次世代エコカー・本命は?(62)

ダイムラーVWも、FCVだけではなくて、EVも持っている。トヨタFCV一本槍だから、そうなったらどの様に対抗してゆくのであろうか。長距離一辺倒ではなく、近中距離にも目配せが必要となろう。近中距離用EVの開発、世界のトヨタと言われるだけあって、それこそ簡単にと言うわけでもないが、世に出せるのではないのかな。事実次期プリウス40km/Lの燃費だと言う。だからそれなりに決意すれば、EVなんぞもお手の物ではないのかな。それにレクサスFCVも良いのだが、小型FCVにもその内に進出して欲しいものだ。それでこそ欧米の車屋にも対抗できると言うものではないのかな。ただFCVの生産能力がないから、国内での欧米への対抗戦力と言うには心もとない。なんと言ってもFCV「ミライ」は、加州のZEV対策車なのだから、当面は対米向けが中心とならなければならないのだ。

 

ダイムラー、日産、フォードそれからVW、そしてGM、ホンダが、FCVEVの両面作戦で、日本に攻めてきたら、いくらFCV「ミライ」EVi-ROADがあるからと言っても、トヨタとしても太刀打ちは出来なくなるかもしれない。EVが必要となってくるのではないのかな。

 

トヨタとしても、いつまでも燃料電池車「MIRAI」で浮かれている暇はない筈だ。だからどうするか、と言っても小生にはこれと言った考えも思い浮かばないが、少なくともトヨタとして全社一丸となって、このエコカー戦争を戦ってゆくしかないでしょう。トヨタ自動車も業績を回復してやれやれと言ったところかも知れないが、豊田章男社長としても、安穏とはして居れないはずだ、ふんどしを締めなおす必要があろう。

 

トヨタ章男社長、好き嫌い人事横行で大波乱 邪魔者は放逐、質実剛健謳うも派手な露出好き

 Business Journal

2015.02.10 文=富田裕介/ライター

 

トヨタ自動車プリウス3代目前期型/「Wikipedia」より/Mytho88

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 国内自動車部品最大手のデンソー23日に突如発表した社長交代が、トヨタ自動車グループ内で大きな波紋を呼んでいる。本命視されていた鹿村秋男副社長(60)ではなく、14人抜きで有馬浩二専務役員(56が大抜擢されたからだ。トヨタ豊田章男社長(58の「もっと若返らせろ」の鶴の一声で予定していたトップ人事が覆ったようだ。有馬氏は取締役でもなくまだ執行役員の待遇であるため、6月に開催する株主総会で取締役に選任された後、社長に就任予定。現社長の加藤宣明氏(66)は会長に就く。

 デンソーはいつもオーソドックスなトップ人事を行う会社であり、取締役でもない人を抜擢する人事は珍しい。同社の社長人事は事務系と技術系のたすきがけなので、事務系の加藤社長の次は、生産部門を束ねる人格識見とも高い技術系の鹿村氏が「当確」のはずだった。

 しかし、豊田社長が難色を示した。トヨタにとってデンソーアイシン精機などグループ大手は持分法適用会社であり、株主としての支配権はないが、トップ人事にはトヨタの意向が反映される。豊田社長が最も気にしていたのは年齢だ。陸上ホッケーでオリンピック候補選手にもなったことがある豊田社長は、礼儀など先輩後輩の関係を重視する体育会系。いくらグループとはいえ、年上の社長とは率直に意見交換できないのが悩みだったトヨタグループ11社の社長が集まって朝食をとりながらざっくばらんに情報交換をする月に1度の「朝の会」も、豊田社長は年上の社長がいるのを嫌って欠席しがちで、とうとう社長ではなく会長が集まる会合に衣替えさせたほどだ。

 また、豊田社長は自分に対して耳の痛いことを意見具申するタイプも嫌いだ。そして自分の意向を忖度してくれる人材を好む傾向にある。デンソーに続いて豊田社長に振り回されそうなのがアイシン精機のトップ人事だ。今年はアイシン精機も社長交代が予想されるが、絶対的本命扱いにされているのが三矢誠副社長(56であり、豊田社長よりも若いので、年齢面でのネックはないが、「三矢氏は正論と思えば積極的に意見具申するタイプであり、豊田社長と合うタイプではない」との見方もグループ長老筋から出ている。

 こうした豊田社長の意向を忖度しながらグループ企業のトップ人事の調整をしているのが、トヨタ人事担当の上田達郎常務役員だ。人事部門が長く、能力が高いために若い頃から同部門のエースといわれてきた逸材。この上田氏は豊田社長に取り入るのがうまく、「トヨタ柳沢吉保」と呼ばれるほど手腕が高い能吏でもある。役員人事に限らず、元秘書など豊田社長が日頃から目にかけている若手社員を特別選抜で部長に昇格させて、豊田社長に気に入られるのがうまい。忖度して豊田社長の意向通りに人事を進めるので、上田氏は副社長にまで出世するのは確実といわれている。ところがその一方で、「社長に気に入られているのをいいことに、上田は自分の出世の邪魔になりそうな目の上のたんこぶの人事部門出身の先輩役員の放逐を画策している。策士、策に溺れることにならなければいいが」(トヨタグループ首脳陣)と心配する声もある。

「相談役3年制」の真の狙い

 また、豊田社長は昨年6月から、これまでの相談役制度を改め、副社長以上の経験者は亡くなるまで相談役・顧問の地位で処遇していたのを、「相談役3年・顧問3年制」にした。相談役を3年、その後顧問を3年の計6年経てば、送迎用の車も秘書も付かず、元社長・会長でもただの人になってしまう。日本の大企業ではコスト削減の観点からこうした取り組みは10年以上も前からやってきたので、トヨタが制度を改定してもまったく不思議ではないが、トヨタは人を大切にする社風であるため、功労者といえる副社長以上の経験者を厚く処遇してきた。そして処遇するだけの財力もあった。こうした中でのトヨタの制度改定について、日本経団連周辺の財界は「若返りを促進し、老害を排除するための豊田社長の英断」と持ち上げている。

 しかし、その真の狙いは、豊田家の意向に逆らいがち奥田碩相談役渡辺捷昭相談役を手っ取り早く放逐することにある。不平不満が出るのを防ぐため、豊田社長の意向を受けた上田常務役員が副社長以上の経験者を一人ずつ回って、制度改定の主旨を説明したそうだ。

 こうして、世間受けする綺麗ごととしては「若返り」「老害廃止」などを標榜しているが、その一方で豊田社長は「副社長定年65」を見直す考えで、「能力があれば年齢は関係ない」と周辺関係者に言っているそうだ。これも世間受けする正論だが、真の狙いは、自分に忠誠を誓ってくれる副社長はできる限りいつまでも副社長のポストに置いておきたいということにある。

 とにかく豊田社長は本音と建前がかい離している。建前では、質実剛健を好むといいながら、自分は昨年のベストドレッサー賞を受賞して浮かれていたり、みのもんたのパーティーに出て、はしゃいでいたりするところを写真週刊誌に撮られている。

 外部から見えづらい今のトヨタの実態は、言ってしまえば能力に関係なく社長の好き嫌い人事が社内で横行して、それを利用する「社内官僚」が跋扈している姿にすぎない。そして好業績を理由に社長自らが緩みきっているのだ。リーマンショック後の赤字転落、その後の米国での大規模リコール問題などから立ち直って、トヨタは過去最高益を出している。経営者は数字でいかに実績を出すかが問われる面もあるので、豊田社長のことを批判する声は少ない。というよりも、広告大スポンサーのトヨタの実態を書くメディアなどはほとんどない。

 しかし、いくら過去最高益を出して、株式市場や世間から評価されても、好き嫌い人事によって適材適所が妨げられ、トップが有頂天になって浮かれているようでは、いずれ馬脚を現わすに違いない。
(文=富田裕介/ライター)

http://biz-journal.jp/2015/02/post_8883.html

(続く)