日清戦争開始120年に考える。(34)

同協会の章程には「本会は民間外交のための組織で、中国人民を代表し、国際社会、

世界各国と広く深く友人として交わり、中国と世界各国との友好関係の社会的基礎を築き、

中国の特色ある社会主義事業のため、広範な国際的支持を勝ち取る」とある。このように

各国の人々を籠絡して中国シンパを繁殖させ、中国翼賛の海外ネットワークを構築するの

がこの機関の任務なのだ。中国が盛んに推進す「民間外交」「民間交流」とは、「以民促

官」「以民逼官」、つまり相手国の民間をコントロールしてその国の政府に影響力を及ぼす

という「硝煙なき戦争」の一環なのである。


五月十五日に人民大会堂で開催された対外友協設立六十周年記念大会では、習近平

氏が演説を行い、こう述べた。

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対外友協設立60周年記念大会で演説する習近平主席。自国の覇権主義を否定した 


「中国は中華民族の偉大な復興の実現過程において、世界各国と共に各国人民のそれぞ

れの夢の更に良い実現を推進して行く」


中華民族は平和を熱愛する民族であり、一貫して平和、和睦、調和という確固たる理念を

追及、伝承してきた。中華民族の血液に他者を侵略して世界に覇を唱えるという遺伝子は

ない。中国人民には『国が強ければ必ず覇を唱える』との論理を受け容れない」


これを見ても明らかなように、「中華民族の偉大なる復興」に対する各国の翼賛を求める

とが、この組織の目的なのだ。


自国の露骨な覇権主義を平然と否定しているが、これは「中華民族の偉大なる復興」の障

害である世界各国の「中国脅威論」を否定せよと、世界の中国シンパへに指令を下したよ

うなものだ。会場には鳩山由紀夫元首相や江田五月元参院議長らもいたが、これらシンパ

はどう受け止めたか。

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スピーチする鳩山由紀夫元首相。見事に籠絡された日本人の代表だ 

スピーチに立った鳩山氏は「紛争を根本的に解決するには、心を開くことから始めるべき

だ」と、中国の脅威にも「心を開く」相変わらずの「友愛」論を展開。中国にはこうした人物こ

そ「偉大なる復興」に欠かせない翼賛者と映ることだろう。


李小林氏
は二十七日、海外向けの国営通信、中国新聞社のインタビューで日中関係につ

いて聞かれ、「主な問題は日本の側にある。私たちは更に多くの日本人を親中派、友中派

に変えたい
。中日民間交流は今でも間断なくつづている」と語っている。「習氏とじかに話が

できる」ことを餌に対中関係の改善で焦る日本の政界を取込み、安倍政権を牽制、包囲、

打倒しようとの魂胆だ。


こうした中国側の謀略攻勢を見て、あろうことか「日中関係の風向きが少しだけ変わって

きた」などと無防備に喜ぶ日経なども、すでに中国翼賛ネットワークに組み込まれていると

いうことではないだろうか。

http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2360.html

 

日中首脳会談は、本当に必要か?

こんな調子であるから、2014.11.10~11北京で開催されるAPECでの日中首脳会談なん

ぞは実施されるはずが無い。以前このブログの2014.8.12、NO.4では中華民族の偉大な

復興
を成し遂げるためには、科学技術の発展が必要となり、それを日本から盗もうと近づ

いてくるのではないか、などと述べたものであるが、本音としては日本に近づきたいのは

山々ではあるが、こんな国内事情があれば習近平も迂闊に日中首脳会談なんぞをやって

いる訳には、まだまだいかないのであろう、それほど権力が確立していないと言う事かも知

れない。だから日本侵攻を煽っている劉亜洲・中国空軍上将奥方である李小林なんぞ

を、日本に派遣してくるのであろう。


習近平は日中首脳会談を実現させる為の条件として、次の二つを日本に突きつけていると

言う。


一つ、靖国神社には、今後絶対に参拝しない事。

二つ、尖閣諸島は中国の領土である事を認める事。


尖閣諸島には領土問題が存在する事を認める事、と言う事は尖閣諸島は中国の領土で

ある、と言うことを暗に認めたことになる。尖閣諸島はあくまでも日本固有の領土であるか

ら、こんな事は認める訳にはいかない。


この件については、


日中首脳会談、実現に大きな壁
懸案相次ぐ安倍外交、解散戦略に影響も

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140820/270108/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt

なども参照願う。一部抜粋を次に載せる。

(続く)