戦後70年談話はヒストリーで!(46)

戦後70年談話(安倍談話)とは
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戦後70年談話(安倍談話)とは、第二次世界大戦敗戦から70年を迎えるにあたり、安倍晋三首相から発表される談話です。

戦後50年談話として発表された村山談話と、戦後60年時の小泉談話、また捏造が明らかな慰安婦問題に対する謝罪を表明してしまった河野談話を、どの程度踏襲し、どのような立場へと変更があるのかが注目されています。

ちなみに、村山、小泉談話はともに「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことへの、「痛切な反省」と「心からのお詫びの気持ち」を表明しています。

「戦後70年談話」に先立ち、4月30日にアメリカ議会で行われた安倍首相の演説では、「痛切な反省」を盛り込みましたが、「謝罪」は表明しませんでした。

この「反省」を盛り込んで「謝罪」は行わないという方針について賛否両論はありますが、この演説の方針が、「戦後70年談話」にも適用されるのではないかとの見方がされています。

「戦後70年談話」の具体的な内容については、16名の有識者により会議が開かれ決定される模様です。

談話の発表時期は、今年(平成27年)夏とされていますが、815日の「終戦記念日」に行われる可能性が高いものと思われます。


戦後70年談話(安倍談話)の予備知識として
以上のように、過去の談話では日本はことごとく「反省」と「謝罪」を表明してきました。
国民も、なんとなくそれら、政府による「反省」と「謝罪」の表明を受け入れてきたというのが事実でしょう。

しかし、具体的に誰にむかって何を反省し、謝罪するのか、はっきりと認識し、指摘できる人はほとんどいないのが実情ではないでしょうか。

「日本の戦争の歴史」をしっかりと認識し、当時の日本人がどのように感じ、考え、対処してきたのかという、そのアウトラインをも知らずに、なんとなく、「日本はむかし、悪いことをした」「日本はむかし、無謀な戦争をした」と思っている人がほとんどでしょう。


我々戦後日本人が、そのような「漠然とした罪悪感」を強くもち、「日本は悪いことをした・無謀な戦争をした」と思い込んできたのは、戦後間もなく、占領軍が日本国民に施した、WGIPWar Guilt Information Programというプログラムに寄るものであることが判明しています。

このWGIP 「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画」と呼ばれ、具体的には「検閲」「焚書」という形で実行に移されました。

「検閲」は、主にマスメディアへの厳しい報道規制(プレス・コード)によって国民に対する情報をコントロールし、連合国に都合の悪い情報を制限することで行われ、実際に日本の報道機関は、以下の30項目からなる禁止事項を遵守させられました。

1)SCAP連合国軍最高司令官もしくは総司令官)に対する批判
2)極東国際軍事裁判批判
3)GHQ日本国憲法を起草したことに対する批判
4)検閲制度への言及
5)アメリカ合衆国への批判
6)ロシア(ソ連邦)への批判
7)英国への批判
8)朝鮮人への批判
9)中国への批判
10)その他連合国への批判
11)連合国一般への批判(国を特定しなくても)
12)満州における日本人の取り扱いについての批判
13)連合国の戦前の政策に対する批判
14)第3次世界大戦への言及
15)冷戦に関する言及
16)戦争擁護の宣伝
17)神国日本の宣伝
18)軍国主義の宣伝
19)ナショナリズムの宣伝
20)大東亜共栄圏の宣伝
21)その他の宣伝
22)戦争犯罪人の正当化および擁護
23)占領軍兵士と日本女性との交渉
24)闇市の状況
25)占領軍軍隊に対する批判
26)飢餓の誇張
27)暴力と不穏の行動の宣伝
28)虚偽の報道
29)GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及
30)解禁されていない報道の公表


それから、「焚書」とは、上記のような「検閲」による情報統制言論弾圧の妨げとなる書籍や刊行物を没収し、その発刊を禁止することをいいます。

つまり、戦後の日本人は、この「検閲」と「焚書」によって、「連合国が日本人に知られたくない事実」を徹底的に隠蔽され、「日本が悪いことをした」という罪悪感だけが日本人の心に刻み込まれような情報のみを与えられつづけてきたのです。

その結果、我々戦後日本国民は、「日本の戦争の歴史」をよく知らないにもかかわらず、なんとなく罪悪感だけは感じるという精神状態を作り出されたわけです。


村山談話や小泉談話、河野談話の「反省と謝罪」は、このような連合国の意向をそのまま汲んだ内容です。

また、このような談話を発表する態度が「日本人として正しい平和的な態度」であり、「過去の過ちを繰り返さない」ために、日本は謝罪・反省をする必要があるなどと、いまだに感じている日本人の感覚も、依然としてそのWGIPによるマインドコントロールから抜け出せていない状態にあります。


戦勝国である連合国は、日本人に、「日本がなぜ太平洋戦争を戦うに至ったのか」という、その歴史的な経緯を隠蔽しました。

つまり、「日本の戦争の歴史」の全体像です。

それは、15世紀から始まったヨーロッパ人による世界侵略により、アフリカからは黒人が奴隷として連れ去られ、アメリカ大陸では先住民が皆殺しにされ、アジアにおいても現地人が厳しい搾取や略奪、虐殺にあってきた、その侵略の流れが、19世紀末になってとうとう極東の日本にも迫ってきた、そして、その脅威に対し、日本人がどのように感じ、考え、対処してきたのかといういきさつと、さらにその時代の日本人の行動が、戦後の世界にどのような影響を与えたのかという実態です。


周囲のマインドコントロール下にある人々をよく観察してみてください。

それらの人々は、上記のような「いきさつ」と「実態」をまったく知らないか、もしくは、それらを知っていながら、自己の都合で「事実」を無視することにやましさを感じないような人々です。

彼らは、そのような 「歴史的事実」に基づいて自分の頭で何を反省し謝罪すべきなのかという「結論」を導き出すのではなく、「日本人は過去の過ちを反省するのが正しい態度である」という絶対的な思い込みがすべてに優先し、「謝罪と反省」という「結論」ありきでものを考えようとします。

そして、その思い込みの正当化に都合のいい「日本の失敗」ばかりを「事実」のなかからピックアップし、クローズアップして自己の思い込みの正しさを主張するのが常です。

もちろん、その思い込みが連合国の洗脳プログラム・WGIPによって刷り込まれたものであることはいうまでもなく、さらに、そのような結論ありきで考える予定調和的な思考回路も、連合国により頭に組み込まれたものであることは、戦後70年を経過した現在では、もはや、それ自体が隠しようのない「歴史的事実」となっています。


これまで、アメリカのコントロール下にありつづけた日本政府は、幾度も「謝罪」と「反省」を表明し続けてきました。

この期に及んで、我々日本国民は、何を反省し、謝罪させられることがあるのでしょうか。

また、謝罪と反省の必要が、仮にあるのだとしたら、何を反省し謝罪すべきなのでしょうか。


その答えは、「事実」のなかにだけあります。

隠蔽の末につくりあげられた戦勝国にばかり都合のいい事実」ではなく、客観的な世界史に、日本がどのように登場し行動するのかという「事実」です。

当サイトは、そのような観点から「ヨーロッパの世界侵略の歴史」と日本の関わりを、500年前にさかのぼってわかりやすく簡潔に解説し、日本国民の皆さんに戦後70年談話の予備知識としていただくべく公開しています。

(続く)