続続・次世代エコカー・本命は?(52)

一つは、原子力発電だ。日本は相当数の原子力発電所を持っているが、東日本大震災福島第一原子力発電所の事故で、その稼働が押さえられている。これはとてももったいないことである。安全性が確認されたものから、通常運転に戻って行ってCO2を排出しない電気を供給してもらいたいものだ。原子力発電所の事故防止を最優先にして、積極的に稼働を進めるべきではないのかな。もうそんな時が来ている筈だ。

 

2つ目が、再生可能エネルギーの活用だ。以前にも言及したことがあるが、再生可能エネルギー自然エネルギー)で水を電気分解して水素を発生させて、それで燃料電池で電気を作ることやその水素を燃やして発電することを推奨した。いわゆる「水素社会」への変革である。この方法で作った水素を使った燃料電池車は、地球温暖化対策の優等生となろう。是非とも長い目で見て、この水素社会の達成に向けて、日本政府も我々も努力を積み重ねていきたいものである。

 

 

だから燃料電池車をトヨタがは発売した時には、世の中は騒いだのである。

EVだとか電気自動車とか大騒ぎしても、その電気はどこから来るのかしっかりと見極める必要があるのである。一般的には石油を燃やしてCO2を出しながら電気を作る火力発電所から、その電気は得ているのが普通である。これでは本末転倒であろう。

 

だからここでも「バイオマスCCS」に言及しているのである。

 

 

CCSとは

Carbon dioxide Capture and Storageの略であり、二酸化炭素CO2)の回収、貯留を意味しています。人類は、豊かな生活を築くために、長年にわたって地中深くに埋まっていた石油、石炭等の化石燃料を取り出して消費してきました。化石燃料を使用するとCO2が発生し、その結果大気中のCO2、これが地球温暖化の原因のひとつと言われています。CCSは、工場や発電所などから発生するCO2を大気放散する前に回収し、地中貯留に適した地層まで運び、長期間にわたり安定的に貯留する技術です。CO2の早期大規模削減が期待できる地球温暖化対策の切り札なのです。

CO2を貯留する場所は、地表から1,000m以上の深さにある一層の貯留層(帯水層等と呼ばれる)です。CO2が漏れ出すことのないよう、上部を遮へい層と呼ばれるCO2を通さない泥岩などの層で厚く覆われていることが必要です。

http://www.japanccs.com/about/setup/

 

 

大気中のCO2を減らすための技術

 

 大気中のCO2を減少させるネガティブエミッション技術として、特に バイオマスエネルギー利用(BE)CO2の回収貯留(CCS)を組み合わ せたバイオマスCCS(BECCS)技術の大規模な導入が検討されている。Bio-Energy with Carbon(dioxide) Capture and Storege

 

バイオマスCCSは、植物バ イオマスの燃焼時に発生す るCO2 を回収・貯留するこ とによって、CO2 収支を負 とするエネルギー利用技術 である。

 

その他にも

• 植林 • 大気中CO2直接回収 • 土壌中炭素貯留 • バイオ炭 等も同様の効果を持つ

 

 

CO2(-)        CO2(+)    CO2(-) CO2(-)

植物による吸収バイオマス発電所からの排出→回収と貯留< 0

[森林]   [木材]   [燃焼]    [CCS] [BECCS

 

http://www.nies.go.jp/ica-rus/symposium2014/PDF/yamagata_20141201.pdf

 

 

このようにCO2を減らすことは非常に難しいことなのである。地下に埋没している石油・石炭などを掘り起こして、折角貯蔵されているCO2を大気に解き放すことは、地球の環境的なバランスを痛く壊すことになるものである。

 

それと同時にCO2を吸収してくれている森林を破壊することも、地球環境を痛く破壊することなのである。人間はせっせと植林を進めてゆかなければならないのである。

 

さもないと我々の子孫には、この地球と言う揺り篭を引き渡せないのである。

 

だから電気自動車も、再生可能エネルギーからの電気で賄われなければならないのである。

 

燃料電池車の水素も同じことである。水素の場合も水の電気分解には電気が必要となり、EVの場合もバッテリーに充電するためには電気が必要となる。その電気を何から作るかが問題である。

 

そろそろ石油や石炭からは卒業しつつ、全面的に原子力自然エネルギーの活用に向かう必要がある。CO2を出さないエネルギーの確保が、絶対条件となって来ているのである。単なる放射能アレルギーのために原子力発電を忌避することは、反面地球滅亡への時間短縮となりかねないものとなろう。

 

 

水素に関しては、小生のブログ「次世代エコカー、本命は?(105~」(2015.4.24~)で、ホンダのパッケージ型スマート水素ステーションについて述べているが、それは太陽光発電システムで作った電力で水を電気分解して水素を作り出すものである。これこそCO2フリーで水素を作り出すことが出来る装置であり、実用化可能なものである。ホンダはその実証実験を、2016.10に始めている。しかも充填圧力が70MPaなので、今のFCVに打ってつけなのである。燃料電池車の普及には、水素ステーションの普及がカギだと言われているので、是非成功させたいものである。そうすればCO2フリーの自動車の普及が進むのである。地球温暖化を少しでも防ぐことが出来るということである。

(続く)