トヨタはBEVの開発には消極的だと思っていたら、リチウムイオン電池ではなくて、この「リチウム-空気電池」を本命として開発しているのではないのかな、と思われる。
次世代二次電池の研究成果
トヨタでは、将来の電気自動車の幅広い普及、即ち、ファーストカーでの一般的な利用を視野にリチウムイオン電池のエネルギー密度を遥かに超える次世代電池の研究を開始しました。
図1 次世代電池の研究開発
社外との連携に加え、技術と生産技術のコラボ体制で次世代電池の研究とデファクト化を促進
社外との研究体制を強化しつつ、2010年からは生産技術とのコラボ体制で研究を加速させています。
具体的には、全固体電池とリチウム空気電池の2種類のタイプの研究開発を行っています。
図2 全固体電池
セルの直接積層によりパッケージを小型化
図3 リチウム空気電池
空気中の酸素利用と負極に金属リチウムを使用し小型・軽量化
図2は、全固体電池の事例を示したものです。
リチウムイオンが移動する電解液を固体電解質に変えることで一つ一つのセルを包んだケースを形成する必要がなく、直接積層させる事が可能になり、パッケージの小型化が可能になります。
これまでに固体―固体界面の抵抗を下げることに成功し、電池開発が一歩進みました。
図3は、リチウム空気電池の事例です。
空気中の酸素を正極側活物質として利用するため、大幅な軽量化が可能になることに加え、負極を黒鉛から金属リチウムにすることで、全固体電池以上のエネルギー密度の実現が可能になります。
これまでに、電解液が及ぼす影響を解析し、リチウム空気電池の反応メカニズムの解明に注力して参りました。
いずれのタイプの電池も、まだまだ研究開発の域を出ませんが、将来の実用化に向けて徐々に進歩をしております。
http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/environment/next_generation.html
これによると、トヨタは2010年からこれらの研究開発を加速させたと言っているので、それ以前から手がけていたのであろう。と言うことは前にも(2015.3.18,NO.78)言ったかと思うが、この頃からいわゆる燃料電池車の開発の先が見えてきたのではないのかな。だから電気自動車用に電池の研究開発にも、経営資源を追加投入する余裕が出来たものと思われる、と小生は勘ぐっている。
(続く)