存在に悩まされているのです」と語った
ことがあった。日本の政治家は、常にホワイトハウス、国務省を中心に物事を判断、評価し
がちであるが、どっこい、アメリカ議会は大きな権限を持っているのである。
議会対策というと、第二次世界大戦における欧州戦線で大活躍して負傷した英雄であり、
日系二世としてアメリカで絶大な信頼を受けていたダニエル・イノウエ上院議員を唯一の頼
りにしていたといっても過言ではない。私もお世話になったが、その彼も逝去された。
アメリカでは『ロビーイング』といって、専門家に金を払って議員を説得することは合法であ
る。残念ながら日本はこの『ロビーイング』は皆無であるが、中国、韓国のアメリカ議会工作
は猛烈に積極的で、例えば、従軍慰安婦問題を一つ例にとると、圧倒的に韓国の意見が
反映され、あのヒラリー・クリントン国務長官までも従軍慰安婦を『性奴隷』と発言しており、
このままだとアメリカの各都市には、韓国の日本大使館前に設置された『従軍慰安婦像』
が次々に設置されることになる。
韓国の日本大使館前に設置される『従軍慰安婦像』
日本国内でいくら異論を唱えてみても国際的にはあまり影響力はない。日本はホワイトハ
ウスだけではなく、積極的にアメリカの議会工作を展開しない限り、中国、韓国の日本に対
する歴史認識が正当化されてしまう危険性があるというより、残念ながら、ほぼ正当化さ
れていると言った方が正しいかも知れない。
読者の皆さんは驚かれるかも知れないが、日本の安全は日米安全保障条約によって担保
されていることになっている。このように緊密な日米関係でありながら、私の知る限り、日本
の首相がアメリカ議会で演説したという事実はない。ところが韓国の大統領は、5~6人が
その栄誉に浴している。
朴槿恵大統領の今回の訪米でも実現している。ホワイトハウスでの二人の写真は、全てを
物語っているのではないだろうか。朴大統領に対し、オバマ大統領が身を乗り出すようにし
て話し込んでいる写真は、まさに「一枚の写真は10万語に優る」。親密な信頼関係を表現し
た写真であった。
朴槿恵大統領は5ヶ国語(英語、日本語、フランス語、スペイン語、中国語)をマスターして
おり、今回のアメリカ訪問では流暢な英語が好評であった。次回の中国訪問では中国語で
スピーチするのではないかと噂されている。しかし、今日の日韓関係は最悪の状態で、韓国
メディアは毎日、朝から晩まで反日キャンペーンで喧しい。大統領は日本語も上手である
が、現下の状況では一切口にできない。
朴大統領が27~28歳の頃だったろうか。私の事務所で昼食を共にしたことがある。いつの
日か、日本語を話される日が訪れる事を願うばかりである。
(続く)