続続・次世代エコカー・本命は?(126)

これで日産は、テスラの「モデル3」に対抗させると言う事になるであろうか。

 

新型リーフの航続距離はJC08モードで400kmだと言うが、米国のLA4モード燃費は150マイル・約241kmと6掛けの数字となってしまう。だから400kmをうのみにして遠出はしない方がよい。

 

LA4モード距離   販売価格      受注・販売台数  

新型日産「リーフ」 150miles (241km) 315~399万円     累計販売28万台

テスラ「モデル3」 220miles (354km) 380万円(35千ドル) 受注50万台

 

 

 

日産・西川CEO、「EVの航続距離競争は終わる」

ニュースを斬る

新型「リーフ」に2つの自信

201797日(木)

池松 由香

発表会後に別室でメディアの取材に答えた西川廣人CEO

 「(自動車メーカーが)バッテリーでEV(電気自動車)の航続距離を競う時代は終わる。これからは使い勝手や乗り味といった商品性の部分で競うことになる」

 日産自動車の西川廣人CEO最高経営責任者)は201796日、幕張メッセ(千葉県千葉市)の展示場で開いたEV(電気自動車)「リーフ」の新型車発表会で、今後のEVの競争力についてこう語った。新型リーフは同年102、世界に先駆けて日本で発売。販売台数は「初代の2倍」(同社)を見込んでいる。



 冒頭の発言から、西川CEOの「2つの自信」が見て取れる。一つは、新型リーフで作り込んだ「商品性」への自信。もう一つは、他社に先駆けてEVを開発してきたからこそ手にした「潮流を見る目」への自信だ。

「味付け」で勝てる

102日に発売。全長4480mm、全幅1790mm、全高1540mmで、重心を低くすることで走りを安定させたという

 世界市場で見た場合、新型リーフの航続距離はそれほど長くない。テスラの最新機種「モデル3」は米国基準220マイル(約354km。対して、新型リーフは同基準で150マイル(約241kmだ。にもかかわらず、新型リーフの価格は315万〜399万円と、モデル335000ドル=約380万円=から)と同水準だ。それでも西川CEOが自信を見せるのは、新型リーフに搭載した新機能が顧客に支持されると踏んでいることが大きい。

 それが「味付け」(実際に運転した時にドライバーが感じる乗り味)と呼ばれる部分だ。「クルマが電動化すれば差別化が図りにくくなると言われることもあるが、実際には違う。乗り味は自動車メーカーによって違うし、EVはエンジン車に比べて乗り味をより(顧客に)感じてもらいやすい」(西川CEO

 新型では、日産が持つ最新技術をてんこ盛りにした。昨年発売したミニバン「セレナ」に搭載した自動運転技術「プロパイロット」に、「プロパイロット パーキング」と呼ぶ新機能を追加した。これで、ボタンを押すなどの簡単な操作で狙った場所に自動駐車できるようになった。アクセルだけで加速・停止できるワンペダル機能「e-Pedal(イーペダル)」も搭載している。これら全てにおいて「乗ってもらえば分かるが乗り心地は抜群」(同)というのだ。

バッテリー事業を売却した理由

新型リーフの床下に搭載しているバッテリー

 日産には、2010年に初代を発売して以来、世界累計販売台数が28万台に上る「量産EVのリーダー」(同社)にリーフを育てたという自負がある。他社よりも長い時間をEV開発にかけてきたからこそ、分かったこともあるという。

 「初代では、バッテリーインバーターといったEVに不可欠な要素技術の開発が必要だった。だがその後、(開発の主軸が)どうクルマを走らせるかという『制御』の部分や、その先にある『ソフトウェア』などに移ってきた」

 日産は88日、車載用バッテリー事業であるオートモーティブエナジーサプライ(神奈川県座間市)の株式の51%を中国の投資ファンドに売却すると発表している。この判断についても西川CEOは、「バッテリーの容量は今後、(別の技術が確立するまでは)どのメーカーもほぼ同じになるため、バッテリーで競争力を出す時代は終わるだろう。だからバッテリーの製造そのものはパートナーと組んでやればいい。それよりも今、重要なのは、制御やソフトの技術力を高めて、どう自社の特徴を出すか。新型リーフでもその部分の開発の陣容を厚くしたし、今後もさらに厚くしていく」と語った。

 西川CEOが絶賛する新型リーフの乗り味は、果たして消費者に受け入れられるのか。発売後の売れ行きに注目が集まる。

 

日経ビジネスでは911日号から「日産自動車 新型『リーフ』開発ドキュメント」を連載します。「EV王者」の座を守り抜くために挑んだ開発の舞台裏を描きます》

 

このコラムについて

ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090600731/?P=2

 

 

従来の「リーフ」の航続距離は280kmJC08)だから、400kmと言うのは1.4倍となっている。リチウムイオンバッテリーに相当の改良を加えたと言う事のようだ。

 

と言う事は、改良もさることながらかなりの無理をさせていると言う事も言えるのではないのかな。

 

もともと先代の「リーフ」の初期型の中古車価格は、電池寿命の悪さから30~40万円でたたき売られていると言う。日産は大幅に改善したと言うが、見極める必要があろう。

(続く)