トヨタ堤工場、またぼや発生 ダクトから出火
- 2014/7/9付
- ニュースソース
- 日本経済新聞 電子版
8日午前10時10分ごろ、愛知県豊田市堤町馬の頭のトヨタ自動車堤工場から、「ダクトから出火した」と119番通報があった。排気用ダクトの一部と鉄板製の屋根約9平方メートルが焦げたが、工場の作業員が消し止めた。けが人はなかった。同工場では、5日にも別のダクトが焼けるぼやがあった。
県警豊田署によると、出火したのは塗装工程で発生する熱などを逃す排気用ダクト付近。屋根の上に置かれたダクトの出口部分の金網に付着していたすすやかすが熱気で燃え、屋根に落ちたという。
出火の影響でトヨタは8日、堤工場の2本ある車両組み立てラインの1本で夜間操業(午後4時15分から翌日午前1時まで)をやめた。残りの1本は午後8時から操業を再開した。「生産設備の稼働に影響する大きな被害はない」(トヨタ)とみて9日は通常稼働に戻す方針だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD08H18_Y4A700C1CN8000/
ボヤで生産ライン1本5時間止まる
トヨタ工場 毎日新聞2015年12月16日 12時02分(最終更新 12月16日 12時02分)
16日午前3時5分ごろ、愛知県豊田市堤町馬ノ頭1のトヨタ自動車堤工場の塗装ラインの配線から火が出ているのを従業員が発見した。備え付けの消火器で間もなく消火し、電気コード約1メートルが焼けた。火災の影響で2本の生産ラインのうち1本が同6時20分から約5時間止まった。県警豊田署が出火原因を調べている。
同工場はトヨタの主力のハイブリッド車(HV)「プリウス」の4代目を生産している。【中島幸男】
http://mainichi.jp/articles/20151216/k00/00e/040/190000c
トヨタ自動車本体としては、ISOの認証取得はしていないようだが、トヨタとしてはそれ以上のことをやっていると言う自負があるようで、ISOの認証取得には積極的ではない。まあ毎年1千万台以上のクルマをコンスタントに生産・販売しているので、品質管理や環境管理などには相当自信を持っているようだ。そうでもないとやってゆけない、と言うことであろう。
さてトヨタ車体に話を戻そう。
とは言うものの、車両生産は、材料、加工、各種材料処理、組み付け、運搬、組み立てと物理的には複雑怪奇な生産工程であるにもかかわらず、火災発生などは殆ど起こっていないという方が、正しいのかもしれない。車を作るということは、それ程複雑な総合工業生産工程なのであろう。
まあ先の記事ではないが、
2016年に入り大きな事故が、(2016年)愛知製鋼→アイシン九州→アドヴィックス→(2017年)トヨタ車体いなべ工場 とこうも続くということは、何かあるのではないかと、疑われても仕方ないであろう。早急な対策を期待したいものであるが、今のところトヨタ自動車本体での車両生産を止めるほどの災害などが、起こっていないということはご同慶に至りである。
いなべ工場と言えば、1993年・H5年に操業を開始している。最新と言ってもすでに24年もたっているので、古い工場の部類に入るのであろう。トヨタ車体プロパーとしては、次の3つの工場を持っている。
トヨ車刈谷工場 1936年操業 99,100㎡ ウェルキャブ、コムス
トヨ車富士松工場 1964年操業 436,700㎡ エスティマ、ノア・ボクシー、ランクル70
トヨ車いなべ工場 1993年操業 800,500㎡ アルファード、ヴェルファイア、ハイエース
トヨタ堤工場 1970年操業 940,000㎡ プリウス、同PHV、カムリ、プレミオ、アリオンなど
トヨタ車体のいなべ工場が既に操業24年経過しているのに対して、トヨタ自動車の堤工場は1970年(S45)1月の操業であるので、既に47年が経過している。いなべ工場より2倍も古いのである。
トヨタ自動車も今年は、80周年となる。思わぬところで何かが起こってもおかしくないのである。
従って、トヨタ自動車もトヨタ車体同様に、老朽化等による設備故障や火災発生、その他の災害の発生には、くれぐれも細心の注意を果たさんことを願ってやまないものである。
なお「工場稼働のための重要設備」に対する諸管理や災害対策に関しては、先の小生のブログ「続・次世代エコカー・本命は?(96)」(2016.8.29)でも言及しているのでご参照願うが、そこでは1997年2月1日に起こったアイシン精機の刈谷工場(プロポーショニング・バルブ:PVの生産工場・トヨタ車の90%を担っている)での火災による7万台も減産する工場火災の事故を述べている。
この件に関しては、http://www.sydrose.com/case100/315/ を参照されるとよい。
トヨタとしても、このような災害が2016年に引き続き、2017年も続いては堪ったものではない筈だ。年間販売トップを狙って商売をしているわけではないが、もしそんなことが起これば、今年も世界販売のトップの座はVWに奪われかねないのだ。
天変地異も含めて不確実な世の中ではあるが、さらなる諸災害の発生が起こらないことを祈って、次の話題の移ろう。
(続く)