2件目は2013年10月後半にメキシコで起こっており、詳細は不明と言う。
3件目は2013年11月6日にテネシー州で、トレーラーに追突した「モデルS」が炎上したもの。
米テスラ、破竹成長にブレーキ EV炎上事故10月以降3件
2013.11.9 15:25
6日に米テネシー州で事故を起こし炎上した「モデルS」(AP)
米ベンチャーの旗手として脚光を浴びてきた電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズの高級セダン「モデルS」が、(2013年)10月以降に3件の炎上事故を起こした。原因はわかっていないが、EVの心臓部であるバッテリーに問題がある可能性も浮上。米株式市場では、破竹の勢いで上昇してきた株価が急落している。グーグルやアップルのような急成長を遂げると期待されていたテスラの未来に暗雲が垂れ込めると同時に、次世代エコカーの主役といわれるEVの安全性にも不安が広がりかねない。(SANKEI EXPRESS)
保護板が破損
この6週間で3件目となる事故が起きたのは、(2013年11月) 6日午後のこと。テネシー州の高速道路でモデルSが前を走っていたトレーラーに衝突し炎上した。運転手にけがはなかったが、前部はほとんどが焼けただれた。
ハイウエー・パトロールや米道路交通安全局(NHTSA)によると、前部に搭載したリチウムイオンバッテリー(電池)を保護するため、頑丈な鉄板を備えているが、トレーラー後部の牽引(けんいん)用バーが鉄板を突き破り、バッテリーが破損して発火したとみられている。
「何が起きたかを詳しく調べるため、わが社の調査チームがテネシー州に向かっており、今後、さらなる情報が提供できるだろう」
事故を受け、テスラの広報担当エリザベス・ジャービス・シェアン氏は声明を出し、早急に原因を究明する考えを示した。
10月1日にワシントン州シアトル近郊で最初に起きた事故でも、モデルSが前を走るトラックの荷台から落下した鉄塊に乗り上げ、鉄板が破損し炎上した。2件目は10月後半にメキシコで起きており、米当局は詳細を把握していないという。
株価は28%下落
2003年に設立されたテスラのイーロン・マスクCEO(42)は、国際宇宙ステーションへの宇宙船ドッキングを民間企業として初めて成功させたスペースX社の創業者としても知られる名うての起業家だ。
テスラは08年に小型リチウムイオン電池をパックにして動力源とするEVシステムを搭載したスポーツカー「ロードスター」を発売。10年にトヨタ自動車と資本・業務提携した。
昨年6月に売り出したモデルSの販売も世界的に好調で、今月5日に発表した13年7~9月期決算では売上高が前年同期比約8.6倍の4億3134万ドル(約425億円)に達した。株価もうなぎ上りで、9月30日には193.37ドルを付け、約10カ月で何と470倍に跳ね上がった。
しかし、1件目の炎上事故の発生以降、下落に転じる。3件目の事故が明らかになった7日のニューヨーク株式市場では前日比8%も下げ、この間の下落率は28%に達した。
今後の焦点は、発火原因が独自のバッテリーシステムの構造的な問題なのかどうかだ。
「EVの火災発生リスクについて言うなら、ガソリンで走る一般的な自動車より安全だ」。マスク氏は、1件目の事故発生直後にブログで、安全性を強調した。
ただ、テスラは7~9月期決算で4000万ドルの赤字を計上するなど利益は出ておらず、株価上昇が期待先行だっただけに、多くのアナリストが「先行きに問題を抱え込んだ」という見方で一致している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131109/biz13110915290010-n1.htm
これに懲りたテスラは、床下に分厚い(かどうかは知らないが)保護板を付けた様だ。尤も前後左右の側面にもガードが必要だと思うのだが、側面からぶつけられた場合にもバッテリーは大丈夫なのであろうか。
まあガソリンのほうが余程燃えやすい物質なので、一般のガソリン車のほうが余程危険だとも言えるが、それなりに現在のガソリン車は安全対策には怠りはない筈である。
テスラ モデルS、床下にバッテリー保護カバーを装備…車両火災への対応
(レスポンス) 2014年3月31日(月)08時45分
テスラ・モデルS
米国のベンチャー企業、テスラモーターズのEV『モデルS』。2013年秋、米国で起きた同車の車両火災に関して、テスラモーターズが対策を発表した。
この車両火災は2013年10月、米国ワシントン州シアトル郊外で発生。1台のモデルSが、高速道路を走行中、金属製の落下物に接触。この直後、車両には異常を知らせる警告が出たため、ドライバーは警告に従いスローダウンし、高速道路の出口を降りた。すると、車両のフロント下部から発火し、車両火災に至った。幸いにもドライバーは脱出し、無事。
この事故の原因は、金属製の落下物が大きく、モデルSのアンダーフロアに8cm近い穴が開くほどの大きな損傷を負ったため。これにより、モデルSのフロント部分に積まれた二次電池(リチウムイオンバッテリー)から火災が起きたという。
(2014年) 3月28日、テスラモーターズはこの件に関する対策を発表。リチウムイオンバッテリーを保護するために、チタン製のアンダーボディカバーと、アルミ製ディフレクタープレートを装備するというのが、対策の内容だ。
テスラモーターズは、対策を施したおよそ150台のモデルSを使って、路上の落下物に床下を接触させるテストを実施。「全ての車両で、バッテリーを完全に保護する効果を発揮した」と説明している。
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森脇稔
http://autos.goo.ne.jp/news/ecocar/220157/article.html
(続く)