続・次世代エコカー・本命は?(3)

実質価格は558万円

今回の新型車にはトヨタへの対抗意識が随所に垣間見える。ミライの一充填あたりの走行距離は650キロだが、ホンダの新型車は700キロ以上。また、FCVのパワートレインを出力を上げつつ小型化したことで、世界で初めてセダンのボンネット内に収めることができた。その分、キャビンに余裕ができ、ミライが4人乗りのところをクラリティは5人乗りを実現している。

価格面でも競合させている。クラリティは税込みで766万円。国の補助金208万円出るので、実質的には558万円。ミライは7236000円だが、実質的には約522万円。約40万円の差だ。クラリティの開発責任者を務める、本田技術研究所清水潔・主任研究員は「ミライをベンチマークした上で、装備の差を分析して値付けした」と明かす。

先行するトヨタのミライは発売から1カ月で約1500台を受注した。ただ、組立はほぼ手作りのため、1日にわずか3台しか作ることができない。今年は年間700台、2016年には2000台、2017年には3000台まで生産を拡大する方針だ。

5人乗り仕様とした「クラリティ・フューエル・セル」(撮影:風間仁一郎)
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一方のホンダは栃木県高根沢町の拠点で年間200の生産から開始する。当初は官公庁や企業へのリース販売になるが、既に200台の枠はほぼ埋まっている状況だ。将来的には埼玉県の量産工場に生産を移管するが、個人への販売は早くても2017年度になる。

リースからの販売にしたことについて、ホンダでパワートレイン開発を統括する三部敏宏執行役員は、「だいぶ品質問題で勉強したので、絶対の品質で出すためにも慎重に立ち上げていきたい」と話し、20132014年に相次いだ基幹車種「フィット」などの品質問題が影響したことを認める。

年間の生産台数が少ないのにも理由がある。「一番難しいのは燃料電池」と清水・主任研究員が語るように、板状のセルを400近く積み重ねて構成する燃料電池を安定的に量産できる技術はまだ確立できているとはいえない。FCVの価格が高いのもそのためだ。


FCV普及にはインフラ整備が課題

FCVの普及に欠かせないのが水素ステーションだ。整備費は1ステーションあたり45億円かかるとされ、一般的なガソリンスタンドの5倍以上と非常に高額だ。国は整備費の2分の1を補助するなどして、2015年度中に累計で100カ所の水素ステーションを整備する目標を掲げる。4大都市圏を中心に28カ所が開所済みで、計画を含めると、年度内に81カ所にまで増える。

年間3000万~4000万円かかるとされる人件費や修繕費などのランニングコストについては、3分の22200万円上限)を国が、3分の11100万円上限)を自動車メーカー3社(トヨタ・ホンダ・日産自動車)が補助する。自動車メーカーとしても水素ステーションの普及をただ待つのではなく、「花とミツバチ」のような共生関係を前提に、普及を後押しする。

世界的に環境規制が厳しくなる中で、自動車メーカー各社は、ハイブリッド(HV)や充電が可能なプラグインハイブリッド(PHV)、電動自動車(EV)などエコカーの開発にしのぎを削る。ホンダは全方位で開発を進めているが、「今のガソリン車とまったく同じ使い勝手で、CO2の発生がゼロという観点では、FCVエコカーの究極の形」(三部執行役員)と考える。自前での開発にこだわりがあるとされるホンダにあっても、FCVについては、ゼネラルモーターズGMと基幹部品を共同開発するほどの力の入れようだ。

発表会で八郷社長が語ったように、FCVが当たり前の乗用車として普及する時代が来るのか。その先鋒として登場するクラリティ・フューエル・セルが背負うものは大きい。

http://toyokeizai.net/articles/-/90855

 

 

 

 

(3)の疑問

 

レクサスLSの総合評価Bの6は低すぎる。合計点Aが50ならば、7or8が妥当なところ。反対にシビック・タイプRのB点9は高すぎる。A点が49なら7or8といったところである。走りを主としたスポーツ車の範疇で考えるので、合計点Aと総合評価Bは一致しやすい筈ではないのかな。だからA+2Bの順位が39→29位と上がって当然なのであろう。反対にレクサスLSの38→47は解せないのである。6の意味を知りたいものだ。

 

(4)の疑問

 

ハリアー、カムリ、GT-Rの3車種の合計点Aはいずれも48なので、総合評価Bの6は低すぎる。最低でも7であろう。特に6に下げる理由が見当たらないと思われるのだが。

 

(5)の疑問

 

フーガの総合評価Bは6→7で、ハスラーは反対に高すぎるので9→7に下げるべきであろう。でなければ合計点Aはもっと高くてもよかろう。

NSXの安全性評価の空欄はなぜか。

コペンの総合評価Bは8→6or7ではないか。でなければ44→50に上げてもよいのではないのか。

 

 

といったところであるがこれはあくまでも私見であり、さらにはクルマとしての個別評価項目の評価(合計点A)を主にした考えであり、政策的判断趣味の問題も加味すると違った評価になるのは当たり前である。だから(A+2B)評価の方が島下泰久氏の好みの評価と一致するのではないかと思われる。

 

だからS660、アルト、シビック・タイプRの評価順位が上がり、反対にアテンザ・セダンとCX-3は順位が落ちてしまっている。

 

また燃料電池MIRAIはいずれの評価でも、ベストテン入り(6位と8位)していることは喜ばしいことであるが、ホンダの燃料電池がベストテンからはるかに外れてしまっている(33or26位)ことには、いささか惜しい気もするが仕方がないことであろう。ホンダも頑張って早く一般販売を始めて、水素社会の道を切り開いていって貰いたいものである。技術的にも大分大きなことを言っているようなので、早くそれを一般にひけらかして貰いたいものである。

 

高々年間200台、しかもリース販売であってはホンダがFCVを発売したからと言って、水素ステーションの普及に拍車が掛かるものではない。トヨタも肩透かしを食った感じではないのかな。まことに残念である。まあこんなところが6となった理由であろう。

(続く)