続・次世代エコカー・本命は?(104)

Wikipediaによると、この車両規定は次の通りである。

 

LMPとは、Le Mans Prototypeの略で、レース専用に設計されたプロトタイプレーシングカーを意味する。

 

LMP1が、カーメーカー系ワークスや有力プライペーターが参加する独自設計できる車両規定で

 

LMP2が、プライペーターを対象として、市販シャーシと市販エンジンを組み合わせた車両規定

 

LMP3が、入門カテゴリーでワンメイクであると言う。

 

 

更にLMP1は、ハイブリッドカーとそれ以外と言う2つの車両規定に分かれている。

 

LMP1-HybridLMP1-H)は、ハイブリットカーを対象としたもので、ワークス系はこの規定での参戦が義務付けられている。だから「トヨタアウディ、ポルシェ3メーカーはいずれもLMP1-Hで」戦わなければならない規定となっている訳だ。ハイブリッドカーであることを、赤字に白文字で「HY」と表示しなければならないことになっており、だから『メルセデス AMG、「心はトヨタにある」』のトヨタTS050 HYBRID写真を見れば、そのことがよくわかる。このクラスには、Energy-Recovery System (ERS)の搭載も許されている。そして回生できるエネルギー放出量は、8MJメガジュールとなっている。

 

LMP1-non Hybridは、プライベーター用の車両規定となっている。

 

 

と言う事はさておいて、トヨタの無念さは如何ばかりであったことか。察するの余りある。

 

豊田章男社長のコメントに、余すことなく表れている。

 

 

 

ル・マン24トヨタ、優勝目前ラスト2周で悲劇!章男社長「信じがたい光景が目の前に…」コメント全文

オートックワン 20166201224(20166241908分 更新)

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618日・19に開催された2016年の「ル・マン24時間レース」が幕を閉じた。トヨタTS050 HYBRID #5号車がトップを快走し、「レースは最後まで何が起こるかわからない」という不安がありつつも、誰もが心の中でトヨタの優勝を確信しただろう。そんな中で残り2周、24時間レースの23時間55が経過した時のことだった。#5号車をドライブする中嶋一貴選手の「No Power! No Power!」という声が無線から響き渡り、誰もが目を疑いたくなるような光景が目に飛び込んできた。

#5号車がスロー走行…そして最後のストレートでマシンが停まってしまったのだ。これまで順調に周回を重ねてきた#5号車に、「神様のいたずら」「サーキットの魔物」などの言葉では決して片付けられないような不運が起こってしまった。その後再びゆっくり走り出すも、規定の6分以内に最終周を走り切ることが出来ず、失格となった。

原因はまだ発表されていないが、応援していたファンはもちろんだが、ドライバーやチーム関係者の落胆は計り知れない

>>ル・マン24 フォトギャラリー(39枚)

中嶋選手は「まず、チームの皆に有り難うと言いたいと思います。TS050 HYBRIDは運転しやすく、すべては上手行っていました。レースの終盤、僅か20秒後ろをポルシェ#2号車が追い上げて来ましたが、上手くペースを作ることが出来、心配はしていませんでした。しかし、2周を残したところで万事休す。

 

トロフィーを手にすることが出来なくなりました。最終周に、私がTS050 HYBRIDで走リ出すとマーシャルやファンはとても暖かく迎えてくれて、感情が高ぶるのを覚えました。来年こそトロフィーを獲得しに帰って来ます」とコメントしている。

そして今回、豊田章男社長もコメントを発表。「ル・マン24時間耐久レースに、ご声援を送っていただいた皆様に心より感謝申しあげます。本当にありがとうございました。TOYOTA GAZOO Racingは、『敗者のままでいいのか』と、あえて自分達にプレッシャーをかけ、今までの悔しさを跳ね除ける戦いを続けてまいりました。メカニック、エンジニア、ドライバー、そしてサプライヤーの皆さま…戦いに携わる全ての者が、力を尽くし、改善を重ね、『もっといいクルマ』となって戻ってこられたのが、本年のル・マンであったと思います。ついに悲願達成か…と、誰もが、その一瞬を見守る中、目の前に広がったのは、信じがたい光景でした。トヨタのクルマも、速く、そして強くなりました。しかし、ポルシェは、もっと速く、そして強かった…。決勝の24時間…、そして予選なども含め合計で30時間以上となるル・マンの道を、誰よりも速く、強く走り続けるということは、本当に厳しいことでした。チームの皆の心境を思うと…、そして、応援いただいた全ての方々へ…、今、なんと申しあげたらよいか、正直、言葉が見つかりません。我々、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。

 

負けることを知らずに戦うのでなく、本当の“負け”を味あわさせてもらった我々は、来年もまた、世界耐久選手権という戦いに…、そして、この“ル・マン24時間”という戦いに戻ってまいります。もっといいクルマづくりのために…、そのためにル・マンの道に必ずや帰ってまいります。ポルシェ、アウディをはじめ、ル・マンの道で戦った全てのクルマとドライバーの皆さまに感謝すると共に、また、一年後、生まれ変わった我々を、再び全力で受け止めていただければと思います。皆さま、“負け嫌い”のトヨタを待っていてください。よろしくお願いいたします。」

 

なお、ポルシェ#2号車が優勝を飾り2連覇を達成。トヨタ#6号車は2位に入り、3位はアウディ#8号車となった。

トヨタレースレポート

TOYOTA GAZOO Racingは、#5号車が23時間55分まで手中に入れかけていた初勝利を、チェッカーフラッグへ1周を残し、まさかのトラブルで逸した。#6号車が2位表彰台を獲得したものの、チームにとっては悔しい24時間レースの幕切れとなった。

レースを通して首位を争った2台のTS050 HYBRIDは、残り3時間の時点で同一周回の1位と3位を走行。トヨタル・マン24時間レース初勝利へ向けて順調にレースを戦っていた。

#6号車は夜間の接触とスピンに起因する不具合を修復すべく正午過ぎにピットイン。10分弱を要したが、3位のポジションを守ってレースに復帰した。

 

これで優勝争いは#5号車とポルシェ#2号車の一騎打ちとなった。最後の3スティントを担当すべくステアリングを握った中嶋一貴が、2位のポルシェとの30秒の差を保ちながら周回を重ね、残り3周でポルシェ#2号車が緊急ピットイン。その結果、1分半へと差は広がり#5号車の初勝利は安泰かと思われた。

しかし、チェッカーフラッグへ残り5分ほどで#5号車がまさかのスローダウンファイナルラップへと向かう最後のストレート上でストップ。なんとか走行を再開した#5号車だったが、規定の6分以内に最終周を走り切ることが出来ず、失格となった。

24時間レース最後の数分で勝利を逃すこととなったTOYOTA GAZOO Racingは、#6号車が2位表彰台を獲得。26万人の大観衆の祝福を受けた。

各コメント

TS050 HYBRID #5号車【失格】

アンソニー・デビッドソン

「困難なレースでしたが、こんな終わり方になるとは思いもしませんでした。映画の脚本だとしても、こうは書けないと思います。結果を受け入れるのは、とても辛いものでしたが、強くなって帰って来るしかないと思います。」

セバスチャン・ブエミ

「今日の状況を的確に表す言葉は見つけられません。我々はレースをコントロール出来ていましたし、勝利は目前でした。ル・マンは最も重要なレースだからこそ、こういう結果になるとは、受け入れられるものではありませんでした。完璧な準備をして来てこの結果ですから、チームはとても落ち込んでいますが、我々は来年の勝利に向けてスタートを切らなければなりません。」

 

TS050 HYBRID #6号車【2位】

小林可夢偉

「残念ながら2位という結果は、望んでいたものではありません。我々は勝つためにここに来ているので、満足はしていません。TS050 HYBRIDの高いパフォーマンスを証明し、決勝レース中のファステストラップもマーク出来ました。#5号車についてはドライバー、スタッフ、エンジニアの悔しさはとても良く分かります。彼らは序盤のトラブルを克服して上位争いに復帰し、勝利に値するレースを戦いました。」

ステファン・サラザン

「首位を走行しながら、#5号車がゴール目前にして勝利を逸するなど、とても考えられませんでした。どんなに酷い悪夢でもここまでではないでしょう。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。TS050 HYBRIDは充分に速く、20時間にわたってレースをリード出来ました。我々には良いペースで走れる速いクルマと強いチームがあるということを示せました。しかし、レースは信じられない結末で終わってしまいました。」

マイク・コンウェイ

#5号車のことを考えると2位を獲得したと言っても複雑な気持ちです。今日は素晴らしいTS050 HYBRIDを自在に乗りこなしていました。彼らがどれほど落胆しているか、気持ちはとても良く分かります。我々はレースの大半で上位を争えたので、車両のパフォーマンスを示せたという点では、良いレースでした。1台が表彰台に上れたことは良かったのですが、我々はもっと良い結果を望んでいました。」

 

佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表

「昨年から今回のル・マン24時間レースに向けて必死に努力を重ねて来たチームをとても誇りに思います。また、トヨタ東富士研究所、ケルンのTMG関係者の方々には深く感謝を申し上げます。昨年の雪辱を果たすために皆が短時間で競争力のある新型シャシー、パワートレーンを開発して来たことには胸が熱くなりました。我々はチーム一丸となって今年もル・マン24時間レースに臨みました。今日の結果については言葉に表すことが出来ません。一言で言えば“無念”かもしれませんが、我々は勝利の固い決意の元に、更に強くなってここに戻って来ることを誓います。」

http://www.excite.co.jp/News/car/20160620/Autocone_769959.html?_p=6

(続く)