日清戦争開始120年に考える。(35)

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日中関係改善が第1の外交課題

 「当面の外交の優先課題としては、日中関係をどこまで進められるかが第1北朝鮮からの

拉致被害者などの再調査報告を受けての対応が第2。対ロシア関係をどうするかが第3

いったところだ。日韓関係は相手の出方次第で焦るつもりはない」。外務省幹部は今後の

対処方針をこう明かす。

 最大の焦点となるのが中国との関係改善だ。安倍政権11月に北京で開かれるアジア

太平洋経済協力会議(APEC)の際に中国との首脳会談の実現を目指している。

 両国間の水面下の折衝・綱引きは始まっている。福田康夫元首相が7月末に中国の習近

国家主席と秘密裏に会談。先にミャンマーで開いた東南アジア諸国連合
ASEAN)地域

フォーラムでは中国と第2次政権発足後初めて、外相会談が実現した。

 さらに、安倍首相は終戦の日にあたる8月15日靖国神社参拝を見送り、中国側に一定

の配慮を示した。中国は安倍内閣の閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相が玉串料を奉納

したことに反発したものの、木寺昌人駐中国大使を呼んで抗議した昨年とは異なり、中国

外務省から日本大使館幹部への電話での抗議にとどまった。

 関係改善への機運が出てきたかのような流れだが、外務省幹部は「首脳会談の実現に

向けては難航必至だ」と指摘する。最大のハードルは「靖国」と「尖閣諸島」を巡る両国の

溝が相変わらず深いことだ。

 中国側はこれまで、首脳会談実現の条件として、安倍首相が今後も靖国神社に参拝しない

ことや尖閣諸島を巡る領土問題が存在することを認めるよう求めている。

 関係者によると、福田氏は事前に安倍首相と打ち合わせたうえで、習氏に対し「APEC

首脳会談が実現すれば靖国参拝はしない決意だ
」との安倍首相の意向を伝達。これに

対し、習氏は「日本との関係は重要視している。ただ歴史問題に加え領土問題も重要。

この問題で日本側に誠意ある対応を求めたい」という趣旨の発言で応じたという。



靖国」「領土」の対応主張する習主席


 要は、靖国神社に安倍首相が今後参拝せず、尖閣諸島問題に関しては日中双方がお互

いの立場や主張を認め、尊重することが首脳会談実現の条件だと念を押した格好なのだ。

 一方で、安倍政権内は悲観論一色というわけでもない。

 「習主席はAPECホスト国という大役にもかかわらず日本との首脳会談が見送りになるの

はさすがにまずい、とみているはず。これから条件闘争が本格化するだろう」。政府関係者

はこう話す。

 政府・与党内では外務省ルートとは別の「政治ルート」で打開を図る動きも進んでいる。

自民党関係者によると、福田氏の訪中には政府関係者も同行。ほかの共産党幹部らとの

やり取りを通じ、以前より前向きの感触を得ているという。

 だが、日中双方の首脳同士が納得できるような“秘策”や落としどころをどう探るのか。

外務省幹部は「安倍首相周辺が根拠薄弱な期待を持つのは危うい」と慎重な見方を崩して

いない。・・・

 

とてもじゃないが、先の2つの条件なんぞは誰だって認めるわけはない。この二つを認める

事は、日本は中国の属国になった、と言うことに等しい。絶対に認めるわけにはいかない

のだ。

安倍晋三は、福田康夫を通じて、「APECで首脳会談が実現すれば靖国参拝はしない決

意だ」と伝えたようだが、安倍も立派だと思っていたが、意外と馬鹿かもしれない。こんなこ

とは、わざわざ伝えるものではない。「靖国神社へは今後とも参拝する。」とか「参拝するか

しないかは言わない。適切に対処する。」などと、言っておけばよいのである。


靖国参拝はしない決意だ」などと、言ったかどうかは定かではないが、それほど日中首脳

会談が重要なものだとは思わないほうが良い。したくなければしなくても良い、と嘯いてい

ればよいのである。日中首脳会談が出来なかったとしても、安倍晋三の価値が廃れると言

うものでもないし、日本の国益が削がれるというものでも無い。


靖国参拝はしない決意だ」などと言うほうが、みっともない。こんな事を言ったとなれば

安倍晋三の価値は、限りなくゼロに近づく。だから締(し)めたとばかりに、李小林なんぞを

日本に派遣してくるのであろう。


もう一つ李小林に関する話題を載せる。一寸古いが是非熟読願う。

 

 

習近平の密使・李小林が来日―福田康夫鳩山由紀夫元首相らを操縦か
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2082.html
2013/04/02/Tue

■受け容れることのできない習近平の日中対話要求  

尖閣問題を巡って悪化する日中関係を打開しようと訪中した公明党山口那津男代表

が、習近平総書記に「謁見」(恭しく頭を垂れながらの会見だった)したのは一月二十五日

これを受け、毎日新聞は社説で「山口氏は習氏に安倍首相からの親書を手渡した。事実

上の首相特使といっていい。首脳会談の実現は安倍氏の希望とも合致する」とし、「トップ

 

同士が早期に対話に乗り出し、尖閣諸島をめぐる対立の緩和につなげたい」などと、安倍

晋三首相に圧力をかけたが、問題は習近平氏がその時、この「首相特使」に対して次のよ

うな話したことだ。

20130402173710e14
習近平総書記に安倍首相の親書を恭しく「奉呈」する山口代表。この首相特使に対して習氏が述べた無理難題とは

「釣魚島問題に対する中国の立場は一貫し、明確なもので、日本は歴史と現実を直視し、

実際行動をとり、中国とともに努力し、対話と協議を通じ、問題を適切に制御、解決する有

効な方法を見つけなければならない」


「歴史を鑑としてはじめて未来に目を向けることができる。日本は中国人民の民族感情を尊

重し、歴史問題を正しく処理しなければならない」


要するに「日本は尖閣諸島が中国領土であるという歴史事実を認め、中国国民の感情を重

んじながら、同諸島を今後どうするかを中国と共に話し合って決めるべきだ」と訴えている

のである。毎日新聞はそれを知った上で「対話に乗り出せ」と主張したのか。


安倍首相は「対話のドアは常に開かれている。同世代の指導者として、いろんなことを話す

機会があればいい」(二月二十二日、米ワシントンでの記者会見)と明言している。従って

「対話に乗り出せ」との訴えは習近平氏に対して行うべきなのだが、それをやらないところ

媚中メディアと呼ばれる所以だ。

(続く)