ならず者国家・中国、アレコレ!(53)

容赦ない汚職退治露骨な人事」は、台湾開放に向けた人民解放軍の強化の一環であることは紛れまないことだとは思うが、もう一つ日本開放(統治)に向けた重要な施策でもあろう。

 

中国人民解放軍は、日本に対して東シナ海自衛隊を撃滅し、釣魚島を奪取する能力を持たねばならないと、新たな指示を受けている」と言う事も、全くの事実であろうと確信できる。南シナ海の人工島の要塞化は、日本のシーレーンに対する完全なる障害となる。日本は完全に干上がる。

 

そうなれば尖閣諸島への侵攻も容易なことだ。中国による尖閣諸島への侵攻なんぞは夢物語だ、などとうそぶく輩は中国の手先だ。中国は本気で尖閣侵攻を計画している。

 

事実丁度一年前の記事ではあるが、人民日報は大閲兵式の目的を以下の四つだと報じている。

 

1中国の軍事実力をお披露目する。

2日本を震えあがらせて、世界に向けて戦後の世界秩序を中国が維持していこうという固い決心を見せる。

3国民に自国の軍容、軍心、軍貌、軍備を見せて自信と誇りを与える。

4党と人民が解放軍を掌握していることを見せて腐敗分子に紀律検査委や司法以外の方法でも彼らを罰する実力があることを示す。

 

この3】【4は、明らかに国内向けのものである。中国人民にパレードを見せて「自信と誇り」を持たせるものであることは確かだが、【4】は、江沢民派(上海閥)などの習近平勢力に対するものであろうし、暗黙裡に習近平の反腐敗運動が正当なものであると、人民に強制している。

 

1は、中国の軍事力を世界(特に日米)に示すものであり、いかに中国軍事大国になったかを自慢するものである。決して台湾向けのものではなかろう。

 

台湾一か国だけを対象とすれば、今の中国の軍事力からすれば台湾を抹殺するに十分すぎる実力を持っている。このことは中台双方とも十分理解している筈だ。しかし米国が台湾の組んで対抗すれば、明らかに中国はひるむことになる。そのうえ日本もそれに加担してくれば、中国としても到底勝ち目はない、と考えている。

 

しかしここまで中国の軍事力は強くなったのだぞと、習近平は自負している。今や日米に対抗できるまでの実力を付けてきていると、習近平は考えている。だからそれを世界に、特に日米にひけらかす必要があったのである。

 

そこで尖閣諸島を国有化した日本に対しては、まことに気に入らないのである。習近平尖閣諸島を中国のものにしたくて、したくて仕方がないのだ。今や実力も実績も十分備わっている。いつでも尖閣諸島なんぞは、奪取できるのだぞと威嚇したくて仕方がないのだ。

 

2は、だから、いつか尖閣諸島に攻め入るぞ、日本は無駄な抵抗はするな、と言った意味合いを持たせたものである。

 

いつ尖閣諸島奪取作戦を実行に移すかは定かではないが、ここは一丁日本に噛ましておく必要がある。そうすればあの安倍晋三も震え上がるのではないか、ぜひとも震え上がらせたいと考えたとしてもおかしくはない。

 

このように、中国がやろうとする軍事パレードに対しては、我々日本人は、考えておく必要があるのではないのかな。

 

台湾に対する威嚇」が第一で、「日米に対する威嚇」は二の次、三の次だとする考えはそれ相応の正当性は感ずるが、少し甘いのではないのかな、とも小生には思われるのである。

 

まあ日本に対する威嚇は間接的でも直接的でも、台湾進攻に対する中国の事前対抗手段とも考えられるので、「台湾に対する威嚇」が第一だとも考えられるが、それでも台湾に対するよりも日米に対する威嚇が第一となるのではないのかな。

 

事実台湾の総統選挙はすでに大勢は決まってしまっている。今更中国が軍事力をひけらかしても蔡英文は選ばれてしまうので、どうしようもない。

 

2014/11の台湾の地方統一選挙では与党国民党が大敗して、独立志向の強い民進党が圧勝している。そのため馬英九は国民党主席を辞任する羽目となった。…だから次の総統選では国民党が負けることはわかっていた筈ではなかったか。

 

だから、「独立などしたら、反分裂国家法がものを言うぞ!」という威嚇を台湾の独立志向を抱く者たちに発信し、威嚇をするのが、93日の軍事パレードの主目的なのである。2016年の総統選で、「独立志向の強い民進党を選んだら、承知しないぞ!」というメッセージだ。』と遠藤誉氏の考えは、半分は正しくて半分は間違っていると小生には思えるのである。

 

正しい半分とは「独立などするな」と言う威嚇で、正しくない半分は「民進党には投票するな」と言う威嚇である。民進党に投票するな、と威嚇しても台湾国民に対しては、すでに何の効果もないことが証明されているからである。そんなことをすれば却って民進党を利するだけとなる。何となれば台湾人には、自分たちは台湾人だと言う「本土意識」が強く芽生えてしまっているからである。

 

だから日本を台湾から引き離す意味もあるから、尖閣諸島を奪取することは中国にとって重要事項である。尖閣諸島は中国にとって、革新的利益だと言い繕ってまでいる。(続く)