ならず者国家・中国、アレコレ!(67)

舞台は、香港“内幕暴露本”出版店・銅鑼湾書店である。

以下中国政府によって拉致・監禁された銅鑼湾書店の関係者の一覧をご覧あれ。

 

(1)

銅鑼湾書店の創始者は、台湾書籍卸売業・林栄基

その後銅鑼湾書店が巨流伝媒集団桂民海が投資)に身売りされる。

 

 

(2)

銅鑼湾書店・筆頭株主桂民海スウェーデンドイツ在住実業家、巨流伝媒集団に投資)

1964年寧波生まれ1985北京大学歴史系卒

2015.10.17失踪タイ・パタヤの所有リゾートマンションで拉致される。

後日男4人が訪れパソコンを押収している。同時に本人から管理部門に「心配ない」との電話。

2015.11.06ドイツの妻に本人より「無事だ」との電話もある。中国当局によるやらせである。

 

共産党の”双規”に対する批判本の出版計画や習近平下半身スキャンダル本の出版計画などがあり、これが原因ではないかと言われている。

 

(3)

銅鑼湾書店・創始人、店長林栄基(雇われ店長となる)

2015.10.24失踪、香港でパソコン操作後行方不明、61才の香港人

2015.11.05妻が警察へ行方不明届、数時間後本人より取り下げ依頼の電話がある。

2015.11.06海外メディアへ本人より「無事だ」との電話もはいる。

 

(4)

銅鑼湾書店・株主・呂波

2015.10.26失踪、妻が広東省深圳住まいの中国人で、そこで拉致される。

その後、本人から家族に「大丈夫だ」と電話あり。

 

(5)
銅鑼湾書店・経理担当・張志平

2015.10.26失踪、広東省東莞の中国人妻の実家で十数人の男に連行される。その後本人より電話あり。

深圳は香港より約30km、東莞は約90km離れいるが、いずれもすぐ近くの都市である。

 

(6)

銅鑼湾書店・店主・李波英国籍保持者

2015.12.30香港の書店で「倉庫に行く」と言った後に失踪、大陸に行くためのビザ回郷証は自宅にあるので、自分の意志で内地に行ったのではない。

2015.12.31妻が香港警察へ行方不明届、2016年初に会社に本人直筆のFax、失踪届取り下げを依頼して、中国内地に戻って調査に協力しているので時間がかかるとのこと。

 

(7)

以前にも中国にとって都合の悪い著名人の拉致事件あり。

亡命華人作家・余傑の「中国教父習近平」の出版人姚文田

2013.10に深圳で逮捕、懲役10

 

 

中国に拉致・監禁されている人物の中には、スウェーデンや英国の国籍を取得している中国人もいるので、この論考では「もはや香港人だけでは香港を守りきれなくなってきている。ここで、国際社会が何もアクションを起こさなければ、香港の一国二制度は完全に失われてしまうだろう。

 このまま、香港が食われてしまうのを、私たちは黙ってみていていいのだろうか。」と言っている。

 

 

まさに至言である。いくら経済的に深い関係となっていようが、このような不法で無法な中国のやり方を許してはならないのである。ことあるごとに国際社会は中国に非難や批判の言葉をぶつけていかなけれならない。さもなくば、地球全体が中国のものとなってしまいかねない。アメリカのオバマが黙っていたので、南シナ海では中国は勝手なことを堂々と仕出かしているのだ。

 

日本政府も対岸の火事だと手をこまねいていてはいけないのだ。そのうちに日本の土地が中国人の手に渡り、中国のものとなりかねないのだ。言うべきことはしっかりと言っておくことが必要だ。

 

タイのような外国で、外国籍華人を拉致するのもひどい話だが、香港という一国二制度による自治を中国自身が約束している地域で、香港の司法を完全無視して外国籍を持つ人間が拉致、連行されてしまうなど、許されていいわけがない。」と言っているように、共産党中国政府では国際法に従う意思など、疾(と)うに持っていないのだ。中国では「法治」ではなく、「党治」と言うのが統治なのである。

 

我々もこの件については相当頭にきているのであるが、福島香織もよほど頭に来たようで2週間後にその”続き”を発表している。その気持ちよくわかります。

 

 

 

中国の「越境拘束」、タイや香港で続発の脅威
中国に屈した周辺国で「知識人狩り」止まらず

2016127日(水)福島 香織

 

 以前、このコラムで紹介した銅鑼湾書店関係者失踪事件は、恐れていたことが現実になった。中国当局筆頭株主桂民海(桂敏海)李波を拘束していることを認めたのだ。タイのパタヤにいたスウェーデン国籍桂民海や、香港にいた英国籍李波が、中国公安当局の手元にいる。しかも、そのあとも、タイでネットニュースサイトの元編集者が忽然と消え、おそらくは中国公安に拘束されていると見られている。香港を含めた東南アジアで、次々と起こる「中国の越境拘束」。日本を含む国際社会は、なぜこの無法を問題視しないのか。事件の続報も含めて、今の中国や中華圏で起きている状況をまとめてみたい。

「中国のテレビで懺悔」の不自然

 10月中旬、タイのパタヤのリゾートマンションから謎の中国人に連れ去れらたと伝えられていた香港の禁書書店・銅鑼湾書店の筆頭株主桂民海は、117、なぜか桂敏海という漢字一文字を入れ替えた名前で中国公安の拘束下にあることが公式に発表された。中国側によれば桂民海は通名であり、桂敏海が本名であるという。

 例によって117日、本人がCCTVのニュース番組中で、罪を認め、懺悔した。彼は自ら2003年に起きた飲酒運転による女子学生死亡交通事故の犯人であることをテレビ画面に向かって告白し、20048月に懲役2年、執行猶予2年の判決を受けるも、怖くなって逃亡した。だが、遺族の気持ちを思うとやましくなり、自らの意志で中国に渡り中国公安当局に自首したのだという。

 彼は「この件にスウェーデン政府が干渉することを望まない」と強調。「自分が1人の中国人であると感じている」と涙ながらに訴えた。

 この顛末の不自然さは、多くの人が気づいている通りだ。本当に裁判で執行猶予付きであったならば、桂民海に逃亡の必要性はない。それよりも、2003年の事件について執行猶予付き判決を受けたのは本当に桂民海であったのか。事故記録にある桂敏海の名前と桂民海は同一人物なのか23歳の寧波紡績学院の女子学生が飲酒運転の車にはねられて死亡したこの事件は当時、中国でも盛んに報じられた。

 この時の報道では、犯人の名前は"桂某"と匿名であったが、事件を報じるCCTVの画面にちらりと「事故調査報告書」が映っている。それには容疑者は「桂敏海、46」とあった。公式の資料によると、桂民海は1964年生まれ、1985年に北京大学を卒業。とすれば2003年の事故当時、彼は39であり、桂民海と桂敏海は名前が一字違うだけでなく、年齢が合わない、ということになる。この不自然さに、一部の中国ネットユーザーから「中国公安当局のシナリオが甘い!」とダメ出しが出ている。


(続く)