次世代エコカー・本命は?(63)

世界に先駆けて量産型燃料電池車「ミライ」を売り出し、更には過去最高益を出しているトヨタであるが、そのトップである豊田章男社長が、能力に関係なく好き嫌いで役員人事を執り行っていると言う事は、もし真実であれば、まことに由々しきことである。このようなことが起こる背景には、必ずそれを助長する「茶坊主」がいるのではないのかと勘ぐりたくもなるのである。社長の周りに「イエスマン」ばかりはびこらせていれば、このワールドワイドな自動車産業の激しい競争社会の中では、トヨタとしても、企業活動での最適な判断は出来ないであろう。

 

そんな人物にはとても思えないのだが、豊田社長は自分に対して耳の痛いことを意見具申するタイプも嫌いだとなれば、しかもそのため、能力に関係なく好き嫌いで役員人事を執り行っていると言う事であれば、やがてはトヨタと言えどもどこかで大きな失敗をしでかすことになりかねない。

 

そんなことでトヨタがこければ、日本経済もこけてしまう。日本経済がこければ日本自体が弱体化する。日本が弱体化したと見るや、すぐさま尖閣諸島なんぞは習近平に攻め込まれてしまい、獲られてしまいかねないのだ。トヨタの動向は日本経済そのものもさることながら、日本を取り巻く政治・経済にすぐさま影響を与えるであろうことを認識して、豊田章男社長はトヨタの経営を良好に保っていってもらいたいものだ。もしこんな状態であれば、EVだとか小型FCVの開発なんぞは、相当遠い将来のことになってしまう。

欧米の同業他社は、虎視眈々とトヨタのつまずきを期待しているのであるから。

 

果たして豊田章男社長は何を考えているのであろうか。

 

FCV特許の公開は水素社会実現のため、新工場の凍結解除は時間の問題」---トヨタ社長の豊田章男氏が語る2015

佐藤 雅哉

2015/01/08 15:03

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図◎トヨタ自動車社長の豊田章男 

 トヨタ自動車社長の豊田章男氏は201516日、自動車工業4団体が主催する新春賀詞交歓会に出席し、記者団に対して2015年の抱負を語った(図)。その中で同氏は、燃料電池車(FCV)特許の公開や、新工場建設の凍結解除の見込みなどについて述べた。

――201516日にFCVの特許を開放することを発表したが、社長の考えは。

 非常に良いことだと思う。水素社会を創り上げるということは1つの自動車会社だけでは難しいし、多くの方が賛同し、参加してくれないとできない。そして何より、水素自動車の実現には長い道のりが必要だ。従って、あえて参加者を増やし、「オールプラネット」、「オールジャパン」というように多くの協力を得ていくことが、水素社会の実現のために良い決断だったと思う。

 我々は「鶏と卵」ではなく、「花とミツバチ」という表現をよく使う。「どちらが先か」という議論ではなく、色々な企業と協力し合うことが重要だ。誰かが始めなければならないので、今回我々が先陣を切った。これからトヨタがリードしていく必要はあるが、囲い込もうということではなく「地球人」として、今後50年を見据えてやっていくにはこうしたことが大事だという判断だ。

新工場建設の凍結解除は時間の問題

――特許の公開期限を2020年に区切った理由は。

 特に理由はないが、2020年はちょうどオリンピックがある。1964年の東京オリンピックは、その後の50年を創ったと思う。そう考えると2020年の50年後、2070年に向けてのスタート年が2020年になる。また、2020年まで後5年あるということは、「今から新しいことを」と思っても間に合わないが、今までやってきたことをそこに向けてスピードアップさせることは可能だ。だから2020に向けて「アウトプットを出そう」ということだ。今後の持続的成長をできるかどうかを占う上で、2020年はよい節目になる。

――これまで新工場の建設を凍結するという方針だったが、凍結を解除する検討を始めたという話があった。トヨタの成長はどのようなステージにきていて、どのような方向に向かっているのか。

 3年間の凍結というのは、単に原単位の改善やキャパシティーの増加のためだけではなく、日本のものづくりにおいて色々な意味で「もっと良い車を造るための工場は、どのような景色であるべきか」を考えるためだった。したがって、これを解除するに当たっては、「とんでもなく原単位が変わる」とか、「今後できる工場では景色が全然違う」というものが無い限り、私は3年間ではなくもっと先に延ばすだろう。

――この2年間で景色は変わりつつあるか。

 凍結の解除はもう時間の問題だ。ただし、3年前と同じやり方で再開するかというと、それは絶対にノーだ。それでは競争力も上がらないし、前通ってきた道を通るだけだから、それはないだろうと思う。

「未来を創る」ことの大変さ

――円安で一部生産を国内に戻す動きが産業界の中であるが、社長の考えは。

 我々は円がどちらに振れようが、そのような考えはない。製造業の会社としては、為替レートはある程度安定していて欲しいと思っている。以前、過度の円高が続いたとき大変苦労をした。「今は輸出が増えない」という指摘もあるが、これは過度の円高が続いたときの影響だと思う。

――トヨタ自動車としての今年のテーマはどう考えているのか。

 「前を向いて未来を創る」ということだ。自分が社長になってから、ここまで素直に前を見られるようになったのはこれが初めてだ。ただし、以前よりもこれからの方が大変かもしれない。

――社長になって「やりたいことは沢山あるが我慢している」ということだが、これからやっていきたいことは。

 やりたいことはいろいろあるが、我慢という意味ではこれから先の方が厳しいだろう。やりたいことを我慢するより、やれることのタイミングを見極めるということだ。「人、物、金」の中で、「人」は理屈では動かない。人には心もあるし、感情もある。しかも成功体験を持つ人達が大半だ。そのような中で「未来を創る」ということは、今ある物を変えていかなければならないので、大変な我慢を強いられると思う。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150108/397881/?n_cid=nbptec_tecml&rt=nocnt

 

これを読む限り先の「・・・好き嫌い人事横行で大波乱・・・」と言う記事の内容は、杞憂に過ぎないのではないかとも思えるが、そのような記事が世に出ると言う事は火の気が有るということであろう。

(続く)