続続・次世代エコカー・本命は?(71)

理想と現実

マスク氏のビジョンはさておき、テスラの企業活動の核は、結局、自動車だ。これなしでテスラは成り立たない。この先、ソーラーシティテスラエネルギーが自動車関連事業を超える可能性を否定はしないが、屋台骨はあくまで自動車の製造、販売だ。

テスラの株価は現在、250ドル(約28000円)で推移しており、投資家は今年の後半に予定されている新車「Model 3」の発売を見守っている

558b8a386bb3f7db293f3687
マスク氏は2017年、様々なことに取り組むつもりだ。

OnInnovation/Flickr

20163月の発表以来、Model 3」には373000の予約が入っている(しかも、1000ドル、約112000円の手付金つきで)。実際に販売が開始され、売上げが計上できるまでには、まだ時間がかかる。しかも、テスラは販売が3年遅れたModel X SUVのような過去がある。同じことが起きれば業績への打撃となる。テスラの太陽光パネルがいかにクールだろうが、テスラエネルギーが成長しようが、取り返せない。

難しい分野

自動車の製造/販売と他の事業をどう組み合わせていくのか、テスラにとって2017は難しい年になるだろう。しかし、それでも前に進まなければならない。マスク氏はこの2年以内に年間50万台の製造を目指している。2016年はこれまでで最多の85000台を生産したが、この数値を見る限り、まだまだ課題は多い。

それでも、グリーンエナジーと自動車の企業体として、テスラはカリフォルニア州で電気自動車を製造し、ネバダに巨大なバッテリー工場を持ち、各地で太陽光パネル電力貯蔵システムを推進、そのすべてが電気自動車製造につながる流れを生み出している。2016年はテスラにとって大きな躍進の年だった。2017年もさらなる成功が見込まれる。

しかし、名前が変わってもテスラはやはり自動車メーカーだ。今も、そしてこれからも。

[原文:It's too early to start thinking of Tesla as more than just a car company(TSLA

(翻訳:十河亜矢子)

 

https://www.businessinsider.jp/post-725

 

 

テスラは、2016.11月にソーラーシティを傘下に収めて太陽光発電事業に参画したが、先の記事中の「ソーラールーフ」の写真はそのことを示しているのであろう。しかし同時にパナソニックと共同で太陽電池の生産をはじめることも検討していると言うので、二刀流ではないのかな。

 

 

テスラとソーラーシティ、太陽光パネル共同開発

2016/10/29 18:21
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 【ロサンゼルス=兼松雄一郎】米テスラモーターズ28日、買収手続き中の米太陽光発電設置大手ソーラーシティと共同で、屋根タイルと一体化した太陽光パネルを開発したと発表した。来夏に米国で出荷を始める。テスラの蓄電池の新モデルと合わせて提案する。相乗効果をソーラーシティの株主にアピールし、買収手続きを前進させる狙いがある。

 表面を強化ガラスで保護した上で、水圧の力を使う「水圧転写」などを使い加工。発電効率をほとんど落とさずに、見た目は太陽光パネルだとわからないデザインに仕上げた。価格はパネルを設置しない場合に必要な電気料金と屋根タイルを合わせた水準にする。ソーラーシティの米ニューヨーク州の工場で生産。数年内に米国の屋根市場でシェア5%を目指す。

 太陽光パネルと一体的に使う家庭用蓄電池の新モデルも発表した。インバーターを一体化し設置しやすくしたのが特徴で、14キロワット時の容量で価格は5500ドル(日本は税込み61万7千円)と競合他社品の半額以下に抑えた。来年から設置を始める。日本でも蓄電池を来年発売する。

 ソーラーシティは1117に買収を承認するかどうかを決める株主総会を開く予定。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「買収が遅れれば製品開発に遅れが出る」と株主にアピールした。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ29H1H_Z21C16A0TJC000/

 

 

         ソーラーシティー        パナソニック  

電池方式   トンネル接続型         ヘテロ接続型

生産工場   加州フリーモント、中国    大阪府貝塚市  

工場新設   NYバッファロー市      ←同左 

販売先     新設家屋用           既設家屋用


(注)中国からは撤退の予定

 

 

テスラのやることは、複雑すぎて何が何だか理解に苦しむものであるが、事の成り行きは次のようなものであったようだ。

 

この「バッファロー工場」はテスラとソーラーシティーが建設を始めたものであったが、ソーラーシティーの経営悪化からかねてより関係が深いパナソニックに、イーロン・マスク助けを求めたもののようで、そのためのパナソニック側の条件がテスラによるソーラーシティーの買収であった、と言う物である。

 

だから「バッファロー工場」の経営主体はパナソニックとなるのではないのかな。今までの記述からは、パナソニックが、ソーラーシティーの「バッファロー工場」の軒下を借りて太陽電池パネルを作らせて貰うような雰囲気であったが、実情はその反対のようだ。

(続く)