次世代エコカー・本命は?(52)

電気自動車を売るために企業が行った努力

まず、購入検討者の不安事項に対して、企業としてその不安の払拭に力を入れていることが挙げられる。多くの人にとって、これまでの乗りなれているガソリン車から、充電といった電気自動車固有の機能など扱いが異なる電気自動車に乗り換えるということは、勇気が必要なことだと考えられる。

これに対して日産自動車は、こういった電気自動車への質問・不安に、リーフを所有し日常的に使っている購入者に回答してもらい、リアルな声を聞いてもらうという方法をとっている。

例えば、購入検討者の中で最も懸念されていることが、航続距離(一回の充電で走行できる距離)の長さであるが、リーフのオーナーの何人かは、リーフが満充電で十分に走れる距離84マイル(134.4km)は、郊外・都市どちらの通勤でも十分であると回答している。

北米のオーナーの多くは電気自動車近・中距離の移動には苦労していないようだ。このようにリーフは北米、特に通勤が航続距離の範囲内の顧客の心をしっかりと掴み、確実に販売台数を伸ばしていったのである。

また、この日産リーフには、日本の技術力が詰まっており、車としての走行性の満足度の高さも成功の秘訣であろう。日産リーフにはタイヤを駆動させるために、80kWのモーターに24kWリチウムイオンバッテリーのパックが備え付けられている。

このリチウムイオン電池はノートパソコンに付属しているものと原理的には同じものである。電池はリーフの床下に埋め込まれており、家庭用の普通充電であれば8時間、街頭に備え付けてある急速充電であれば30分でフル充電することができる。

家庭で8時間で充電できるということはつまり就寝の時間で十分に充電できるということであり、この点に対するオーナーの満足度は高い。また日産リーフの内装は、すべてのゲージがデジタル画面であるなどかなり未来的である。

さらにリーフにはキーの差し込み口がなく、電源ボタンをただオンにするだけでエンジン音が無く電源が静かに入り、リーフの”ハイテク”感を一層増してくれる。

駐車時には、鳥になって上空から見るかのように360度を見渡すことができる。BMWi3という電気自動車を販売しているが、それと同様・以上にリーフも多くの技術を搭載している。こういった先進的な技術は、我々を格別な気持ちにさせてくれる。

また、このリーフで使用され少し性能が落ちた電池は、20144月より、太陽光電池の蓄電用(晴天時に余剰発電した電気の蓄電用)としての使用が開始されている。このように使用済み電池の有効活用の検討も行われている。

電気を中心にしたエコなエネルギー革命は、日本が生みだした日産リーフを中心に、始まったばかりだ。また、日本の技術の完成度の高さは、世界市場で上位に常連でランクインできる実力を持ち合わせており、世界の人々からの信頼は非常に厚いことは間違いない。


Overseas reaction 海外の反応・・・抜粋)

 

片道12マイル(19km)の通勤で使っているけど、電池が50%以下になったところを見たことがない。私にとっては一番の車だ。 (→片道20km足らずであれば、リーフは宝の持ち腐れとも思われるが、人にはこの余裕が必要なのであろう。)
北米では平均の車の通勤時間は25分だからそういった人達を狙ったんだね。
日本の新しい提案、この素晴らしい技術によって二酸化炭素を排出しないドライブ(ゼロエミッション)が可能となった。

http://golden-zipangu.jp/nissan-leaf/

 

リーフも車体中央の床下に300kgと重いバッテリーを積んでいるので、操安性が良いのは理解できるが、日産リーフの航続距離はカタログ上は、200km(最新型は228km)程度となっていいるが、アメリカでは実用上の航続距離は84マイル(134.4km)で、その範囲内での通勤での使用形態では十分な距離なのであろう。先に述べたように営業としての使用形態での最大航続距離は、50km程度なので不安があるが(2014.12.24,NO.22参照の事)、こと近距離通勤用途として限定してみれば、航続距離のカタログ値としては、200km程度(実際能力はその半分の100km以下となる)は必要なのであろう。と言うのも電気自動車は、その使い方や気候条件などで、航続距離が極端に低下してしまう。だから近距離用途でもそれなりのバッテリー能力を必要とするのであろう。そうでないと車を運転することは不安で、購入を控えてしまうのではないのかな。カタログ値が200kmくらいで、丁度日常使いでの最低の航続距離は、50~60km程度の実力値となるのであろう。だからこのアメリカでの使用形態では、十分実力値以内での使用なので航続距離不足(バッテリーの能力不足、電欠)とはならなかったのであろう。但しアメリカでは自家用車の複数所有が当たり前となっているために、小生の推測ではあるが、1台の自動車は通勤専用として使用できるのであろう。きっと中長距離の使用としては、別のガソリン車が存在している筈だ。

 

まあこうして見ると、電気自動車「リーフ」も先にトヨタが区分していた「近距離用途」の車なのであろう。但しその近距離が多分トヨタが想定しているような20~40km程度の距離ではなく、70~80km程度と倍増した距離を想定しなければいけなかったのであろう。実際の走行距離が30~40kmでも、能力としては100km近くは必要だったのである。そうすればお客さんは安心して電気自動車を購入するのではないのかな。近距離用途としても、余裕が必要なのである。そのためEVは費用対効果はそれほど抜群ではないのであろう。

 

トヨタプリウスPHEVとして、顧客の日常用途として調査した結果20km程度しか走っていないとして、26kmの能力で十分(?)だとしてそれだけのリチウムイオン電池を搭載して発売したが、これが全くの不評であった事はご承知の事と思う。20kmしか使っていなかったとしても、それ以上の能力がないと顧客は安心して走る事ができないのだ。

 

この話は後に言及するとして、次のURLにはUSAでのリーフの2014年の販売台数の状況が、載っている。それによると次のようになっている。

 

しかしこの数字が少しおかしいのだ。2014.1~10月の月別の販売数字を合計したものと別表の掲載されている2014.1~10月の合計数字が、異なっていたのだ。

 

EVObsession

Nissan LEAF,Chevy Volt,&BMW i3 Dominate Plug-inCar Sales in October

2014.11.05


LEAF USA2014月販台数→掲載グラフの数字より

1月(1,252) 2月(1,425) 3月(2,507) 4月(2,088) 5月(3,117) 6月(2,347) 7月(3,019

8月(3,186) 9月(2,881) 10月(2,589)=1~10月合計・24,411

 

LEAFYTD2014USA1~10LEAF販売台数→掲載の表に記載の数字より22,323

 

20141~10月月別合計=24,41122,3231~10月一覧表数字

 

http://evobsession.com/nissan-leaf-chevy-volt-bmw-i3-dominate-plug-car-sales-october/


URLでの日産リーフの販売台数の数字が、上記のように異なっているのは何故であろうか。

この差は、丁度2,088となり4月の数字と一致する。4月分を合計しなかったのではないのかな。


なおこの「EVObsession」の日本語訳は、次のURLにありますので、ご参照願う。


日産リーフ好調――にもかかわらずEVバッシングを続けるマスコミ→ここに上記のEVObsessionの日本語訳があります。
http://blog.livedoor.jp/sowerberry/archives/41325067.html  2014111700:10

(続く)