次世代エコカー・本命は?(59)

このテスラの「18650」バッテリーはダイムラーの「Smart for 2 EV」(第2世代スマート)にも搭載されていたが、トヨタテスラとの提携話を解消した頃に、ダイムラーテスラとの資本提携を解消してスマートにテスラ製バッテリーの搭載を止めている(2014.12.8,NO.10参照の事)。その代わりに子会社の「ドイチェアキューモーティブDeutsche Accumotive」社製のLiイオンバッテリーに替えて、Smart for 2 Electric Driveとして第3世代スマートをデビューさせている。

 

このようにテスラ製のバッテリーを搭載する車屋はいなくなっているので(但しBクラス電気自動車にはまだテスラ製が搭載されているが、その内に替わるであろう)、パナソニックが「ギガファクトリ」とか言って大規模な「18650」のバッテリー工場を建設しているが、これとて今後のLiイオンバッテリー関係の技術革新の進み様によっては、無駄な工場となってしまう可能性も無きにしも非ずなのだ。現在バッテリー関係者はシャカリキになって、新しいバッテリーの開発に熱中しているから、その内に高性能なバッテリーが発明される可能性は高いのだ。そうなったらそれこそが、テスラの馬鹿電池と言われかねない。今後のLiイオンバッテリーの技術の進み具合には目が離せないのだ。

 

そのため、テスラ電気自動車は「馬鹿電池」を積んだ「頓馬自動車」にならないとも限らないので、これに対抗するには、パナソニックは、自社の技術開発力の向上に頼るしかない、ものと思われる。

18650」に限らず革新的なLiイオン電池を、パナソニック独自に開発してゆくということであろう。そうでないといつまでも「18650」が通用すると思っていたら、痛い目に合ってしまうことになる。

 

まあこんな風に馬鹿にされれば、トヨタと言えどもEVよりも燃料電池の開発にシャカリキになれたのではないのかな。

 

日本にとっても、トヨタ燃料電池車の発売は、日本のエネルギーセキュリティにとってよい結果をもたらしてくれるものと確信している。これから一層水素関連の技術革新が、日本で進んでゆくのではないのかな。

 

イーロン・マスクトヨタとの協業が将来的にも可能のようなことを言っているが、トヨタとしては金輪際イーロン・マスクとは一緒に仕事をすることはないと思っているのではないのかなトヨタにとっては、テスラとは「バイ、バイ」なのである。

 

さてテスラのバッテリーから潔(いさぎよ)くオサラバしたダイムラーSmart for 2 Electric Driveに、話を移そう。

 

スマートsmartは、ドイツの自動車メーカーのダイムラーAG(アーゲー、Aktiengesellshaft株式会社)の完全子会社である小型自動車を製造・販売する自動車メーカーである。と同時に、同社が製造・販売する小型車のブランドでもある。

 

ちなみに「メルセデス・ベンツ」はこのダイムラー社が製造・販売する乗用車、バス、トラックのブランド名である。

 

ダイムラー社(2007年~)は、ダイムラー・ベンツ(1926年~)、ダイムラー・クライスラー1998年~)、ダイムラー2007年~)と変わっている。

 

Wikipediaによると、「smart」の名称の由来は、創業時のパートナーであったSwatchの「S」とMercedes-Benzの「M」に芸術「art」を組み合わせた、と記されている。そして英語のsmart洗練された、にも通じたものである。


1994ダイムラー・ベンツはスウォッチ・グループの提案を受けて、共同出資のMMCMicro Car Corporation)を設立し、スマートブランドの小型車の開発をスタートさせる。スマート構想としては、1970年代初めに持ち上がったと言う話もあるやに聞く。

 

1997年、欧州で、シティー クーペが発売される。

2000年、赤字続きのため、スウォッチが撤退。

2002、「MMC」から「smart」に社名変更。

2006年、ダイムラー・クライスラーの子会社となる。

2007年、ダイムラーAGの子会社となり、スマート フォー ツー第二世代スマートが発売され、業績が上向く。そしてsmart electric drive projectがロンドンで始動する。

2008年、初めてスマートが黒字化する。

2009年、第2世代スマートEV2000台の実証実験開始。テスラ製バッテリー搭載。

2010年、日本で実証実験。

2012年、smart for2 electric drive5月日本導入。

2013年、第3世代発売。ドイチェアキュモーティブ社製リチウムイオンバッテリ17.6kWh)を搭載。航続距離140km以上。200V電源で8hで充電。

 

と言ったところがスマート誕生の経過だ。

 

ようこそ、電気だけで駆ける未来へ。smart fortwo electric drive

2013.08.00 ?

 

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>> electric motor & battery

 

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smart fortwoの走りの技術は、街と地球、ふたつの環境を同時に想って磨かれました。
街を爽快に駆け抜けるキビキビとした動力性能に加え、優れた低燃費。
人と自然が歓びあう、そんなこれからの走りの理想を、メルセデスが培ってきた先進技術で叶えます。

 

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smart fortwo electric drive”には、そのパワートレインとして最先端の電気モーターを採用。最大出力55kW1、最大トルク130Nm1の力強い走りを実現しました。モーターならではの強力なレスポンスで、低速域から滑らかに加速。市街地の交通ペースになじむ、キビキビとした軽快な走りが愉しめます。最高速度も120km/h以上1を誇り、高速道路の走行も快適です。

 

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  • 1:数値は欧州参考値です。(第3世代のスマートでの航続距離?)

  • 2電気自動車は、走り方や使い方、使用環境などによって走行可能距離は大きく変わります。

  • 3:保管場所に普通充電専用設備の配線・設置工事が必要です。

  • 4:電圧により充電時間は異なります

http://www.smart-j.com/products/electric/technology.html

 

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http://dime.jp/genre/112420/3/


ダイムラーは一時テスラから、例のバッテリーの提供を受けていたのだが、テスラの株式は全部売却して資本提携は解消しスマートのバッテリーも、子会社製に載せ替えている。

(続く)