だからトヨタをはじめカーメーカーは焦っているのである。HVがZEVであれば、何ら問題はないのである(かといってCO2の排出があるので、これは問題ではある)。この文は、2016.11月に書かれている割には、完全に時代錯誤の感がある。
2018年ModelYearの数字は下記。
即ち
MY Total ZEV ZEV TZEVs
2018 4.5% 2.0% 2.5%
ちなみに2018年規制以前の規制は、こんなもので確かに14%から16%に引き上げられることになっていた。
これは、http://www.cev-pc.or.jp/kiso/zev.html によるものであるが、このうち下表の「2018MY~」の規制数値が、2018年規制で上表のもの(4.5%)に変更されたのである。
ちなみにZEVの規制値を年別に示す。これは下記のURLに掲載されているものである。http://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/15/170315i_nishino.pdf
加州ZEV規制で州内販売台数に占めるべきZEVの割合
(規制値、%)
年 区分 |
TOTAL |
ZEV |
TZEV |
AT PZEV |
PZEV |
2012 |
'12.0 |
0.8 |
2.2 |
'3.0 |
'6.0 |
2013 |
'12.0 |
0.8 |
2.2 |
'3.0 |
'6.0 |
2014 |
'12.0 |
0.8 |
2.2 |
'3.0 |
'6.0 |
2015 |
'14.0 |
'3.0 |
'3.0 |
'2.0 |
'6.0 |
2016 |
'14.0 |
'3.0 |
'3.0 |
'2.0 |
'6.0 |
2017 |
'14.0 |
'3.0 |
'3.0 |
'2.0 |
'6.0 |
2018 |
4.5 |
'2.0 |
2.5 |
- |
- |
2019 |
'7.0 |
'4.0 |
'3.0 |
- |
- |
2020 |
9.5 |
'6.0 |
3.5 |
- |
- |
2021 |
'12.0 |
'8.0 |
'4.0 |
- |
- |
2022 |
14.5 |
'10.0 |
4.5 |
- |
- |
2023 |
'17.0 |
'12/0 |
'5.0 |
- |
- |
2024 |
19.5 |
'14.0 |
5.5 |
- |
- |
2025 |
'22.0 |
'16.0 |
'6.0 |
- |
- |
注:ZEV:BEV/FCV、TZEV:PHEV/HICE、AT PZEV:HEV、PZEV:低燃費内燃機関車
補足として、2014.12.4の「次世代エコカー、本命は?(8)」も参照されるとよい。
またTZEVはtraditionl ZEVで、過渡的なZEVを意味しPHVが該当する。HICEは水素エンジン車、hydrogen internal combustion engin vehicle である。
https://www.arb.ca.gov/msprog/zevprog/zevtutorial/zev_tutorial_webcast.pdf などを参照されるとよいが、
この2018年規制からは、何度でも言うが、EVとFCVとPHVだけがZEVに該当して、トヨタやホンダが得意としているHVは完全にZEVからは除外されたのである。だから、トヨタとしても一大事なのである。まあCO2ゼロが目標なってしまったので、いくら燃費が良いと言っても、Gasolineを燃やしているEngineは、ZEVの対象とはならないのである。
そんなわけで日産が「ノート e-POWER」なるハイブリッド車を発売して意気軒高のようだが、これは当然ZEV対象車ではない。PHVは完全にエンジンが動いていない時間があるのだが、このシリーズ式ハイブリッド車は常時エンジンが回っているから、常にCO2を排出していることになり環境的に言うとそれほど性質(たち)は良いモノではない。どちらかと言うとEVと言いながら、常にCO2を排出するから、性質は悪いのである。なぜ日産は今頃こんなものを出したのであろうか、はなはだ疑問である。トヨタと同じタイプのHVは出したくない、と言う依怙地があったのではないのかな。そのために燃費は良いと言うが、一時の稼ぎのために常時CO2を排出するEVを発売することになったものと思われる。
だから、トヨタは、ようやく2017.2.15にプリウスPHVの国内発売に踏み切ったのであり、これでやっとZEV規制に対しては、FCV「ミライ」と「プリウスPHV」の2本立てで、対処できることになったわけである。「プリウスPHV」は、2016年秋から加州では販売されている様である。
残すところは、EVである。これが問題なのである。本来は2018年規制の主力となるべきクルマはEVだったのである。今から思うにトヨタは、FCVよりもEVの開発を優先すべきだったのではないのか、と思われる。まあFCV「ミライ」が発売されたときは、やんややんやと持て囃されたものであったが、トヨタは優先順位を間違えていたのではないのかな。
なおこの論考ではEVを近距離用途としているが、今ではバッテリーの進歩によりEVは近・中距離用途に格上げしても良かろう。そして300kmから500km位までの距離をカバーできるようにはしたいものである。
(続く)