次世代エコカー・本命は?(4)

しかしながら、世界初の量産型の燃料電池車である。それでも同業他社はじめ世界からは驚愕の眼で眺められる事であろう。きっと今年の「Car of The Year」候補になる事には間違いない。選考対象となる車両の条件に合致するかしないかは知らないが、もしならなかったとしたら、選考委員のこれまたレベルが知れるというものではないのかな。

 

トヨタは本気だ。そして、ホンダも本気だ。


 

<ホンダ>燃料電池車を公開…来年度発売、世界2番目

毎日新聞20141117日(月)21:03

f:id:altairposeidon:20141127231744j:plain

(毎日新聞) 

 ホンダは17日、水素で走る燃料電池車(FCV)を2015年に発売すると発表し、試作車「FCVコンセプト」を初公開した。トヨタ自動車も同日、年内に国内発売を始める4人乗りFCVセダンの車名を「ミライ」にしたと発表。ホンダのFCVは世界で2番目の市販FCVになる見通しだ。

 FCVは走行中に水しか排出しない「究極のエコカー」。試作車は5人乗りで、燃料電池システムを小型化してボンネットに配置することで室内空間を広げた。3分で水素をフル充填(じゅうてん)し、700キロ以上走行できる。

 記者会見した伊東孝紳社長は「(補助金抜きで約700万円というトヨタのFCVの価格が)すごく刺激になっている。競争力のある価格にしたい」と語った。ホンダは自ら水素ステーションの建設を始め、インフラの普及にも取り組む。

 ホンダは2002年にFCVの法人向けリース販売を開始。05年には米国で個人向けにも対象を広げた。国内での発売は従来「2015年中」としていたが、伊東社長は「念入りに開発するため、若干の時間をいただく」と変更の理由を説明した。主力車フィットハイブリッド」のリコールが相次いだことなども影響した。

 トヨタは18日にミライの発売日や価格などの詳細を発表する。【山口知】

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20141118k0000m020084000c.html


 

ホンダは、多分、敢えてトヨタFCVMIRAI」の11/18に記者発表の前日を狙って、この試作車の発表を行ったものであろう。これも、そのためにホンダの技術陣も必死に準備したのではないのかな。11/18トヨタの記者発表があるとのニュースは11/12に出されていたが、それよりもかなり前にはその情報は掴んでいたのではないのかな。そしてトヨタの記者発表の前日に発表させることを決めたものと推測する。だからホンダの技術陣も、コンセプト車とは言え、大忙しで準備したのであろう。

 

11/18トヨタFCVMIRAI」の記者発表では、販売価格が公表された。税込み価格が7236千円で、税抜き価格は、670万円だ。


 

トヨタの“未来”をかけた挑戦 燃料電池車に不退転の決意

SankeiBiz 20141119日(水)08:21

f:id:altairposeidon:20141127231623j:plain

(フジサンケイビジネスアイ

 トヨタ自動車18日燃料電池車(FCV)MIRAI(ミライ)」を12月15日に発売すると発表した。FCVの一般向け販売は世界の自動車メーカーで初めて。価格は税込みで723万6000円に抑え、国の補助金を差し引くと実質的な購入価格は520万円程度になる。次世代エコカーの「本命」に位置づけるFCVの普及をリードすることで競争力に磨きをかけ、急速に力を付ける中国などの新興国メーカーを突き放すのがトヨタの戦略だ。各国の環境規制が一層厳しくなる中、グループの販売台数でトップを走る「世界王者」の座を守れるのか。トヨタ未来をかけた挑戦が始まる。

 「日本発の商品として、誇りをもって世界に提供したい」。トヨタの加藤光久副社長は東京都内で18日開いた発表会で、欧米でも投入する新型車に日本語名をつけた理由をこう説明し、トヨタのFCVが次世代エコカーを牽引(けんいん)するという強い意欲をにじませた。同時に「これは車だけの革命ではなく、水素社会へのイノベーション(技術革新)トヨタにとって、これまで以上のチャレンジになる」と語り、不退転の決意を示した。

 ミライは4人乗りのセダンタイプ。水素の充填(じゅうてん)は約3分で済み、満タンで約650キロを走れる。FCVの普及に向けて経済産業省は1台に202万円の補助金を出すことを決めた。トヨタは2015年末までに国内で約400台の販売を目指す。海外では15年夏から秋に発売米国で17年末まで累計3000台以上欧州で16年ごろまで年間50~100台の販売を見込む。

 次世代エコカーの市販化では電気自動車(EV)が先行したものの、現在の蓄電池技術では航続距離がミライの3分の1程度と短く、充電に時間がかかることもあり普及は遅れている

 もっとも、EVの普及は日本メーカーにとって「もろ刃の剣」だ。ガソリン車よりも構造が単純で部品点数が少なく、モーターなど基幹部品も汎用(はんよう)化が進んでいるため、技術力で圧倒的な差がある新興国メーカーの台頭を許す恐れがある。実際、中国政府は補助金を出してEVの普及を後押ししている。

 一方、FCVは発電装置の燃料電池スタック」の開発が技術的に難しく参入障壁は高い。爆発の危険もある水素を燃料とするため、ミライは時速80キロで衝突しても変形しないほど水素タンクを頑丈に作った。トヨタを頂点に約2万社の系列企業で構成する「トヨタピラミッド」ですり合わせ、高度な技術開発を生み出す強みを発揮できる分野だ。

 米カリフォルニア州が州内で販売する車のうち15%以上を25年までに「排ガスを出さない車」にするよう義務付けるなど先進国の環境規制は一層強まる。20年以降の本格普及を見据え、トヨタは独BMW、ホンダは米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携し次世代FCVの開発を急ぐなど合従連衡も進む。

 「次世代エコカーの開発が生き残りを左右する時代に入る」(アナリスト)だけに、究極のエコカーとされるFCVの普及はトヨタと日本の「勝ち残り」を占う鍵を握りそうだ。(田辺裕晶)

http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20141118005.html

(続く)