米グーグルやフォードなど5社、自動運転車の普及団体設立
- 2016/4/27 3:02 (2016/4/27 3:36更新)
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- 日本経済新聞 電子版
【シリコンバレー=小川義也】米グーグル、米フォード・モーター、配車仲介大手の米ウーバーテクノロジーズなど5社は26日、自動運転車の普及団体を設立したと発表した。米国における自動運転車の普及の前提となる安全基準などで、州ごとではなく連邦政府レベルでの統一された制度整備を働きかけ、早期の実用化を目指す。
グーグルが設計した自動運転車のプロトタイプ
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「より安全な道路のための自動運転連合(Self-Driving Coalition for Safer Streets)」の創設メンバーはグーグル、フォード、ウーバーに配車仲介の米リフトとスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーを加えた5社。団体の顧問兼広報担当者には、2014年まで米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の局長を務めたデイビッド・ストリックランド氏が就任した。
ストリックランド氏は声明で「自動運転車の技術は米国の道路をより安全にし、混雑を減らす。このイノベーションを実現する最善の道は、連邦政府が統一した基準を作ることだ。我々は自動運転車の開発を促す最適の解決策を見いだすため、政策当局と協力していく」と述べた。
米国ではカリフォルニア州が昨年12月、免許を持った人間が運転席に座ることなどを義務付ける独自の規制案を公表。自動運転車の開発や利用を目指す企業の間では、州ごとにバラバラの規制ができることへの懸念が出ている。
オバマ政権は今年1月、自動運転車の実用化や普及を後押しするため、今後10年間で40億ドル(約4500億円)を投じる計画を発表。NHTSAは今月8日と27日に公聴会を開催するなど、自動運転車の安全性に関する統一された指針の策定に乗り出している。
グーグルの広報担当者は日本経済新聞の取材に対し「完全自動運転車は(交通事故から)人命を守り、日常生活をより便利にする可能性を持っている。この目標の実現に向け、市民団体やそのリーダー、企業、規制当局と連携していきたい」と述べた。フォードの広報担当者は「連合の他のメンバーとともに、完全自動運転車の普及を後押しする政策を支持していく」とコメントした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN26H2P_W6A420C1000000/
グーグルが自動運転に固執している理由は、「交通事故の撲滅」を図るためである。グーグルでのSelf Driving Carの開発責任者のセバスチャン・スラン氏は、18才の時に交通事故で親友を失っている。1985年のことである。交通事故は大半が人間のミスによるものであり、そのためそのミスは自動運転などの機械の力で防ぐことが出来ると考えて自動運転車の開発に精力を注いでいる。
(http://www.aoky.net/articles/sebastian_thrun/google_s_driverless_car.htm などを参照のこと。)
コンピューター科学者(AI研究者)であったセバスチャン・スランは、2005年DARPAグランドチャレンジと言う米国の国防高等研究計画局(Defense Advanced Reserch Projects Agency DARPA)主催のロボットカーレースで優勝している。セバスチャン・スランは、このときはスタンフォード大学の講師を務めていたが、2007年からグーグルの自動運転車の開発も指導している。しかし2014年8月に、オンライン教育に専念するためとグーグルを去っている。
スランは、やがてはロボット技術が社会に蔓延するだろうと考えている。そのため人間は機械(AI)に使われるのではなく機械(AI)を使うようにならなければならないと考えて、そのための教育を始めたと言われている。そのための教育機関を設立して、その事業に専念していると言う。大したものである。
世界の自動車メーカーを震撼させたGoogleの自動運転車
人工知能は自動車の世界にも大きく関わっていますが、自動運転車のパイオニアは、自動車メーカーではなく、Google社でした。自動車の開発とはほぼ無縁と思われていた米IT大手の「Google」が2010年に2代目プリウスをベースにした自動運転車を発表した際、世界の自動車メーカーは大きな衝撃を受けました。
その直後からGoogle社では実際に公道で自動運転車のテスト走行を開始しました。各種センサーと自動走行システムを装備したGoogleの自動運転車は、プリウスとRX450hなど全部で32台あります(そのうち23台がレクサスRX450h)。
(続く)