ならず者国家・中国、アレコレ!(30)

成長鈍化を受け入れよ

 「中国政府は財産を再分配できる制度を速やかに取り入れるべきです。驚くべきことに、中国には相続税がありません。それは、格差を助長させる要因にもなっています。資産を持つ者に対しては相続税を課すべきです。加えて中国政府は、所得税の納付状況を透明化した方が良いでしょう。それは、政府に対する国民の信頼を高めることにつながるはずです」

 ピケティ氏が格差の解消を強く求めているのは、富裕層に対する一般大衆の不満を解消させるためだけではない。このまま格差を放置したままでは、中国経済の発展が難しい段階に達しているとの認識がある。その最大の要因は、一人っ子政策による出生率の低下だ。世界最大の人口を誇る中国も近い将来、人口減少に転じるのは確実視されている。

 「人口の減少は、中国のGDPに確実に影響を与えます。2030年以降、中国の人口は減り始めます。同じ人口が多い国でも、生産人口を依然多く抱えるインドと高齢化が既に始まっている中国とでは、中身が全然違います。これから人口ボーナスが期待できるインドと、それが消失しつつある中国では、今後たどる道は明らかに違ってくるでしょう」

 中国が、安価で豊富な労働力を武器に高い経済成長を遂げてきたのは周知の事実。だが、その最大の強みと言われていた労働力も、近年は人件費の高騰人口減少で優位性が崩れつつある。

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中国でも数多く講演したピケティ氏。写真は201411月の上海での講演模様(写真=王辰)

 2桁の経済成長率が望めなくなった今、中国政府は経済構造の改善を通じ、成長の質を変化させることで持続的な経済発展を目指そうとしている。

 だからこそ景気が減速している現状を「新常態」と表現し、国民に成長鈍化を受け入れるよう促している。言い換えれば、それは大規模に資本や労働を投入することでリターンを得る従来型の発展の形との決別である。資本の効率性を高めると同時に、得られた収益を適正に分配できる経済モデルへの転換を意味している。

 幸いにも、足元の経済成長が鈍化しても失業率は高まっていない。徐々にではあるが、製造業に代わりービス業の雇用が増えているためだ。

 世界に通用する中国企業も次々と台頭している。斬新なスマートフォンを販売し中国のアップルとも評される小米科技(シャオミ)、中国語圏以外にも勢力を拡大するインターネット企業の騰訊(テンセント)、そして世界有数の家電メーカーとなった海爾集団(ハイアール)など、イノベーションの担い手は着実に増えている。

 新常態下で活躍するのは中国企業だけではない。中国の抱える問題を解決したり、拡大する中間層向けのビジネスを得意とする日系企業にもビジネスチャンスが広がっている。

(ピケティ氏のコメント部分は本誌取材、中国内での講演やインタビューでの発言を基に再編集した)

日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則

中国経済が歴史的な転換期を迎えている。世界2位へと駆け上がった高速成長時代に別れを告げ、安定成長構造改革を両立する「新常態の時代に突入した。その影響は、日本を含め世界経済を揺るがすインパクトを持つ。習近平国家主席は抵抗を受けながらも反腐敗運動を進め、格差の是正という難題を解決しようとしている。大きく変化する中国では役人との付き合い方も含め、ビジネスモデルを抜本的に見直す必要がある。経済が失速する中でも賢く稼ぐ鉄則を探った。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150403/279549/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt


 

ピケティ氏は次のように言っている。

 

・・・一握りの人がお金持ちになりました。それ自体は途上国の発展段階として自然な現象です。しかし、中国政府は富裕層が資本を独占することを規制し、低所得者層にも富がきちんと分配される仕組みを導入できていません


これこそが共産党(ならず者)国家・中国の本質をあらわしているもの、と小生には思えるのである。

 

中国共産党政権は、(国民)国家を作ったわけではないのです。国民のためではなく、共産党と言う団体のために国と言う組織を作ったのである。いわゆる中華人民共和国と言う巨大な軍閥組織(国家)を作り上げたのである。すべてが共産党に奉仕すべきもの、と定めている。国民が一致協力して、国民のためになるように国と言う組織を作ったわけではない。共産党と言う組織のために国と言う形を作ったのである。だから国と言う形態をしているが、いわゆる「国民国家」と言う概念ではないのであろう。その証拠に中華人民共和国という名称を吹聴している。

 

中国には人民しかいないのである。人民とはトップに君臨する共産党が、党に奉仕するためのものとして人民を育てているだけなのである。だから中国人民には基本的人権などはないのである。いわゆる、国民の、国民による、国民のための政治ではないのである。共産党の、共産党による、共産党のための政治なのだ。リンカーンの「人民の、人民による、人民のための政治」とは訳が違う。

 

だから共産党の意に反する事や者や物は、すべて即座に排除される仕組みとなっているようだ。共産党に富が配分されさえすれば、低所得者層に富がうまく配分されなくても、それはプライオリティの高い問題ではないのである。

 

だから共産党に富が入ってくれば、富がキチンと分配される仕組みなんぞは、それほど必要がないのであろう。

 

しかし現在は中国景気は下り坂である。格差が表面化して、失業がはびこり社会不安が発生しないとも限らない情勢となってきているのである。

 

今年2015年も残すところ後4日となりましたが、このブログも明日から年末年始のためお休みとしますので、よろしくお願いいたします。我々のこの日本と皆様に、よいお年を迎えられますようお祈り致しております。また来年2016年、身も心も元気に、お目にかかれることを楽しみにしております。

(来年に続く)