次世代エコカー・本命は?(66)

そして更に今日、2015.2.24、あの屈辱の証言の日から丁度5年目の日に、燃料電池ミライ」の生産工場である元町工場の生産ライン報道陣に公開して、その鬱憤を晴らしたのであった。

 

まああの時に鬱憤が晴れたかどうかは知らないが、この燃料電池車「ミライ」は、2018ZEV規制の対応車でもあるので、その内にカリフォルニア州を闊歩することになるであろう。この日を選んだことは、この世界初の量産型燃料電池車の「ミライ」をZEVとしてアメリカ本土で走らせることで、NASAまで動員して自社の電子制御スロットルシステムETCSを調査された、あの時の屈辱に対するトヨタの回答の一つにしたかったからであろう。

 

元町工場は車両の組立工場であり、「ミライ」の中核となる燃料電池スタックは本社工場で組み立てられている。従って能増には両工場への設備投資が必要となろうが、特に本社工場のスタックの製造ラインの能力増強が、核となろう。

 

熟練工らが丹念に1日3台を手作り トヨタ燃料電池車「ミライ」の製造工程を公開
2015.2.24 18:39
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「ミライ」の組み立て風景。1日3台を職人らが手作業で仕上げている=24日、愛知県豊田市(松岡朋枝撮影)   H s5nk ミライecn1502240056-p3

 トヨタ自動車24日、愛知県豊田市の元町工場で世界初の市販型燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の製造工程を報道陣に公開した。ラインオフ式典に出席した豊田章男社長は「資源のない日本が、水素社会の実現のためにささやかながら第一歩を踏み出すクルマだ」と話した。

 ミライは搭載する燃料電池や水素タンクを本社工場で製造し、元町工場では車体の組み立て作業を行っている。燃料となる水素が漏れ出さないようタンクとスタックの接合部にヘリウムガスを流して接合具合を確認するなど、独自の工程が加わっている。

 生産台数は13台にとどまっており、高級車「レクサス」などの組み立てを担当していた熟練工ら13人が手作業で組み立てを担当している。生産台数に限りがあるため、注文に生産が追いつかない状態が続いており、豊田社長は具体的な受注件数は明らかにしなかったが「多くの関心を寄せていただいているが、お待ち頂いて申し訳ない。気長にお待ち頂きたい」と話した。

 トヨタはミライの生産台数について、2016年には現在の3倍弱の年間2000台程度に、17年には4倍強の3000台程度へと増産する方針を明らかにしており、今夏以降は欧米でも発売する計画。

 燃料電池車の普及を左右する水素ステーションなど関連インフラの整備について、豊田社長は「1社で実現できるものではなく、オールジャパンで足並みをそろえてやっていきたい」と強調した。

http://www.sankei.com/economy/news/150224/ecn1502240056-n1.html

 

なおここには「ミライ」の製造工程の動画があるので、ご参考まで。

トヨタが「MIRAI」の製造工程を動画で一挙公開!

http://clicccar.com/2015/02/25/295380/

 

トヨタFCV「ミライ」だけでは欧米の仕掛けるエコカー戦争に勝てないかも知れない、と言う話からちょっとEV関連からは離れてしまったが、ここで本来のEVの話に戻ろう。

 

先ずは車体も製造ラインも、全く新設して電気自動車を世に送り出してきたBMWEVi3を紹介しよう。BMW i3201311月にヨーロッパで発売されたボデーの大半を炭素繊維強化樹脂製のアーバン・モビリティ電気自動車である。日本では20144月に発売されている。アーバン・モビリティとは、都市型近距離用モバイル(移動手段)と、理解する。

 

“黒船”EV普及へ「アクセル」 BMW参入で活気、価格競争激化

フジサンケイビジネスアイ20131114日(木)08:21


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フジサンケイビジネスアイ) BMWEVfbi20131113000view

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 海外自動車メーカーによる電気自動車(EV)の日本進出がいよいよ始まる。BMWジャパンは13日、EV「i3」を来年(2014)4月5日に日本国内で発売すると発表した。来夏にも投入するプラグインハイブリッド車(PHV)のスポーツカー「i8」と併せ、環境対応車の新ブランドとして売り出す。EV市場が伸び悩む中、“黒船”の来襲は起爆剤になる。

 「都市モビリティ(交通)に革新を起こしたい」。BMWジャパンのアラン・ハリス社長は同日の発表会後、記者団に自信たっぷりに話した。i3はフル充電で200キロの走行が可能なうえ、オプションの発電用エンジンを積めば300キロまで走行できる。充電時間は家庭用コンセントで7~8時間、日本規格の急速充電器「CHAdeMO(チャデモ)」なら30分で済むという。増税後の消費税8%を含む希望小売価格は499万円(発電用エンジン搭載車は546万円)。

 i8電気モーター1500ccの直列3気筒ターボエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載したPHV。走り始めから時速100キロまで4.5秒で到達する高い加速性能が自慢だ。価格は1917万円。いずれも政府の補助金などは調整中という。

 海外勢初のEVの日本投入に賭けるBMWだが、普及は思うように進んでいない。

 国内メーカーは、三菱自動車が2009年に世界初の量産型EV「i-MiEVアイ・ミーブ)」を、10年には日産自動車が「リーフ」を発売するなど世界に先駆けてきた。ただ、フル充電で200キロ程度という走行距離の短さや、充電設備の普及遅れが敬遠され、販売は伸び悩む。日産はルノーと合わせ、「16年度にEV販売150万台」を目標に掲げるが、今年7月までの累計販売実績は10万台しかない。トヨタ自動車(グループのトヨタ車体を除く)やホンダがリースにとどまっていることも普及の難しさを物語る。

 だが、ここにきてEV充電器の設置台数を増やそうと、政府や大手4社が補助金を出すなど、官民挙げた支援策が整ってきた。充電設備が整えば、ユーザーの不安が解消される。「(普及に向けアクセルを踏むには)今がいいタイミング」(ハリス社長)なのは確かだ。

 BMWは、量産車では世界で初めて車台に炭素繊維強化樹脂を用い、スチール製より50%の軽量化に成功。製造工程で100%再生可能エネルギーを用いるなど、環境問題に関心の高い消費者にアピールする戦略だ。

 来年には、独フォルクスワーゲンが日本でもEVを発売する予定。トヨタハイブリッド車(HV)「プリウス」の価格を下げてHV市場が一気に拡大したように、海外勢参入で価格競争が激化すれば「EV普及元年」となる。(田辺裕晶)

http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20131113000.html

(続く)