日本近代化の流れ(86)

だから、「まずは両国の信頼を醸成し、その上で領土問題の解決と平和条約の締結につなげようとするもので、ようやく出発点に立った格好だ」と考えること自体が、間違い。信頼が醸成されたからと言って不法占拠した北方四島を返してくれる筈はない。それにもましてロシアとは、信頼関係が醸成されるということは、かなり難しい筈だ。不可能と言ってもよかろう。

 

信頼の醸成への努力にブラスして、もう一つ何かが必要となろう。それは何か。

 

その前に「北方4島での共同経済活動」の内容を確認しておこう。

 

 

日ロ経済協力、過去最大規模=官民80件で3000億円-政治主導で進出加速

2016/12/16-22:03

合意文書交換式で、ロシアの代表者と握手する世耕弘成経済産業相(中央右)。左端はプーチン大統領。右端は安倍晋三首相=16日午後、首相公邸

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 日本とロシアは16日、安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談を踏まえ、エネルギーや医療・保健、極東開発など8項目の経済・民生協力プランに基づき、官民で80件の合意文書を交わした。政府間で12件、民間レベルでは当初想定のほぼ倍の68件の広範な経済協力で合意した。日本側の投融資は3000億円規模過去最大規模の対ロシア経済協力となる。政治主導で日本企業のロシア進出が加速する見通しだ。

「大統領と同じ秋田犬を」=プーチン氏と登場で人気-ロシア



安倍首相は記者会見で「今までの日ロ関係で前例のないことだ」と強調。プーチン大統領は極東地域での石油・天然ガス開発に触れ、「ガスと電力を非常にいい価格で日本に最短距離で届けられる」と語った。経済協力を先行させ、領土問題で譲歩を引き出す環境を整備するのが狙い。
 エネルギー分野では、石油や天然ガスなどロシアの地下資源開発で両国が協力するほか、東京電力福島第1原発廃炉の技術協力など原子力平和利用が盛り込まれた。民間では、三井物産三菱商事が参加するサハリン(樺太)沖の天然ガス・石油開発「サハリン2」の生産設備増強に加え、丸紅国際石油開発帝石などがロシア国営石油会社とサハリン沖の炭化水素探査などで合意した。
 欧米からの経済制裁資金調達に苦しむロシアの意向を受け、三井住友銀行みずほ銀行が国営天然ガス独占企業ガスプロムに融資するなど資金供給面でも協力する。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121600613&g=eco

 

 

迂闊ではないにしても、ロシアにそんなに軽々しく金は貸さないことだ。貸すにしてもそれなりに目の飛び出るような利息を貰うようなものにしないといけない。そうすれば、少しは言い訳が立つと言う物ではないのかな。

 

そしてロシアには更に、金を使わせることを考えないといけない。余分な金を使わせて、ロシア経済を更に困らせることをやらないといけない。

 

どっちみち北方四島を返す気がないのだから、更に無駄金を使わせて困窮させることだ。

 

その方法が一つある。それは、日本の防衛にもとても役に立つものである。日本が自立することにも資するものである。

 

それは、日本が核武装することである。当然核弾頭を備えたミサイルも持つことになる。

 

すると、中国などは迂闊に日本に手は出さなくなるであろうし、ロシアも対日本に対する防衛を考えなくてはならなくなり、余分に金を使うことなる。そのようにロシアには無駄金を使わせることである。

 

そして、何らかの信頼関係が成り立てば、例えばの話だが日露通商同盟(軍事でも可)などを締結して、その関係が続けば日本の核がそれほど脅威とみなされなくなりロシア側がより経済協力を欲するようになり、領土問題の解決の道が開けてくるのではないのかな。

 

いずれにしても、ロシアに対しては、それほど甘く考えないことだ。安倍さんも少し、甘くなったのではないのかな。甘くないよ、ロシアは。何せ日露戦争で、予想に反してこっぴどく叩かれたことを、いまだに根に持っている筈だから。

 

日ロが共同経済活動へ交渉、領土問題は「困難な道」と安倍首相 

World | 2016121623:15 JST    関連トピックス: トップニュース

 

 12月16日、安倍晋三首相(写真右)とロシアのプーチン大統領は、2日間にわたる首脳会談を終え、60以上にわたる経済協力事業を進めることで合意した。写真は経団連会館での会合に出席する両首脳(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) 安倍プーチンr

 

[東京 16日 ロイター] - 安倍晋三首相とロシアプーチン大統領は16日、2日間にわたる首脳会談を終え、60以上にわたる経済協力事業を進めることで合意した。一方で、日本が最重要課題に位置付ける領土問題に関連して一致したのは、4島における共同経済活動に向けた交渉の開始のみ

まずは両国の信頼を醸成し、その上で領土問題の解決と平和条約の締結につなげようとするもので、ようやく出発点に立った格好だ。

15日に安倍首相の故郷の山口県長門市で、16日に東京の首相官邸で会談した両首脳は、択捉、国後、色丹、歯舞の4島での共同経済活動に向け、交渉を開始することで合意した。漁業や養殖、観光、医療などを想定し、法的立場が侵されないことが前提とする日本、自国の法律に基づき実施するとしているロシア双方の主張に沿う特別な制度を検討する

16日午後の共同会見で公表した声明には、共同経済活動と平和条約締結を結びつける表現を盛り込んだ。安倍首相は「互いにそれぞれの正義を何度主張しあっても解決できない」としたうえで、「新しいアプローチ、未来志向のアプローチこそが最終的な結果に結びつく道と確信している。平和条約締結に向けた重要な一歩だ」と語った。

プーチン大統領は共同会見で経済協力について多くの時間を割きつつも、平和条約についても言及。「共同経済活動のための特別な制度というメカニズムのもと、最終的な平和条約締結に近づけるようにもっていくことが大事だ」と語った。

しかし、共同経済活動に向けて交渉し、実際に活動を始め、信頼関係を十分に構築した上で領土問題を含む平和条約を締結するには相当の時間を要することが予想される。安倍首相は「領土問題の解決にはまだまだ困難な道は続く」と述べた。

日本が平和条約締結の前提としている4島の帰属についても、両首脳が議論したかどうかは不明だ。安倍首相とプーチン大統領は通訳だけを同席させて1対1で議論する時間があったが、政府高官は「中身については話せない」としている。

国際政治が専門の拓殖大学の川上高司教授は、「まさに入口に立ったというところ。時間はかかるだろう」と指摘。一方で、「それほど時間はない。安倍首相とプーチン大統領がいるうちに解決する必要があるし、(トランプ次期大統領の)米国とロシアが接近する前に話をどんどん進める必要がある」と語った。

両国の経済協力についても議論した両首脳は、地下資源の探査事業など68の事業を進めることで合意した。日本企業からの投資、融資を合わせると総額3000億円の規模になるという。

プーチン大統領は、ロシアは日本との経済協力だけに関心があるのではないかとの見方を否定。「私にとって最も重要なのは平和条約の締結。それがロ日の長期的な協力につながる」と語った。

最大野党・民進党蓮舫代表はコメントを出し、「経済協力の『食い逃げ』につながるのではないかという懸念が残り、肝心の北方領土問題の解決に向けての具体的な進展が見られなかったことは残念だ」とした。

*内容を追加します。

(久保信博、石田仁志、Ekaterina Golubkova 編集:田巻一彦)

http://jp.reuters.com/article/2ndmeeting-abeputin-idJPKBN1450E1?sp=true

 

 

安倍晋三首相は、ロシアとの平和条約の締結が偉業の一つだと思っていらっしゃるようだが、我々国民はそうは思わない。ロシアと平和条約を結んで何の得があるのであろうか。今までも、普通にロシアとは付き合ってきたではないのかな、平和条約がなくても。

(続く)