そして、トヨタも水素供給網の構築に向けて動き出したようだ。
- 2017/5/19 15:41
- ニュースソース
- 日本経済新聞 電子版
トヨタ自動車やJXTGホールディングスなどは19日、燃料電池車に燃料を供給する水素ステーション事業で提携すると発表した。年内に共同出資会社を設立し、政府の設置計画に沿ってステーション建設などを担う。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が次世代自動車として先行するなかで、供給網を拡充し燃料電池車の普及を進めていく考えだ。
トヨタやJXTGなど11社が共同出資会社の設立に向けて基本合意した。出資を検討しているのは、ホンダや東京ガス、出光興産、岩谷産業、日本政策投資銀行(DBJ)など。出資比率や資本金などは今後調整する。政府はまず2020年度までに160カ所のステーションを整備する計画があり、新会社はその一部を担う。将来的には新会社で300カ所程度のステーションを建設する計画もある。
燃料電池車ではトヨタが14年に「ミライ」、16年にホンダが「クラリティフューエルセル」を発売したが、普及台数はまだ1700台程度にとどまる。水素ステーションは全国約90カ所で、JXTGが40カ所、岩谷産業が約20カ所を運営している。一方、EVはすでに普及台数や燃料供給拠点数で燃料電池車を大きく上回っている。
新会社が供給網を拡充することで、燃料電池車の普及促進につなげる。さらに供給拠点を一気に拡充することで、水素を車に充てんする設備などをより安価に量産できるようにする狙いもある。現在、ステーション1カ所あたり4億~6億円の建設コストがかかると言われており、ガソリンスタンドの数倍も高い。
政府はすでに補助金を使い、建設や運営コストの半分程度を支援していているが、本格的な普及に向け建設コストを現在の半分程度まで引き下げることを目指す。30年には燃料電池車を80万台、ステーションを900カ所まで拡充する計画で、EVとともに次世代自動車の柱に育てていきたい考えだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ19HRR_Z10C17A5000000/?n_cid=NMAIL002
そして更に「工場CO2ゼロチャレンジ」の一環として、FCVミライを生産しているトヨタの元町工場に、燃料電池フォークリフトを導入すると言う。当初は2台だけだが2020年頃までには170~180台規模になると言う。そのうちに再生可能エネルギー由来の水素で電気を起こし、それを工場で使ってCO2の削減につなげてゆく計画だと言う。
工場内からCO2を一掃!トヨタ自動車がFCフォークリフトを大量導入へ
2017/02/02 08:03 by Avanti Yasunori
トヨタ自動車社(以下トヨタ)は一昨年(2015年10月14日)、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しました。
2010年比で新車のCO2排出量90%削減を目標に、様々な活動に取り組んでおり、今後も水素社会の実現に向けた活動を推進していくとしています。
1月18日にはスイスのダボスで、エネルギー&自動車業界13社で構成する水素社会実現に向けた世界規模の水素協議会「ハイドロゲン カウンシル」を発足させ(http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/011905884/?ST=tomene&d=1485323771170)、今年の5月からは、アラブ首長国連邦(UAE)がゼロ・エミッションを目指して建設を進めている環境未来都市「マスダールシティ」で、FCV「MIRAI」による水素供給インフラの実証実験を開始するそうです。
(https://clicccar.com/2017/01/22/438998/)
一方、同社は「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つとして「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、工場での水素利用を目指して水素エネルギー活用技術の開発・導入を推進しています。
2020年を目処に再生可能エネルギーで生成した水素を工場に供給し、空調や部品運搬用のフォークリフトのエネルギー源として活用するなど、工場内での水素の本格利用を予定しているようです。(https://clicccar.com/2016/02/11/353500/)
そうしたなか、同社は1月31日、水素で走る燃料電池車「MIRAI」を生産している愛知県豊田市の元町工場に豊田自動織機製の燃料電池(FC)フォークリフトを2台導入、利用を開始したと発表しました。
今回導入したFCフォークリフトは、環境省・国土交通省連携事業である「水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業」を活用して導入したそうです。
フォークリフトは工場内での利用数や稼働率が大変高いことから、世界的にも環境対策の対象として注目されており、中でもFCフォークリフトに注目が集まっています。
水素を燃料とするFCフォークリフトは、稼動時にCO2や環境負荷物質を排出しないことに加え、3分程度で燃料をクイックチャージできるなど、高い利便性を備えており、外部給電機能により災害などの非常時に電源としても活用が可能。
トヨタでは工場でのCO2排出量削減に向け、現在工場内で多数使用しているエンジン式のフォークリフトをFCフォークリフトに置き換えていくそうで、まずは元町工場において、2017年に2台、2018年に20台程度導入し、その後、2020年頃までに170~180台程度の導入を目指していく模様。
今後は再生可能エネルギー由来の水素を工場内に一旦ストック、電気に戻して車両の生産工程に活用するなど、工場からのCO2排出を抜本的に削減する計画も進んでいるようで、水素で先行する同社の今後の取組みが注目されます。
(Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)
http://clicccar.com/2017/02/02/441955/2/
話の序に、トヨタが風力発電による水素供給網作りに取り組んでいる話を紹介しておこう。
(続く)