続・次世代エコカー・本命は?(92)

トヨタ、新型PHVの発売延期 後部ドア生産遅れ

2016/8/3 20:23
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 トヨタ自動車が新型プラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」の発売を延期する。当初は今秋を予定していたが、今冬に遅らせると3日に発表した。新型車はトヨタ車としては初めて、軽く丈夫な樹脂でできた後部ドアを採用する計画。この生産が遅れており、当初の発売時期までに必要な台数がそろわないと判断したもようだ。

 部品メーカーに同日、今秋の新型プリウスPHVの生産計画を下方修正すると伝えた。10月は4000台から1500台程度に減らしたもようだ。関係者によると、トヨタは樹脂部品を多用したスポーツ車の生産実績がある元町工場(愛知県豊田市)で後部ドアを生産するが、安定的に量産するのに時間がかかっているという。

 トヨタは家庭用電源で充電可能なPHVをハイブリッド車(HV)に続く環境対応車の柱と位置付け、2012年にプリウスPHVを発売した。全面改良によりガソリンを使わないで走行できる距離を伸ばし、約7万5000台にとどまっている販売に弾みを付ける計画だった。

http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXLASDZ03I02_T00C16A8TI1000

 

 

 

今年トヨタは、熊本地震などによる部品供給が滞り3度も生産ラインを止めている。そのために2016/1~6月の世界販売は500万台を割り、VWを下回っている。トヨタは下半期でこの生産後れを挽回して、巻き返しを図るつもりであった。その挽回生産のためにプリウスPHEVの新車立ち上げを少し遅らせるのかなとも思ったが、豈図らんや、そんなことではなくて単に新車の生産が出来なかったと言う事のようだ。最近のトヨタにとっては珍しいことではないのかな。だから肝心な時に大ボロが出てしまったことになる。何といってもその増産対象には、このプリウスPHEVも一役買わせるつもりであったからである。新型プリウスPHEVの生産は、愛知県豊田市堤工場9月後半より月間4,000台から5,000台ペース(6万台/年)で生産する計画だったと言うから、生産延期は相当の痛手となる筈だ、少なくとも心理的にはかなりのショックをトヨタに与えるものである。

 

 

トヨタ>1〜6月期世界販売500万台割れ VW下回る

2016072820:33毎日新聞

 トヨタ自動車は28日、2016年上半期(1〜6月)の世界販売台数(ダイハツ工業日野自動車を含む)が、前年同期比0.6%減の499万2000台だったと発表した。海外販売が5年ぶりの前年割れとなり、国内も軽自動車の販売が低迷。熊本地震などで車両生産が一時停止した影響もあった。フォルクスワーゲン(VW)の511万6800台を下回り、上半期は2年連続で首位を明け渡した。

 トヨタの販売台数が上半期で500万台を割ったのは3年ぶり。海外はインドネシアなど新興国の一部で好調だったが、北米や中東で低迷し、全体では0.7%減の386万台。国内は新型プリウスなどの販売が好調だったものの、0.2%減の112万台にとどまった。グループ会社の工場で相次いだ事故や地震の影響で計18万台の生産が遅れ、軽自動車税増税ダイハツが7.7%減になったことが響いた。

 一方、VWは排ガス不正問題の影響が残ったが、傘下の高級車ブランド「アウディ」などの販売が好調で、グループ全体では1.5%増加した。米ゼネラル・モーターズ(GM)は1.2%減の475万台だった。

 15年の暦年の販売台数は、排ガス不正でVWが993万台にとどまり、1015万台のトヨタが4年連続で首位だった。16年はトヨタが1011万4000台の販売を計画し、VWも1000万台以上を目指す。トヨタは新型のプリウスPHV(プラグインハイブリッド車の投入などで下半期に巻き返しを図る構えだ。【竹地広憲】

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20160729k0000m020060000c.html

 

 

もう一つ、プリウスPHVは加州の2018ZEV規制をパスする対象車で、トヨタ燃料電池車ミライと共にこのプリウスPHVで、対応する予定である。まだ1年あるとは言え、これではトヨタも台無しである。但し態々(わざわざ)国内と断っているからには、加州向けなどは予定通り今秋の発売となるのかな。

 

 

新型プリウスPHVの(国内)発売時期を延期

20160803日 

 TOYOTAは、新型プリウスPHV(国内)発売時期を、当初予定していた今秋から、今冬に延期することといたしましたので、お知らせいたします。

 プリウスPHVは、20121月からハイブリッドに次ぐ次世代環境車の柱として発売を開始し、現在までに日本、米国、欧州を中心に、約75千台(20167月末時点)を販売しております。今回モデルチェンジ予定の新型車は、4代目プリウスをベースとしながら、EV走行距離の大幅拡大や先進的なデザインの採用など、お客様がPHVに求められる要望に応えることで、電気を活用した新しいカーライフスタイルを提案できるクルマを目指し開発に取り組んでまいりました。

 今回、お客様により良いクルマを着実にお届けするため、発売時期を延期することを決定しました。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。

http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/13014343/

 

 

新型プリウスPHV(国内)発売時期は、ネットニュースなどによると、9月に受注を開始して、10月26日頃に発売を始めると言う事だったようなので、計画通りなら10月26日から引き渡しが始まると言う事に対して現状の生産遅れの状況ではさばき切れないことになり、それこそマスコミなどから盛んに突つかれることとなろう。こういうことに対してトヨタはとても神経質である。

(続く)