続続・次世代エコカー・本命は?(116)

と言う事は、トヨタはまだHVに未練を持っておりCO2を排出していても、次世代エコカーとしての認識を捨てていないようだ。米国でも中国でもHV車はエコカーとは認められていないのに、なんとなく往生際が悪いと言うか、唯我独尊的な考え方が強いようにも感じてしまう。

 

短期的にはHVは大切な環境技術だ、などと言ってもよいが、「パリ協定」の手前少しでもCO2を排出するようなクルマは、世の中では「愛車」などとは呼ばれなくなるのだ。次世代環境車を補完するクルマとしての地位では、あり続けることはできるかもしけれないが、ZEVNEVではありえないクルマなのである。

 

一人よがってまだ世界では2%位しか売れていないので、まだまだ売れるのではないかなどと言っているうちに、取り残されてしまうのではないのかな。それよりもトヨタの乗用車全車種に、PHVを早急にラインナップさせることを急いだ方が余程理にかなっているような気もするのだが。

 

まあ発展途上国では、HV車はそれなりに幅を利かすことが出来るであろうが、先進国ではCO2を排出しないクルマが、環境対応車はなってゆくことであろう。

 

 

このように豊田章男社長の言葉を整理していくと、2018年のル・マンへは参加しない可能性が高いのであろう。

 

と言うのも、「競争相手がいるから、クルマ作り人材育成の場となり」と言っている以上Audiが抜け、Porscheも抜けてしまっては、競争相手が誰もいなくなってしまう。これではル・マンに参加する意義はかなり薄れてしまうことになり、トヨタとしてもプライド上参加は見合わせることになろう。

 

競争相手がいるとすれば、それは「Formula E」となろう。2017.8.15NO.96などを参照願いたいが、トヨタも競争相手のいる「Formula E」への参加を検討すべきなのだ。

 

小生は、トヨタには「Formula E」へ参加する技術はまだ出来上がっていないのではないのかな、と思っている。HVが一番だとして技術を磨かせてきた手前、おいそれと「Formula E」へ転換せよとは、章男社長は言い出せないのではないのかな。

 

ここを素直に次は「Formula E」だ、と言い出せば、豊田章男社長には将来性があるとみなすことが出来よう。

 

今年のル・マンは、あまりにも勝ちたい、勝ちたいと言った雰囲気が充満していたために、チームの中で小さい齟齬が発生し、それがやがては少しづづ悪い方向に動きだした結果、勝てるレースを次々と落としていったのではないのかな。今年のル・マンでは、トヨタチーム全体が虚心坦懐で謙虚にレースに集中していれば、1,2フィニッシュも夢ではなかったのではないのかな。小生は技術と言うよりも、精神的な、哲学的なところに弱点があったのではないのかな、と思っている。

 

これが、「勝敗は時の運、と言われるものなのである。これが足りなかった「強さ」であり、チーム全体をそんな雰囲気にさせたしまったリーダーたる豊田章男社長の弱点ではないのか。だから社長はル・マンの現場にはいなかった方がよかったのである。

 

少なくとも「やりつくした」と少しでも思ったのであれば、後は「運を天に任せておけばよい」のである。そうすれば結果は自ずと付いて来るものなのであろう。

 

それでも負けたのであれば、どこかに物理的な弱点があった訳なので、それを見つけて潰すことをすればよいのである。これがいわゆる「カイゼン」である。

 

今年のル・マンは勝てるレースであったものを、みすみす僅かな齟齬の積み重ねで落としてしまった(と小生には感じられるのであるが)と言うまことにもったいないレースであった、と残念で仕方がないのである。

 

もう一つ、コモディティと言えば、今のクルマこそコモディティではないのかな。コモディティが何を意味するのかは、小生には深く詳らかには出来ないが、「Formula E」が成立している以上、EVのことを簡単にコモディティなどとは言えないのでないのかな。

 

もっといいクルマ」は”操れるもの”から、”地球にやさしいクルマ”に変わってきていることも、肝に銘ずるべきである。トヨタのクルマは、少なくとも一千万人の人達に愛されているのであるから、尚更(地球にやさしくなければならないの)である。

 

 

中国では、そのコモディティ化するEVを相当数売らなければ、商売ができなくなるような「新エネルギー法・NEV」が、2018に施行されることが予想されている。

 

トヨタVWに販売台数で負けている要因の一つが、中国での販売台数の差なので、これは聞き捨てにならないことである。2018年と言えば来年のことである。トヨタとしては、うかうかしてはおられない立場なのだが、トヨタはこの中国のNEV法に背中を押される形でEVの開発に取り組まなければならなくなった訳だ。

 

 

中国の動きなど影響:トヨタが開発戦略を180度転換 EV開発に本腰

201704220700分 更新

トヨタはこれまでの開発戦略を180度転換し、電気自動車(EV)開発に本腰を入れざるを得なくなっている。[ロイター]



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19日、トヨタ自動車はこれまでの開発戦略を180度転換し、電気自動車(EV)開発に本腰を入れざるを得なくなっている。写真は同社RAV4EV。米カリフォルニア州20119月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson



[上海 19日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>はこれまでの開発戦略を180度転換し、電気自動車EV)開発に本腰を入れざるを得なくなっている。業界内で次世代自動車の主力はEVとの見方が強まる一方であることに加え、中国の政策に背中を押された形だ。

(続く)