続・次世代エコカー、本命は?(2)

A昇順の表の、合計点Aと、総合評価Bとを見比べてみると、両者の点数の相関として(仮にあったとして)、次のような関係が見受けられる。まあこれは小生が、偏見と独断で区切ったものであるので、異見もあるかと思うが、とりあえずこの区切りでの対比表で、以下の話を進めてみたい。

 

   対比表

合計点A 総合評価B

 60~70   10

 55~59    9

 49~54    8

 44~48    7

 42~43    6

 38~41    5

 32~37    4

 20~31    3

 

 

また「A昇順」の項目は、合計点の多い順の番号であり、合計点Aとしては最高点から最低点に、降順に並べてある。

 

合計点Aが高いほど、この「間違いだらけのクルマ選び」の筆者の島下泰久氏にとって、良いクルマとなっている、とみてよいのではなかろうか。

 

この表で、上位10車種を見ると、総合評価Bはすべて98で、合計点Aは56以上である。上記の対比表でチェックしてみると総合評価Bは9以上が妥当なところとなる。まあまずまずのところで対比表の関係に近いところに収まってはいるが、総合評価Bは8ではなくてすべて9でもよかろうと思われる合計点Aとなっている。

 

 

この合計点Aは島下氏がクルマの特性を項目別に分けて評価した点数なので、ある意味より具体的なものと見ることができるが、もう一つ総合評価Bという評価点であるが、これは先にも言及したように項目別評価の総合と見てよいのであるが、必ずしもその合計点Aとは相関してはいない。そのためこの総合評価B1~7項目の評価項目と同列に見てもよい評価項目と見立てて合計点Aに加えて、新たに総合評価点を作ってみることにした。

 

ただし、総合評価Bと言っている以上、1~7項目の評価項目よりも重要であると思われるので、それを2倍して足してみることにした。それが先にも言及しておいた(A+2B)と言う評価点である。

 

この(A+2B)評価は、合計点Aよりも総合評価Bをより重視した総合評価の新合計点となる。当然この(A+2B)評価の順位は、合計点Aの順位と異なってくる。その両者の順位の差が大きければ、島下氏の総合評価に何らかの偏りが掛かっていることになると判断できる、と勝手に考えたのである。

 

簡単に言うと、合計点が高ければ必然的に総合評価も高くなる筈であり、反対に総合評価が低ければ合計点との整合性が取れなくなる、と考えたのである。だから総合評価Bを合計点Aに加えて順位づけしても、それほど順位は変わらないのではないか、反対に両者の順位が著しく変わっていれば、この個別評価項目の評価と総合評価の間に我々のわからない島下泰久氏の何らかの思い入れが存在することになる。この順位の差が(便宜上)6以上あるものには、特に何らかの思い入れがあるものと考えて次の様な疑問点を付けた訳である。

 

 

これが小生が指摘したい点である。

 

まず合計点Aベスト10を見てみよう。

 

トヨタ自動車製のクルマが、6台、

マツダ製のクルマが、3

ホンダ製のクルマが、1

 

となっている。その中には、燃料電池MIRAI6位となっているのは、まことに喜ばしいことである。

 

そして業界トップでしかも世界で最初に燃料電池車を一般販売したトヨタと、フォードと手を切りスカイアクティブとロータリーで意気軒昂なマツダでその大半を占めていることも、意義深いものを感ずるのである。

 

一台「ジェイド」とかいうホンダ車が紛れ込んでいるが、と言っては失礼になってしまうが中身を読むと、べた褒めなので相当良い車なのであろう。

 

(1)の疑問

 

しかしA+2Bの評価で見ると、アテンザ・セダンとCX-3と言うマツダ車が抜けて、そのかわりにホンダのS660という軽のスポーツカーとスズキのアルトというセダンの軽自動車の2台がベストテン入りを果たしている。

 

この軽の2台は、いずれも総合評価Bが10点満点でそのため、合計点Aが5554と低いにも関わらずA+2B評価ではベストテン入りとなっている。

 

このことは先の対比表で検証してみると、

 

総合評価Bが10なら合計点Aは、60~70の中に入っていてもおかしくないのだが、5554とA点は低くなっている。だから個別評価の合計点A を主に考えるのであれば、総合評価Bの10は高すぎるのではないか、という疑問がわいてくる。この109に減じてみるとかろうじて対比表の中に納まりそうな位置にくる。するとA+2B評価も2点減少して、7372となりそれなりの位置に来る。それにしてもアルトの安全性が1というのには?が付いてしまう。

 

だからこの2車種は、軽自動車としては相当良い車なのであろう、と島下氏は買っているということである。

 

(2)の疑問

 

ホンダの燃料電池車「クラリティ・フューエルセル」であるが、合計点Aが53で総合評価Bが6は低すぎる。リース販売という腰の引けた姿勢に対する政策的評価の結果であるが、現実的なところ(物理的な評価)では6→8といったところであろう。まあこの総合評価Bとしてはクルマ全体を見た評価でもあるので、その社会的な背景も評価の対象となるから、これはこれでやむを得ないのであろう。当然A+2B評価では、順位はさらに落ちてしまう。

 

次の記事は2015.11月の東京モーターショーで、ホンダがFCV 「クラリティ フューエルセル」を世界初披露したときに発表されたものについてのコメントであろう。

 

 

ホンダの燃料電池車は、何がスゴイのか 先行するトヨタ「ミライ」を上回る性能

木皮 透庸 :東洋経済 記者

2015113

 

当初は官公庁や企業にリース販売、個人への販売は早くても2017年以降を計画(撮影:風間仁一郎) クラリティimg_4a488c75347c0f8b5c9aca56fe99c771564245 s5nk

「環境性能はもちろん、運転する楽しさや使う喜びも持つ」

ホンダの八郷隆弘社長は新型燃料電池車(FCV)「クラリティ・フューエル・セル」を東京モーターショー(11/28,29プレスデー、10/30~11/8一般公開)世界初披露した。20163月に日本で発売し、その後、米国や欧州にも展開する。

水素と酸素を反応させて生み出した電気を動力とするFCVの開発にホンダは1980年代後半に着手。2002年以降、リース販売モデルを出してきたが、量販型では201412月発売のトヨタの「ミライ」に先を越された。
(続く)