次世代エコカー・本命は?(9)

先にトヨタが仮にカリフォルニア州で、80,000/Yの販売だとすると、その4.5%3,600ZEV(車)が必要となる事を話した。これを3,600creditとすると、このクレジットをFCVEVPHEVで埋めなくてはならなくなる。

 

例えばトヨタFCVミライのクレジットを9とすると、3,600÷9=400台となるので、加州では400/Y燃料電池車を売ればよい事になる。仮に電気自動車でカバーする場合はクレジット3点なので、3,400÷3=1,133台となる。トヨタテスラと提携してRAV4EVを販売しているので、このくらいの台数だったら何とかなるのではないのか、とも思っている。


NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート


エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

201112 14日号

カリフォルニア州大気資源局、先進クリーン自動車プログラムを発表

カリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board)が127日、煤煙・スモッグの原因となる汚染物質・温室効果ガス排出の抑制を20152025年型車(:1)の義務要件に統合した、先進クリーン自動車(Advanced Clean Car =ACC)プログラムという先駆的な規制パッケージを発表した。ACCプログラムの目標は下記の通り:

  • カリフォルニア州ドライバーの運転コストを2025年に50億ドル節減。州内を走行する先進自動車が増える2030年には運転コストを100億ドル節減。

  • スモッグの原因となる汚染物質排出を2025年までに75%削減

  • 2025に同州で販売される新車の7台に1台(15.4%)をZEVZero Emissions Vehicles:無公害車)又はプラグインハイブリッド車に。

  • 2025年までに同州を走行するZEVプラグインハイブリッド車の総数を140万台に。

  • 2025年までにGHG排出を5,200万トン削減。

  • 2050年までにGHG排出を累積で87,000万トン削減。

ACCプログラムは、①20172025年型の自動車と軽トラックの温室効果ガス(GHG)基準; ②スモッグの原因となる汚染物質の削減; ③ZEVZero Emissions Vehicles:無公害車)規制; ④クリーン燃料販売店(Clean Fuel Outlets)という4つの関連する規制で構成されている。この内の、ZEV規制(現行カリフォルニア州ZEV計画規制を改正・強化する提案)の概要は下記の通り:

(注)GHGGreenhouse gas温室効果ガス 

20092017年型車に対する改正案

  • カリフォルニア州ZEV規制を採用する州(:2)ZEV台数をカリフォルニア州ZEVに加算するトラベル条項Travel Provision)を2017年モデルまで延長。

  • 販売・リースされることのない実証用のZEVZEVクレジットを取得できる先進実証条項(Advanced Demonstration Provision)を2017年モデルまで延長(:3)

  • バンキングしたZEVクレジットを取得年と翌2年間のみ使用できるという繰越条項Carry Forward Provision)を撤廃。

  • 年間製造台数が6万台未満の中規模自動車メーカー(Intermediate Vehicle Manufacturer =IVM)に対する20152017年モデルのクレジット義務要件を引き下げ。

  • Type V(走行距離が300マイル以上)のZEVに対するクレジットを19クレジットに引き上げ。

2018年型車以降に対する改正案

カリフォルニア州2050GHG削減目標を達成するためには、新車フリートが2035年までに、主として電気自動車燃料電池車(FCV)といった先進技術自動車となる必要がある。表1は、カリフォルニア州大気資源局のスタッフが策定した2050年目標達成のための軽量自動車(light-duty vehicles =LDV)シナリオ(:4)2050年までにZEVがオンロード自動車の約87%を占めるためには、2040年に販売される新車のほぼ100%ZEVとなる必要がある。

1 2050年目標達成に必要となる乗用車シナリオ

f:id:altairposeidon:20141204211957j:plain

(出典:California Air Resources Board, Advanced Clean Cars Summary P.4 Figure 1
 

2018年型車以降に対する改正案は下記の通り:

  • 2025年までに新車販売台数の約15.4%ZEVプラグインハイブリッド車にするため、2018年モデル以降の義務要件を引き上げ。 6~7台に1台のZEVの販売を目指すと言う事。

  • 2018年モデルまでに小規模メーカーを除く全ての自動車メーカーをZEV義務要件の対象とするため、IVMと大規模自動車メーカー(Large Volume Manufacturer =LVM)の サイズ定義を改正(:5)

  • 2018年モデル以降のコンプライスから PZEVPartial Zero Emissions Allowance Vehicle(:6)およびAT PZEVAdvanced Technology Partial Zero Emission Allowance Vehicle(:7)を除去。

  • 全体的なクレジット数を拡大する一方で、1台あたりのクレジット数を削減。

  • TZEVPHEVなど、transitional過渡的)で取得したクレジットでIVMが義務要件を満たすことを許可。

  • 先進実証条項をLVM以外の自動車メーカーに引き続き適用。

  • ZEVTZEVのクレジットを走行距離に基づき算定。

  • トラベル条項をFCVに限り延長。

California Air Resources Board News Release, December 7, 2011; ADVANCED CLEAN CARS SUMMARY; California Environmental Protection Agency Air Resources Board, Staff Report: 2012 Proposed Amendments to the California Zero Emission Vehicle Program Regulations, December 7, 2011

注釈:

1 カリフォルニア州大気資源局のプレスリリースでは、20172025年型車、ACCサマリー(ADVANCED CLEAN CAR SUMMARY)では20152025年型車となっている。ここでは、ACCサマリーの数字を使用する。

2 現在は、アリゾナ、コネチカット、メイン、メリーランド、マサチューセッツニュージャージーニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴンロードアイランド、バーモント11州。。

3 ただし、過渡的ZEVtransitional ZEV =TZEVプラグインハイブリッド電気自動車が最も一般的)は対象外。

4 エネルギー省(DOE)の Vision Model, 2008 に基づく。

5 現行のLVMクライスラー、フォード、GM、ホンダ、日産、およびトヨタ。定義改正により、新たにLVMとなるのは、BMWダイムラーヒュンダイKiaマツダ、およびフォルクスワーゲン。。

6 一般には、最も厳格なスモッグ原因汚染物質排出基準を満たす、在来型ガソリン車やディーセル車や天然ガス車。

7 プリウス等の非プラグインハイブリッド車

http://www.nedodcweb.org/dailyreport/2011_files/2011-12-14.html

(続く)